見出し画像

発酵で遊ぼ! その11.バケツコンポストでゴミ戦線に変化の巻


大失敗を喫した残念な、生ゴミバケツコンポスト。

再開することにして、中身を出して洗うことにしました。

しかし、一冬中 失敗した生ゴミ由来のゴミが入っていましたので、少しぐらい水を張っていても、そんなもので臭いは消えませんでした。

腐敗臭は一般に酸っぱい感じの臭いで、同じ酸っぱいでも、
コンブチャ、糠漬けのような爽やかなものでは とてもありません。

発酵の専門家の先生が、インタビュアーに、

「腐敗と発酵の違いは何ですか?」

と問われ、

「詳しく言えばいろいろありますが、簡単に言えば、
食べられれば発酵、食べられなければ腐敗です」

と答えていらして、なるほど! と思ったことがあります。

コンポストバケツの中の環境も、ずっと「腐敗」系だったのでしょう。

ゴミが大好きというより、発酵が大好きな私、
満を持して再開したゴミバケツコンポストでは、
絶対失敗はできないと思いました。

さて、新しく始めた生ゴミコンポストですが、
バケツ内の腐敗系生ゴミを、まず捨てなければなりません。

少しずつ少しずつシャベルで雑草に入れ込み、
燃えるゴミの日に出すことに決めました。

さすがの私も、蓋を開ければのけぞるほどの臭気でしたので、
私の十倍嗅覚に優れた夫が死んでしまったら大変です。
そこで、肌寒いある朝、庭に出てその作業をしていました。

やっと終わって、私がバケツと一緒に居間に入ったとき、それまでソファにどっかと座って、ニュージーランドの母と一緒にオーディオブックを聴いていた夫が、がばっと立ち上がりました。

義母が何も知らずにあっち側で本を聴いていますので、
声は出せぬまま、すごい速さの抜き足差し足で 私が入ってきた庭への掃き出し口へ走ってきて、アルミサッシの引き戸ををそーっと全開にし、
私が入って行ってから夫のために閉めた台所への引き戸をそろそろと開け、
続いて居間から玄関へ行くのドアも開けました。
あまりの臭さに、できるだけ臭いの逃げ場を作ったのでしょう。

そして、私のところへ抜き足差し足で来て、
仁王のような表情で、口の形だけで、

コレハナニッ?!
クッサインデスケドッ?!

と言いながら、外人らしい大袈裟なジェスチャーで、

オーマイガー!!😩

をやりました。

どうも、私がバケツと共に通過しただけで、居間に臭気が充満して死にかけたようです。

彼が、庭への出入り口と玄関へのアクセスを開けたのは正解ですが、
私とバケツがいる台所への引き戸を開けたのは、大きな間違い。
閉めさせていただきました。
すると、大股の抜き足差し足でソファに戻った夫が、また必死の形相でやってきて、台所への引き戸を開けるではありませんか。

私はもちろん、また閉めます、だって台所の私とバケツが臭気のもとだから。
するとまた夫がやってきて開けます!

んんんんんもう〜、なにやってんのよ?!

と思いましたが、オーディオブッククラブが続いていて説明ができませんので、

(好きにしな!🔥)

と放っておいて、バケツを洗ったり、悪臭の源のビニール袋を洗っていました。

すると夫が母とのブッククラブを終えて通話を切り、今度は遠慮なく大股でどすどすっと台所にやってきました。

「tamadocaくん、君、くっさいんですけど、なんでドアを閉めるの?
ドア閉めたら空気の流れが阻害されて、臭いがこもるじゃないですか?」

とパニクっています。

だーかーら!
台所の中で臭いがすごいんだから、
貴君がこの引き戸を開けたら、その臭いが居間に入るでしょ?
だから閉めたのに、何回も何回も開けにきたのはあなたじゃないですか。

と言いましたら、笑い出して、

そうかそうか、ごめんごめん、アイムソーソーリー!

と。

簡単に謝るのがいいところですね。

夫は続けて言いました。

それにしてもtamadoくん、燃えるゴミなんか、
週に2回取りに来てくれるんだから、
別に君が臭い思いをしながら発酵させなくてもよくないですか?

