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エッセイその65. 私に近い六人の他人(4)リンゴ・スター



「六次の隔たり」のお話です。



リンゴ・スターとは、直接同じ空気を吸いました。

(=コンサートに行っただけ・・😅)




リンゴは、ピート・ベストの代わりに、
ドラマーとしてビートルズに参加しました。

その後のことを考えれば、ピートはものすごく複雑な気持ちを抱き続けたことでしょう。




私が中学生でビートルズに出会ったとき、彼らはすでに解散していました。

リンゴはいつも後ろにいて、(ドラマーなのでしかたない)、
風貌も、コメディ担当みたいな感じに思えました。



可愛い!
リンゴ可愛い!
こっち向いて、キャ〜!

というような、熱狂的なファンが 昔はいたと聞き、
わかる気もしましたが、可愛いかな? ・・とも思っていました。


リンゴのドラムは、まさにビートルズをビートルズたらしめていたそうです。
ピート・ベストの何倍も上手だったそうですが、
私はそういうことは全くわからない子供でしたので、


(リンゴってなんか一人、奥の方で大人しくしている人だなぁ)

と思っていました。

ビートルズの映画「ヘルプ!4人はアイドル」では、
リンゴがはめている指輪を、悪者が取ろうとします。
リンゴは捕まりますが、指輪が抜けないため、
電気ビリビリ! となる機械にかけられます。
リンゴ、ビリビリビリ! とされますと、ズボンがストンと床に落ちて、
縦縞のブカブカのパンツ一丁になってしまいます。

ジョンが、ポールが、ジョージが、
縞パン一つになるでしょうか、いやいやなるまいて。

そういうところからも、

他の三人に比べて、差別されて可哀想だ、
本人のリンゴは、あれでよかったのだろうか

と、心配していました。
(余計なお世話)

また、ジョンもポールも、リンゴのために歌を書きましたが、
それはほとんど全て、歌詞もメロディーも、
童謡風だったり 、
(Yellow Submarine、Octopuse’s Garden etc.)
女子に軽んじられる可哀想な男子の歌
(Match Box, What goes on etc.)
だったりしました。

声も、全く悪くはありませんが、
部屋の灯り消してうっとり聴くタイプの声でもありません。

ジョンとポールがときどき、時間のあるときなどに、

「リンゴだって歌わせてあげなくては可哀想」

と思って、歌を書いたのかなと思っていました。

それならそれで、もっとこう、
コミカルとかではなくて、歴史に残るような歌を
書いてあげればいいのに、と思っていた人は他にいませんか?

独身時代のあるとき、S林堂のYさんという人が、

おたくさぁ、ビートルズ好きでしょう?
リンゴ・スターが来るんだけど 一緒にコンサート行かない?

と誘ってくれました。

で、行ってきました。

新宿の厚生年金会館ホールです。
もうありませんでしたっけ。

コンサートは微妙でした。

リンゴは、一人ではなく、たくさんのお友達と来ました。

コンサート名も、

「リンゴ・スターとヒズ・オールスター・バンド・コンサート」

でした。


席が遠かったこともあるのですが、
前半に、サマナ服みたいなのを来て出てきた人、
ドラム叩かずに、踊りながら歌っていましたが、

(歌う声も違うけど、・・・・リンゴ?)

と思いながら見ていました。

すると 後半ドラムセットが出てきて、
リンゴも気さくにお辞儀をしながら出てきて、
お馴染みの曲を数曲歌いました。


本当にごめんなのですが、

「・・・・リンゴだ・・・・」

ということで終わったコンサートだったと思います。

でも一応、あのリンゴ・スターと、
同じ会場の同じ空気を吸い、
同じ天井の下に座っていたので、
これは、「一次の隔たり」にしてもいいのかなと思ってきました。

ちなみにリンゴの演技力は定評があるそうで、
私も「盲目ガンマン」と「おかしなおかしな石器人」は見ました。

いずれもまた、

「・・・・リンゴだ・・・」

以外は、よく覚えていないのリンゴ、ごめん!

でもリンゴは、元ボンドガールのバーバラ・バックさんと、
「おかしなおかしな・・」で共演したのがきっかけで結婚、
今も仲良く一緒に暮らしているそうなので、
本当にそこは良かったと思っています。


次回、ポール行きます。


リンゴとオールスターバンドは、しばしば来日公演をしているそうです。
一番最近は2019年の4月ですとか。
写真を探してみて驚いたのですが、リンゴはVサインをするのがとても好きです。
してない写真を探す方が難しかったです。

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