大工の棟梁に教えてもらった事#29
皆様こんにちは天陽です。
今回は僕の元になっている教えをくれた方のお話しです。
僕は美容師もしていますが、当時は所得税引かれて手取り11万円という生活するにも困難な給料で働いていました。
なので、休みの日を使って大工のバイトをしていました。
その当時お世話になった棟梁が本当に色々教えてくれた素敵な方でした。
年も僕の7つ上で、凄い離れているわけでもないのに、肩維持張ってやってるお前は可愛がってやると言ってよく面倒を見てもらったものです。
最初に感動した事。
それは教え方が美容師よりも上手いと言うことです。
頭ごなしに『べらぼーめー!』って小突かれるイメージでしたがそんな事はなく、よく見かける一服休憩の時は実はミーティングみたいな事をしていて、その日の段取りをしっかりと伝えてくれます。
だんだん容量が良くなるとちょっと来いと呼ばれて、今からこのやり方見せてやるからと言って、一から教えてくれます。
それで、仕事の準備ができてなければ、何聞いていたんだと怒られ、技術ができなければ何見てたんだと怒られます。
物凄い理にかなっていて、ティーチングからのコーチングがしっかりしていました。
当時の美容室は何も教えてくれず(今も大差ありませんが)、営業中はずっと立たされて、急にこれやれと言われできないと怒られると言う非常に陰湿な環境でした。
なので、大工という経験は僕にとって今の美容人生の基盤になったともいえます。
1日の日当が5000円、安いと思うかもしれませんが当時は本当にありがたかったし、朝、昼、晩とご飯も用意してくれて、それ以外の日も遊びに連れて行ってくれたりなんだりでお金は一銭も出させてくれませんでした。
申し訳なさもあり、どうしても何か恩返しがしたいといつも言っていると、
『俺がやってやった事を、今度はお前が下の子たちにやってやれ』っと言われました。
『お前がそれをやって、いろんな奴に慕われてるのをみて俺は誇らしいと感じれるよ』っとその後言われました。
正直カッコ良すぎました。
他にも、若い頃は尖っていたので、指摘をされれば『でも、いや、そうじゃなくて』など話を突っぱねていた物です。
その時も棟梁は、
『十人十色って知ってるか?』
っと言ってきて、
『山を越える時、漢なら1番最後に動け。
みんながどう動いたら成功するのか、どうしたら失敗するのかしっかり見てから自分の判断で動ける奴になれ。』
僕はほほぅっと思いましたが、何故今その話なんだろうと不思議に思いました。
そしたら、
『漢はな、先ずは人の話を最後まで聞くもんだ。そうすれば相手もお前の話しを最後まで聞いてくれる。相手を受け入れてから自分がどう接するか考えろ。』
っと言われました。
素直に話を聞かなくてすんませんっと思ったのと、そういう大人になりたいとも思いました。
そこから僕も色々と変わる努力をし続けて今に至ります。
他にも色々本を読んだりしますが、ベースとなる教えをくれた人が大工の棟梁でした。
今では後輩に同じ事をしています。
自分にとって大きな出会いは本当に大切で、輝き続ける物です。