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MISIA、JUJU、ゴルペラーズ、佐藤竹善 etc.人気のポップアーティストが今次々と取り組むビッグバンド作品の紹介。時代はビッグバンドなのか!?ライブ指向の時代とのマッチ!?色々紹介します。

はい、ビッグバンドファンです。今日は「時代はビッグバンド!!」と題して話をしていこうと思います。何を言ってるんだ!?と思われそうなのですが、ここ最近日本人アーティストがやたらとビッグバンドのアルバムを出すなと思い、調べてみたらホントにそうだったという話です。

MISIA「MISIA SOUL JAZZ BEST 2020」

最初に取り上げるのは、MISIAさんの「MISIA SOUL JAZZ BEST 2020」。以前よりジャズトランペッター黒田卓也氏とのタッグでSOUL JAZZという作品を発表してきていましたが、これを「ビッグバンドのライブをアリーナでやるのはどうだろう?」という話から始まったライブ、これをアルバムとしても発表したものだそうです。興味深いのが、MISIAさん自身は常に進取の精神で音楽に取り組んでいる、様々なアーティストとのコラボも積極的に行っていて、その一つがSOUL JAZZなわけですが、そのSOUL JAZZが向かった先にビッグバンドライブが来るというね、先端走った先にビッグバンドという。面白くないですか?古くて新しい、それがビッグバンドでありジャズという音楽なのかもしれない、そんなことを感じます。また、アルバムを発表する際に応じられた雑誌のインタビューの中でもこんなことを答えられてます「絶対的な答えを持っている人なんて、実はいないですからね。音楽って、最初から「これだ」と決めるのではなく、みんなで集まって「こうじゃない?」「ああじゃない?」と話して、共感しながら作っていくものだと思うんです。今回のレコーディング作業でも、そのことを何度も実感しました。アレンジは黒田くんですが、トランペット、トロンボーンなど、それぞれのセクションごとに「このパートはこういう演奏をしたほうがいい」とアイデアを出しながら進めているので。「Everything」「CASSA LATTE」はクリックを使ってないので、どうやれば全員のタイミングが合うかも話し合いました。制作の中で、「そうだ、あの曲の雰囲気でやってみよう」とか「〇年代の解釈でやってみたらどうだろう?」という話が出てくることもあって。」。実際聞くとMISIAさんの色は勿論前面に出てくるのですが、曲毎に色が変わる、バンドとの絡み方が変わる、そしてよく見ると「オルフェンズの涙」のベースがマーカス・ミラーだったりと随所にとんでもない大物も出てくる、と音楽的に味わい深い構成になっていて、それを話し合いながら詰めていったんだなと思うと面白いなと思いましたね。また同じインタビューの中でMISIAさんにとってこのSOUL JAZZというプロジェクトはどんな意味をもってますか?という質問にこんな風に答えられてます「生のバンドで「今の音」を追求できる場であり、自分とは違う土俵のミュージシャンとコラボレーションできる場であり、刺激をもらえる場であり、インスピレーションを与えてくれる場です」。これも先程いった古くて新しいに通じるのかな?この後にも紹介しますが、正直今は機器も発達して、曲を作ろうと思えば一人でバンドとの絡みも無しに、2~3日籠ってポチポチやれば出来てしまう。そういう時代にあって、生のバンドと絡む意味というか、この「生のバンドで「今の音」を追求できる場」という言葉、ただ古いでは意味がない、常に新しい音を求める中で、生のバンドが持つ「オーセンティック」な魅力、このオーセンティックって言葉も最近よく耳にしますが、本質的という意味になります、これが実は大切なのかなと。ビッグバンドが持つオーセンティックな魅力、是非聞いてもらいたいです。

