はじめての小説。温かい目で見てほしいです。
今回、初めて小説を作ってみました。
文才がある訳では無いので、表現が汚いことや、誤字脱字があるかもしれませんが、温かい目で見守っていただけると嬉しいです。
今回、題材にしたのは『日向坂46とふしぎな図書室』というゲームアプリで、日向坂46のメンバーの皆さんが着用したある衣装から連想して作ったのですが、ゲームユーザーの皆さん、おひさまの皆さん、何の衣装なのか予想しながらご覧下さい。また、作品中に一部メンバーさんのお名前をお借りしていること、予めご了承くださいませ。
ひなたの最強ガンマン4人娘
〜 弾丸の四重奏 カルテット 〜
人物紹介
メイ
4姉妹の長女で、先頭に立ち妹たちを護っている要の存在。
4姉妹の中でも最強。
ユウカ
4姉妹の頭脳派で、戦術面で彼女たちを支えている。次女。
ヒナ
おっとりとした性格だが、決めるときはキメてくれる、たよりになる三女。
マリィー
4姉妹の中では末っ子だが、生まれながらの類まれな才能を持っており、姉たちからも一目置かれている。四女。
ミクニ
メイたち4姉妹とは、西部の町ひなたの隣りの街で出会う。
攫われた姉と亡くした家族のために日々さまよっている。
キラ
小さな幸運で妹のミクニと再会を果たした、3姉妹の長女。彼女にはある伝説の血が受け継がれていた。
あの男
金目のものよりも若い女にしか興味がわかない女
誑し。家族から若い女を攫っては、女たちに残酷なゲームをさせている。
1.賞金稼ぎとしての日々
ここは、西部の街、ひなた。今日も4姉妹のヒナ・マリィー・ユウカ・メイは、賞金稼ぎとして街の保安官たちにおたずねものを差し出し、得たお金で生活していた。
ヒナ「今日もまた、1人やっつけちゃいましたね。マリィー、スゴいじゃん!」
マリィー「初めてです。こうして自分の手で得たお金、感無量です!」
ユウカ「マリィー、はじめてのお手柄だ」
メイ「うんうんうん、メイ、マリィーの成長に感激したわぁー」
そんな他愛もない話をしていると、どこからか悲鳴の声が。
『きゃーー!たすけてーー!』
それを聴いた彼女たちが向かった先には、バーの中から出てきたお客たちの姿が。
聞くところによれば、中には暴れ回っている悪党が4人いるとのこと。
すると、
『よぉ、ねぇちゃんたち。貴様らも痛い目に遭いたいのか?あぁ?』
彼らが中から出てくる。
ユウカ「みんなに迷惑をかけないでください!」
『はぁ?女のくせにナメたこというんじゃねぇ!』
『こうなったら早撃ちで決着をつけてやろうじゃねぇか!ちょうどいい。4対4だからそれぞれ1対1でやろう。だが、ちとこのままだと味気ねぇから貴様らにハンデをやる。貴様たちが俺たちの中の誰と殺りあうか選ぶがよい。誰が来ようと全力で相手してやる』
マリィー「はぁ、また面倒臭いことに巻き込まれちゃいましたね」
ヒナ「正直、ヤだけど戦るしかないもんね。逃げられるわけじゃないし」
メイ「ま、ウチら誰と戦っても負ける気せぇへんけど。」
ユウカ「とりあえず、ケンカふっかけたヤツはメイにまかせて、あとは右からマリィー・ヒナ・私の並びで戦ろっか。とりあえず油断はせずに全力で戦ろう!」
4人「おーー!」
『貴様ら、決まったか?』
4人はユウカの指示どおりの並びでそれぞれの相手の前に立った。
メイ「あんたは、私が相手したる。覚悟しぃや」
『ほぉ、俺様にはこのねぇちゃんか。正直負ける気がしないな。ガッハッハ。
悪く思うなよ嬢ちゃん。女だからって手ぇ抜かねえからな』
4人と悪党たちは睨み合い、銃に手をかける。
マリィー「あなたは私が相手します。覚悟してください!」
ヒナ「あなたの相手は私ですね。ここは私が勝つしかねぇので」
ユウカ「私が相手になったからには、あなたの心臓を頂戴させていただきます」
