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エッセイその10.アメリカ大統領選候補者討論会を見なかった話


昨日、日本時間で言うと、2020年10月23日金曜日、朝の10時から、アメリカの大統領討論会がありました。
あ、これは間違いですね、こう書くと、2人の大統領が討論しているみたい。
大統領候補2人による、テレビ討論会でした、すみません。

アメリカでいうと前の晩、夜の9時からだったそうです。

ネットでなにか工夫すると、日本でもライブで見られたそうですが、
私はこの前の泥仕合を見てげんなりしてしまい、見たくありませんでした。
で、あとでどこかから見たのは夫だけで、私はその話を聞くだけでした。


この前のは、日本の新聞その他では、

「トランプ氏とバイデン氏が罵り合い」
「バイデン氏も汚い言葉を繰り出し・・」

などとありましたが、それは違うと思いました。
バイデン氏は、トランプ氏の挑発に、ずーっと我慢してたけど、
黙っていたら全くバイデン氏、喋れないし、
そのうち堪忍袋の緒が切れた、っていうふうに見えましたけれど。

アメリカに住む友人は、

「2回目はさ、相手の発言中に邪魔したら、足元の床が開いて階下に落ち、
そこから階段で駆け上がってこないといけない、というふうにしたらいいのではないかな?」

みたいなことを言っていました。

で、

「それは冗談だけど、1人が発言中は1人のマイクをミュートにする
とかしたらいいのじゃないかしら」

と言うのでしたが、実際3回目(2回目はなくなり)にして
最後の討論会は、そうなったそうですね。

そう決まったと聞いた夫や、この友人は、

「聴衆に聞こえなくても、トランプ氏がわーわー叫んで、
バイデン氏には聞こえて、気が散るのではないか」

と心配していました。

特にうちの旦那は、発言中に邪魔されると(私がするんですけど)
何言っていたかわからなくなるタチなので、バイデン氏も高齢のことであるし、

「そこらへん大丈夫かなぁ」

と、労わるように心配していました。

ところが、仕事を終えて、何かでこの番組を見た夫が驚いていました。

「いや〜、どうなることかと思っていたけれど、びっくりしたよ。
トランプ氏は、マイクが切られて、発言しても聞こえないとなったら、
ちゃんと黙っていたんだ。
情勢を見て、対応することもできる男だったんだ」

と言うのでした。


私は、

「いやいや、体力を消耗することは止められていたんじゃないの?」

と答えたのですが、実際どうだったんでしょうね。

テレビの画面では、ミュートされてるのに喋っていたら恥ずかしいでしょう。
音がないのに喚いていたら、そこを面白がって撮影されてしまうことを、
さすがのトランプ氏もわかって、しないことにしたのではないかしら。


このことから私のいつもの感想、

彼は大したパフォーマーで、支持者が喜ぶことなら何でもやる人なんだなぁ

がますます固まりました。


世の中がスマートになり、男尊女卑やセクハラやパワハラ、
ちょっと前なら堂々と男らしさの表象としてできていたことが、もはやできません。

やってもいいけど、やると顰蹙を買ってしまう。

で、俺たちは、表面だけでも引っ込めました。

んが、むしゃくしゃする!

それを、一国の、大国の、我らの大統領が、
遠慮なく毎日毎日、繰り出してくれるんです。

私がマッチョな国の男尊女卑の白人男性だったら、

ほら!
いいんじゃん!

って、思わず思ってしまうのは間違いない。

だから、わざわざ演技でやってるのではないのですか?
あの失礼な発言とか、黒を白と言いくるめて恥じない様子とかを。

このことはいつか、トランプ氏の夢枕に現れて、訊いてみたい!
引退したあとなら、答えてくれるかなぁ。


4年前の選挙のときも思っていましたが、本当に不思議なことばかり。

得票で負けていても、選挙人がいっぱい投票してくれたら選挙には勝つ。
あれは不思議でしたねぇ。
そうする必要があったとの説明もしてもらいましたが、もうやめてもいいのではないでしょうか。

以降も、トランプ氏のツイートは、短くても長くても、「言ってないのと同じ」ぐらい内容がないと思うんですけど、あれでいいんですかな、支持者の人は。

あと今回、大統領選挙に負けても、「いや、やめません、大統領やります」で、居座ってしまうことができてしまうんですって。法律とか憲法とか、ありますよね?  そんな無茶なこと、ありえるのでしょうか。

一生懸命、ちっちゃな脳を全開にしてニュースを読んでも、私、よくわかりません。


私の生徒さんたちで、アメリカに住んでいる方が3人いるのですが、
先週から今週にかけてのレッスンのときに

「どっちが当選しそうか、今もわからないですか?」

と訊いたら、全員頭を振って、

「本当にわからないです」

と言っていました。

前回は、「トランプ氏が大統領となった世界で結婚したくないから」と、
開票前に駆け込みで結婚した知り合いのアメリカ人カップルがいました。

実は今回は、なんと今日が出産予定日のシアトル在住の生徒がいます。
赤ちゃんの生年は、わかりやすく2020年だし、
コロナに席巻された年、トランプ氏とバイデン氏が闘った年。
ということで、この子の年齢は、いつまでたっても私、正確に言えると思っています。

まぁ、認知の障害が出る前までの話ですけど。


ところで、選挙結果は投票日の11月3日とか、翌日にはわからないんですってね。

11月3日が投票日でも、事前投票分の開票の仕方が、州によって違うため、
数日、下手したら数週間、結果がわからないということなのだそうです。

11月3日から数日は、即開票した票により、トランプ氏が絶対優勢、
そのあとじわじわとバイデン氏が優勢になってくるのでは、
という予想を聞きました。

アメリカの皆さんにも、気の揉める時間がだらだらと続き、お気の毒だと思いました。


アメリカで60年の伝統のあるこの「テレビ討論会」。
ちゃんと行われれば、両方の主張も知ることができます。
1回目のようなことが、この先はないといいですね。


おまけですが、ケネディ候補とニクソン候補のテレビ討論会はこちらです。



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