Jazztronik「BB1」

まだまだあります。続いては野崎良太さんが率いるミュージックプロジェクト「Jazztronik」が2017年12月に「BB1」というアルバムを発表してます。「Jazztronik」の紹介をしますと「Jazztronik(ジャズトロニック)は、野崎良太が1998年から率いる特定のメンバーを持たない自由なミュージック・プロジェクト。これまでに数多くの作品をリリースし、国内のみならず、全世界でLive、DJ活動を行っている。作編曲家としても、クラシック、Jazz、クラブミュージックだけにはとどまらない独自の音楽性でアーティストプロデュース、映画、ドラマ、CM音楽制作を積極的に行い、多方面から評価されている。」ということで、そんなマルチな音楽性が魅力のJazztronikの初のビッグバンドアルバムが「BB1」となっていますが、実は2014年からライブは行われております。野崎さん自身じっくり温めてからリリースしたようで、リリース前の雑誌インタビューから少し抜粋しますとこんな感じです。「ビッグバンドは昔から好きなんですよ。エンターテインメント性もあるし、音楽的にも色々なチャレンジができるジャンルなので。作曲家/アレンジャーとしてはやりがいがあるんです。1日、2日で打ち込みを始めた人がダンスミュージックを作って、という感じとは全然違うじゃないですか。なので、このプロジェクトを始めて1年目でこれを出そうとは思ってもいませんでしたし、出せる様な物が仕上がらなかったんじゃないですかね。4年間もやっていると色々とわかってきました。例えば、チームのメンバーが替わっても同じサウンドだと思われがちなんですけど、管楽器ってそれぞれ大分個性が違うんですよ。今回の作品もちょっとメンバーを替えてしまうと、多分違う音になってしまう。そこが面白いんです。結局4年間、ほぼ同じ様なメンバーでやっていますし、そういったところも昨日今日始めたばかりでは出来なかったでしょうね。」このビッグバンドが音楽的にも色々なチャレンジが出来るというの、以前角松敏生さんも同じような話をしていた気がするのですが、そういうものなのかもしれません。同じ雑誌からの抜粋になりますが、こんなことも話されてます「あと、凄く乱暴な言い方をすると、今の時代、ダンスミュージックならドラッグ&ドロップで誰でも曲を作れるんですよ。そういうカルチャーも面白いと思うのですが、誰でも出来る事だったら、僕はやらなくていい。それなら、誰もできない事をやりたいなと思っています。時代に合っていなくても、自分が今やりたい事をやりたいと考えた時に、それが今年は人間的な物だったということですね。生演奏は、良い意味で妥協しなきゃいけない事も出てくるんです。どうやっても演奏できない、この音が出ないとか。そういうところで頭を使って、アレンジを仕上げるのが面白い。それに皆で演奏する時は、毎回違うものが出来上がったりしますし。単純に楽しいんですよね。それが1番。1人でコツコツ作る物とは種類が違うんです。譜面を書いて、それを演奏して貰った事のある人しかわからないかもしれませんが、それがある程度自分の思ったイメージ通りに完成した時、喜びは凄く大きいです。それを一度知るとやめられないですね。」オーセンティックな魅力、作編曲的に色々出来るという魅力、一度きりという魅力、人間的である魅力・・・なるほどと思ってしまいます。MISIAさんと同じくフロントランナーの方の言葉というのは言葉に芯があるのを感じますね。

佐藤竹善「Rockin' It Jazz Orchestra ~Live in Tokyo & Osaka~」

まだまだいます、続いては佐藤竹善さん。Sing Like Talkingのボーカリスト、作詞・作曲担当と言うとご存じの方も多いのではないでしょうか?この方もソロでかなり色々やってらっしゃる方ですが、カバー企画集「Cornerstones」の第7弾として2019年12月に「Rockin' It Jazz Orchestra」というビッグバンド編成でライブを行い、昨年2020年4月にそのライブの模様を収めたアルバムを発表しています。ライブ・アレンジはエリックミヤシロさんが担当されたということでビッグバンドの魅力がガッツリ収まっています。ライブのMCでも「ロックやポップスの、誰もが知っている、皆さんが良く知って親しんで、聴きやすいような曲をあえて選びました。そんな曲たちと、ジャズのビッグバンドのオーセンティックなスタイルとの架け橋のように表現したいと思っています。」と言っていたようで、その言葉の通り、1曲目にはビリージョエルの「Tell Her About It」をもってきた他、3曲目にはシカゴの「If You Leave Me Now」、更にゲスト:TOKUさんを交えて「It don’t mean a thing」という馴染みやすい選曲、そこにSing Like Talkingの人気曲「Together」や佐藤竹善ソロのオリジナル曲「Vision」を交えてくるという。更に面白いのが、ビッグバンドフィーチャリングのステージもあり、エリック氏のハイノートが炸裂するウェザーリポートの名曲「Birdland」も入ってます。これがね、佐藤竹善さんの同じアルバムに入っているわけですよ。ちなみに「Birdland」は佐藤さんのボーカル入らないですからね、ここだけ聞いたらビッグバンドのアルバムじゃん、っていう。アドリブソロもがっつり入るし、これ見に行った人、さぞ面食らっただろうなぁ。ただライブ盤なので曲終了後の会場の拍手なんかも入っており、エリック氏のエンディングトーンが決まると大盛り上がりというのはまぁビッグバンド云々関係なく盛り上がるものは盛り上がるんだというのを感じられます。更にそこから各セクションをフィーチャリングした曲も入り、It’s Only A Paper Moonとかね、もうかなりディープなビッグバンドステージです。そこから終盤はスティービーワンダーの「Do I Do」、更にクイーンの「Don’t Stop Me Now」と畳み込み、ラスト曲はピーボブライトソンの「Can You Stop The Rain」、アンコールにもう1発クイーン「Crazy Little Thing Called Love」の締めるという、圧巻の展開で終わります。このラスト4曲、ライブで聞いたら涙出てくるんじゃないかな?もうね、エリックさんのアレンジもかっこいいし、竹善さんのボーカルも熱を帯びてきて、更にアドリブソロもしっかりした尺入るし、勿論バッキングもいい感じに入る、これ完全にビッグバンドアルバムとして楽しめるものです。更にアンコールの際には「今回の東京と大阪のライブをやったことで、こういったビッグバンドの形の演奏をやりませんか?というお話が来ておりまして、来年も何かしらできるんじゃないかなと思っております」と言っていたそうで、昨年2020年も本当なら聞けたのかな?と思うのですが、残念ながらコロナということでね、早くライブで聞いてみたくなる、そんなアルバムです。

本当はまだまだいらっしゃるのですが、ちょっと今日はここまで。多分次の動画も続きで話すと思います。Apple Musicのリンクも貼っておきますので、聞いてみてください。以上、ビッグバンドファンでした。ばいばい~

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