RHCPの「She's a Lover」を語るだけの記事
注釈:RHCP歴事態は深くなく、またかなりえり好みするタイプなので「○○聞いた?」と言われると黙るタイプですが、久々にリビドーに来る曲に出会ったので紹介する記事です。
あと下記URLリンクはRHCP公式YouTubeページのリンクです。
私がRHCPに求めてるもの
上記の注釈に既に記載したので、もう色々はっちゃけるがRHCPには安定して強いベースとギターと涼しく無理をせずメロディーラインの安定的な歌い方を意識しており、曲全体も叙述的なことが多い。そしてこれらが強すぎない主張である点が奇跡に等しい。これを数値化しろと言われると私の人生の大半を費やしてしまうので、そういうモンだと思って欲しい所で、結局は歌ってて最高に気持ちいい感じが好きなのだ。そして何より歌いたい気持ちだけが先行しすぎて疲れ果てないようにきちんとソロパートが用意されてるのも安心感を覚える。
また歌全体の雰囲気以外にも、歌詞が伝えようとする文化性にも着目してて私の視点だと「見知ってるようで新しい」アメリカンのようで最先端過ぎずカントリーのように限定的な田舎地方の表現にも属さない、あと彼ら自身が良く言ってるのであえて言うが「カリフォルニアン・西海岸風」の文化を大きく意識してる。なのでめっちゃ歌詞を意識してる。
一応順序だと「曲全体>歌詞」なのだが、絶妙な表現が多すぎるが故に、最後にどっちが寄り好きなのか分からなくはなる。
今までメインで聞いてきたRHCPの曲
頭に銃口を突き付けながらRHCPで一番好きな曲を選べと言われたら断然「Factory of Faith」になる。比喩表現として、今まで人生でブランコに乗り続けて自身を篩にかけようとしてたが突然の出会いで初めてその全エネルギーを委ねても良い先を見つけた青年、「Factory of Faith」つまり無尽蔵に信じられる先見つけた青年の全身全霊のラブソングのような内容で歌詞も大体そんな感じだったりする。この曲の「愛してる」という感情を全て吐き出してるわけではなく「俺なりに色々グルグルあったけど考え抜いた」感があるのが大変すばらしい。
ただ「Ethiopia」のような放浪息子を心配する父親のぶきっちょであれ荒んだ心境をあえて全力で口に出してる感じの曲も好きだし(その結果が全力で信じる以外できない点も)、何より「Tell my boy I love him so, Tell him so he knows」に当てはめたい友人が腐る程いる自分としてはとても他人事とは思えない曲もよく聞いてる。
自分以外にも全力で暴れて欲しい気持ちでいっぱいになった時は無償に「Can't stop」をアカペラなりに口ずさんだり、日本語だと「クソッタレ」だが英語だと最上位の悪い言葉の連鎖を叫びたい時に大変便利。あと一番わざとピッチを外して歌う曲でもある。
「Dark Necessities」は叙述的過ぎるイントロとアウトロのためカラオケでは歌えない曲筆頭だったりするが、素直になれない時や自分が無作為に人の不幸を呪ってしまう瞬間を吐き出す時とかに歌ってるし、あと全力で孤独と社会(人間関係)の摩擦を表してる曲でもあるので結構お世話になってる。
「She’s a Lover」について
上記の選曲とその理由から今回の「She's a Lover」が好きな理由は曲全体の雰囲気と歌詞の調和具合とRHCP流的に全力で「Love Me」と言える。これが1行にまとめたこの曲の良さ。なのでせっかくだから分解すると以下のようになる。
ずっしりとした重いイントロから風に揺らめく風見鶏のようなどっちつかずのAメロに見せかけて、好奇心と焦燥感が無い調子の良さのBメロに入る。そして諭すようで安寧と全身全霊の愛を示すサビに入る。マジで相手を全力で魅了しに行ってるような曲全体の抑揚を感じる。左記構成からCメロと間奏が入る部分もあるが、Cメロは確実に慕う感情が積みあがってるのを感じつつも、間奏がただただ自身の荒れ狂う獣を表現してて、最後の方はこの間奏と共に曲の終わりを迎える。ここでは上品に「終わりを迎える」なんてオブラートに書いては居るが初めて聞いた時に「あ、絶頂したな」と口ずさむ程確信できた。
この熱量の多さから「夏曲」の中でも熱帯夜を超えるどろっどろになる真夏の昼下がり、にさえも負けない情熱を語り掛けてる。よく「暑さに当てられる」という表現があるが、この曲は本当に愛の強さに当てられる。
そして歌詞についてだが、酷くRHCPらしさを保ってる。というのもヤッてるのか純粋にそんな気持ちを感じてるのかが判らない内容。当方は余り英語の文献や小説を漁らないので「Torrid」の意味を知らなかったが「熱烈な」や「炎熱に晒された」等の意味があり「I will be your torrid beast」は言葉だけ見るならただただエロティックな表現なのだが、この曲の雰囲気から察するに身体・精神・人生共に強く満たすつもりで言っているのが伺える。
特A級で歌詞の意味が分からないのが「You're Atlantis manta ray」でその直前はかなりセクシュアルに「I just wanna lick your face, Any other day and I would say」と言ってるのでセクシュアルの反対位置にある何かを表現するために「Atlantis manta ray」だそうです。んで筆者が調べた限りというより「Atlantis manta ray」で一発目に出てくるのが「アトランティス-バハマス水族館のホープと名付けられた(マンタ)レイ」という記事が出てくる。幼少期のマンタを捕まえて蓋開け海水環境(open-air marine habitat)で育って無事に育ち再度海に放たれたホープちゃんの動画が一時期SNSで流行ったそうなので、自由と尊厳と満ち足りてる証左としてRHCPが歌詞に取り込んだのか正直よーわからん。ちなYTコメント欄にもこちらに関して言及してる記載が特に無いので確証無し。
あとこの曲が大変エロティックなのは「Wake up and squeeze me(直訳:起こして搾って)」や「I will be your torrid beast」と連呼してるから想像に難くないが、それを踏まえた上で一番笑えたのが「She's so full of learning curve」のところ。直訳だと「彼女は学習曲線だらけ」になるわけだが、この学習曲線は難しい数理モデルや深層学習とかに使われまた一部のゲーマーが難しいゲームに対して使うこともある言葉だが、人間に直接当てはめる例はかなり少ない。理論上として、気難しい相手だが学べば学ぶ程良さが判るという日本語で俗に言う「するめ的な」に該当し得なくは無い。ただしカードの裏面と言わんばかりに、これをセクシュアルに捉えた場合には、相手の身体的な部分が作り出す物理的な曲線に対して言っている可能性もある。端的に言うと「スタイルが良い」ことを可能な限り捻って言っている。
最後に
こうしてこの曲も「ちょっと英語知ってる・英語の成績が良い」とかのレベルでは説明できない「高等過ぎて歌う場面と歌う相手が居ないけど、ンナこと気にしてられっか俺は歌うぞ!」曲リストに格納される曲で、是非これを機に「She's a Lover」を聞いて頂きたい。
最後まで読んで頂きありがとうございます。