日本語教師だよりその23. 基礎のできている子供生徒には(1)
教える相手により、アプローチや教材を自由に変えていけるのが、
プライベートレッスンの醍醐味です。
意外なようですが、初心者は「教えるのは簡単」というわけではなく、むしろ、教えることがたくさんあること、最初のうちは単調な繰り返しや、記憶していただかなくてはいけないことが多く、そこをいかに飽きさせずに進めていくか。
そこに面白みや、大変さもあります。
生徒が子供であり、親御さんとある程度日本語を話せてきているという場合は、他のどんなレッスンとも違います。
聞けば大体わかってしまうので、標準的な文法の導入や練習は通じません。
そして、日本語を耳にし、話すのは家庭内だけですので、
ある程度話せる故の難しさがあります。
カジュアル体から敬語への移行がなかなかできない。
(敬語で話さなければならない相手がいない)
話したいことがあっても、言葉が足りないため、
なんとなくチャンポンとなり、通じれば良いか〜、な日本語になりがちです。
また、限られた持ち駒だけで勝負するので言葉が増えません。
いろいろ発行されている、子供向けの教科書も、
イラストやクイズがあって楽しそうなのですが、本によって内容が異なります。
移民してきた子供たちと、日本に帰国して、この先も日本の学校で学んでいく子供たちとでは、おのずと方向性が違うからです。
私がここ数年教えている子供生徒たちには、
理科室・保健室・休み時間・実験・・各科目をなんと呼ぶか。
ということを教える教科書もあるのですが、この辺りは苦労して覚えてもらっても、使い道がないために、定着しないし、あまり意味がありません。
米国では小学生のときから、時間ごとに自分が教室を移動しますので、
日本の時間割とか、先生がやってくる、ということを、知らなくても必ずしも困らないのではないでしょうか。
なかなか使える教科書に出会えませんので、私は教材を自作することがほとんどですが、特に子供生徒にはいろんな方法を試みています。
GoogleSlides, Quizzes, Quizlet。
無料のアプリはいろいろありますが、コロナ時代が長引いている今、
日本語教師仲間に教えてもらいながら、少しず使えるようになってきました。
レッスンは大人と子供の会話でありますが、遠慮なくどんどん喋ってほしいものです。
また、聞いたことがほぼ全部わかっていても、内容が面白くなければ特に意見も出てこないのは当然で、はい・いいえ ばかりで話が広がらない懸念もあります。
(それでも、画面の向こうのおばさん先生に気を遣って、
我慢強く授業を受けてくれているのが泣ける!)
こちらとしては、なんとか日本語をたくさん話してほしいです。
そこで今使っているのが、ジャムボード (Jamboard)というものです。
画像も入れることができますし、いろいろな隠し技があります。
指でなぞる通りに赤で囲み、数秒後に消えていくポインターがあったり、
ざっと指で書くだけで、テキストや素敵なイラストにしてくれる機能もあります。
準備としては、レッスンで話したいことを「付箋」と言う形でボードに貼っておき、レッスンではまず言葉や表現を一緒にチェックします。
知らない言葉の付箋の色を変えるとか、付箋を並べ替えるなどは、生徒に頼むと嬉々としてやってくれます。そして早いです。
私が気づいていなかった機能も発見して教えてくれます。
その間の会話も、私の方はなるべく日本語でするようにしています。
このときは、生徒の言い間違いや、言葉を知らないことについては、いちいち止めて教えたり、指摘はしません。
話に出てくる順番に付箋を並べ、意味もわかったところで、私がまず話します。
そのあとで付箋を見ながら、生徒に語り直しをしてもらいます。
自由に話してもらうと、「その言い方がわからない」ものが見つかります。
それを次の教材に繰り返し提出して、じわじわと覚えていってもらおうというのがこちらの狙いです。
こんな感じです。
以前にこちらにも投稿した、ちょっと怖かった家の話をしました。
このときに、今まで見て怖かったホラーコミックやアニメの話がよく出ます。
そうそう、上にのせたジャムボードで話したのは、はこういうものです。
https://note.com/bigfish/n/nb51439e681d9
ちなみに、付箋を作成時の画面で、上手に文字の配分ができず、試行錯誤で句読点を入れたりしているのですが、次に開くと余計な「?」がいっぱい出てきて困っています。
これを子ども生徒に頼んで原因を究明、直してもらおうと思っているところです。
くだらないジョークを発表しあいました。
エスニックジョークです。今ではあまり口に出せませんね。
Q:電球を変えるのに、日本人が何人必要か.
A:100人。一人が電球を持ち、99人が家を持ち上げて回す。
Q:魔女がホテルにチェックインして、まず何を頼んだでしょうか。
A:Broom Service.
Broom=箒
先生、くだらない! と言われましたので、「これ、幼稚園児から教えてもらったジョークだから」とお答えしておきました。
食べ物の話は盛り上がりました。
知らない言葉がほとんどなかったのが驚きです。
お母さんがシェフなので当然か。
気持ち良い・悪いの意味の幅の広さがわかりました。
くやしい を 一言で言える英語がなさそうだということがわかり、状況ごとになんというか、決めてもらう練習をしました。
これは、いつかもご紹介した結構上出来なジョークです。
言う相手を間違えると大変ですね。
日本にもいろいろ増えていらっしゃいますから。
https://note.com/bigfish/n/n1696b0444f6c
明日やろうと思っているのはこれです。
↓ ↓ ↓
知っている言葉ばかり使っていてはお互いつまらないので、
この辺で大きく飛躍したいと思っています。
これを見ながら、体の各部分を使ってすることを選んでグループ分けし、
また、色分けもしてもらおうかと思っています。
今から楽しみです。
サポートしていただけたら、踊りながら喜びます。どうぞよろしくお願いいたします。