日本語教師日記170.君を連れて行きたい夏祭り
レッスンの始めに必ず、
「この1週間に何かありましたか?」
と聞くことにしています。
楽しかったこと、大変だったことは、初級者であっても、知る限りの言葉と習った文法を使って発語してほしいからです。
昨日、子供生徒の一人が、
「土曜日にダイソーに行きました。カルピコをたくさん買いました」
と言いました。嬉しそうです。
「よかったねぇ。
それとね、ての形を使うと、一つの文で言えるよね。はいどうぞ」
「あ、そうか。えー、・・・・🙄
土曜日にダイソーに行って、カルピコをたくさん買いました」
「はいよくできました」💮
「なんの味を買いましたか?」
「マンゴーとリッチとストロベリーです」
「リッチとは?」
「赤いフルーツで、中が白いです」
「あ、わかった、ライチね?」
「そう、リッチィ」
わかりにくかったです。
彼はもう、なぜアメリカでは「カルピス」ではなくて「カルピコ」になっているかは知っています。
あの有名な話、「カルピス」と言うと「カウ・ピス」、牛のお◯◯こと言っていると思われてしまうから・・という話をしてあるからです。
そういえば、ポカリスエットは、海外で販売するのなら、なんと呼ぶのでしょう。飲み物の名前に「スエット」、「汗」となると、ネイティブの人はぎょっとするというのも、昔から言われていることですね。私たちがもう、普通にポカリ、ポカリと言っているので、ポカリということでいいかもしれませんね。
あとで検索してみます。
飲み物の話が続きます。
「日本では牛乳は、三つの味と色がありました。
オレンジっぽいのと、茶色と白です。なんの味だと思いますか?」
「オレンジっぽいのは、オレンジの味ですか?」
「そう思いますよね。
まあ、ピンクっぽいのや、黄色っぽいのもあるんですよね。
それで、牛乳の中に、本当のフルーツが入っているそうです。
名前は一つで、『フルーツ牛乳』です」
「へぇ・・・飲みたいです」
「美味しいですよ。で、茶色は?」
「茶色い牛乳ですか? わかりません」
「降参ですか?」
「降参です」
「茶色い牛乳は、コーヒーのフレーバーです」
「え〜、本当ですか? 😳」
「あら、驚いている。だってまさに、カフェオレでしょ?」
「あっそうか」
彼は、学校から帰ってきて汗を拭き拭きレッスンに入ってくることが多いので、軽食やおやつは許可しています。
ときどき、変わったものを飲んでいます。
ウィンターメロンソーダを飲んでいると言いますので、「冬瓜?」と思ったら、ボトルを見せてもらったら、まさに冬瓜でした。どんな味なのでしょう。
ちなみに、私は他の国はよくわかりませんが、アメリカだと sodaというと、コーラからファンタから、とにかく清涼飲料水の総称はみなsoda. 見ていると、すごい量をしょっちゅう飲んでおられるようです。肥満が国民病だということで、学校からsodaの販売機を置くのを禁止した州もあって、数年前にニュースになっていました。
彼はダイソーも日本のレストランも大好きで、よくいろんなものを食べた報告をしてくれます。唐揚げラーメン、餃子、うどん、おにぎり(コンビニで売っているそうです)が大好きなのですって。
そんな彼の夢は、日本に来て長く暮らすこと。
「じゃあ、大学に入ったら長い休みは資金作りにせっせと働いてください。私が認知症になる前に来ると、いろいろ案内してあげるよ」
と、冗談のようで本気なことを私も言っています。
彼が来たら連れて行きたいのは、夏祭りですね。
彼の好きなラムネも、今はプラスチックのボトルで、トップを捻るとビー玉が取れてしまいますが、大きな氷の入った冷たい水槽から取り出して、飲んでもらいたいです。
ソースの味が好きなので、とんぺい焼きやお好み焼き、たこ焼きに焼きそばも、お腹を壊さない程度に食べてもらいたいですね。
日本に憧れる彼に、水の中を果てしなく流れていく大小様々、キラキラしたのも入っているスーパーボール釣りや、金魚釣り、ヨーヨーなんかも買ってあげたいです。
本当にこっちに来られる頃は、大人になってしまっていると思いますが、ぜひ夏祭りは経験してほしいなぁなんて、飲み物の話から夢想してしまいました。