と。


ええ〜?
いやいや、失敗したから臭いだけです。
ちゃんと成功できれば、臭くない、はずなんです。
全ての発酵と腐敗には意味があるのに、
臭いからってすぐに投げ出すなんて、私がするわけないではありませんか。

この瞬間私の中では、この春からは何度失敗してもやり直す決意ができました。

発酵促進剤の袋にある、

「お漬物の匂いがしてきたら成功です。
野菜くずの形が残っていても、発酵は進んでいます」

というステージまで、なんとしても辿り着きたい。

そして、すぐに何でも臭がる感覚過敏の夫に、目にもの見せてくれようと心に決めたのです。
まあ、見るというより、嗅ぐ、ってことですけど。


私が今回、ゴミの扱いにすごく気をつけたために、大きな変化が生じました。

・ゴミは野菜クズに限り、できるだけ細かく切る。
・調理中に出たゴミのうち、コンポストに投入できる分は、
別容器に溜めていき、入れるごとに、
100均で買った「ボウルにかぶせるシャワーキャップみたいなもの」(名前わからない)を被せてコバエの産卵を防ぐ。
(まだコバエ飛んでいませんけど)
・1日の終わりにそのゴミをコンポストバケツに入れ、
たっぷり発酵促進剤を振りかけ、棒でぐるぐるかき混ぜる。

それをやり始めることで、私の台所ゴミへの態度が変わりました。

まず、野菜の皮を剥く場合は、すごく薄く剥くようになりました。
そのために、今まで馬鹿にしていたピーラーを使うようになりました。

皮もすごく食べるようになりました。
大根の皮はきんぴらや、
なんちゃって切り干し大根に。
にんじんなんか、そもそも皮を剥きません。
これはさすがにコンポスト行き、と思っていても 刻んでいるうちにおいしそうに見えてきてしまうため、行けそうだったら、炒めたりスープに入れたりして、食べてしまう。

画像3



コロナ禍で買うことになったハンドブレンダーで粉砕とか、インスタントポットの圧力調理でポタージュにできるため、だいぶ皮食をするようになりました。
我が家は野菜はほとんど生協で買っていますので、いいかなと。

その結果 我が家のシンクに常駐のゴミ袋スタンドに入っていくゴミは、
・コーヒーと紅茶殻・お茶殻のみ
・玉ねぎの皮・ニンニクの皮・卵の殻・魚の骨・長ネギの外側の薄い皮
 鳥の骨・スペアリブの骨・ティッシュなどの、分解しないもの
だけとなり、それも極力濡らさないように気をつけていますので、
週に2回出す燃えるごみの中で、台所由来のゴミが激減しました。

生ゴミコンポストバケツに入っていくゴミも、皮をどんどん食べるようになったため、量がいきません。
料理はあまり出来合いのものは使わずにしているのですが、
一日の終わりに、このタッパに野菜クズがほとんど溜まらないのです。

画像1


熟練のコンポスターの皆様は、

発酵促進剤など使わない、庭の雑草や、ときどき糠、
廃油などを入れれば発酵する、

とおっしゃっていますが、私は失敗をする人間なので、やっぱり使っています。それも、以前のようにけちけちではなく、結構どっさり入れています。

そして1週間。
バケツの蓋を開けたら、ほんのりと酸味のある心地よい香りが立ち上りました。
野菜クズは、まだまだそのままです。

画像2


昨日、うっとりとその匂いを嗅ぎ、愛しむように優しく、少量のゴミをかき混ぜた後、ちゃんと蓋を密閉しませんでした。
今朝それに気づいて、嗅いでみたら ほのかにお漬物のような匂いがしていました。

これは、なかなかいい第一歩ではないでしょうか。

今回は野菜クズしか使わないため、塩害や過剰栄養の心配もなさそうなので、バケツがいっぱいになったら、たくさん持っている大きなプランターに入れて行って、熟させて、いずれ野菜作りに使うことを考えています。

コンポストがもっといい感じになったら、嗅覚過敏の彼を呼び寄せて、
思うさま嗅がせてあげたいと思っています。
夫よお楽しみに!

別に嬉しくないかな?


トップ写真に、ゴミの写真もあれなので、関係ないものを使ってしまいました。
アボカドの種は発芽しそうです。
二つともはっきりと割れ目ができ始めています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!

ガラパゴス諸島から来た日本語教師 tamadoca
サポートしていただけたら、踊りながら喜びます。どうぞよろしくお願いいたします。