『いざ、勝負だ!』
この合図で8人は一斉にホルスターから銃を抜いた。
銃声が4発鳴った。「バキューン、バキューン、バキューン、バキューン」
しばらくして、まわりで戦いを見守っていた客たちが現在の状況を確認する。
『おい、あの姉ちゃんたちスゴいぞ!全員勝ったぞ!やった!』
4発とも彼女たちの銃から発砲され、悪党たちの体を撃ち抜いた。
一方で悪党たちはトリガーに指をかけることを許されなかった。
それほど彼女たちの銃撃が早かったのだろう。
銃を持てなくなった悪党たちは地面に倒れ込む。
『くっっ、おのれ!貴様らの方が早かったとはな。貴様らいったい何者なんだ?こんな腕のいいヤツ初めてみるぜ』
ユウカが代表して答える。
ユウカ「負けたあなたたちには名乗るほどではありません。だけど1つあなたたちには訊きたいことがあって…」
そういうと彼女たちは服の中から1枚の写真を取り出す。
その写真にはある1人の男の顔が写っていた。
メイ「この人知らへんか?」
マリィー「この方知りませんですか?」
ヒナ「この人知ってます?」
ユウカ「この方はご存じないですか?」
『知らねぇな』
すると、地面に落ちた悪党たちの銃を奪い彼女たちが何かを話しはじめる。
ヒナ「この人たちどうします?このまま放っててもロクなことにならなそう」
マリィー「お姉さん方に任せます」
ユウカ「じゃ、もういいか」
メイ「そうだな」
ユウカ「ということで、いつもなら生け捕りで完全に殺めるのは容赦してたけど、今回ばかりは…サヨナラ」
そういって彼女たちは悪党の銃で虫の息ひとつ無くなるまで、悪党たちを撃ち殺した。
『あの姉ちゃんたちを怒らせたらコワい』
彼女たちの冷酷な一面が垣間見えた。
2.本当の素性と思わぬ出会い
そもそも、あの写真に写っていた男とはいったい誰なのか?
話はすこし前にさかのぼる。
写真に写っていた男は強盗団のトップで、家族連れを襲い、若い女だけを攫い、残りは1人残らず殺害した。男は金目の物は全く興味のない極度の女ったらしだった。
結局21人の若い女を攫った男たちは、女同士で殺し合いをさせた。それにより何人もの子たちが死んでいったのだが、残り4人になったところで男が
『運のいい嬢ちゃん達だ。ここでお前らを解放してやる。良かったな』
そういって、馬車で遠いところに連れて行き、残った彼女たちを解放した。
そう、解放された4人こそ、あの冷酷な一面を持っている彼女たちだった。
マリィー「運良く私たち生き延びましたね」
メイ「せやな。アイツらに感謝しなきゃな。あ、もう殺らないでな?」
ヒナ「もちろんですって。もう敵対心なんてねぇので」
ユウカ「それはそうと、私たちをひどい目に遭わせたヤツらに復讐しません?」
『うん!』 全員、即答。
マリィー「あと、あの人たちのせいで私たち、関係のない子たちを殺してしまったんですよ」
ヒナ「そうだったね。自分が生き残るのに必死だったから気がつかなかったわ」
メイ「せやったな。忘れてたわ」
ユウカ「私たちのせいで命を落とした子たちとその家族の分もまとめて復讐しないとね」
こうして、殺害された自分たちの家族、逆に殺してしまった子たちとその家族のために生き延びた4人は協力し復讐の計画を始めたのであった。
時を戻そう。
彼女たちが今持ち歩いてる銃などの装備はすべてあの男たちから殺し合うために受け取ったもので、身に纏っている黒いドレスもそうだ。
そして、あの男の手がかりを掴むために賞金稼ぎとなり、男の行方を捜していたのだ。
だが、有力な手がかりが一切出てこない、そんな日々を過ごしていた。
マリィー「今日もあの男の情報を引き出せませんでしたね…」
メイ「もうそろそろ、ひとつぐらい出てきそうなのになぁ〜」
ヒナ「疲れた」
ユウカ「明日は、街の人たちに訊いてみましょう。しばらくは稼ぐ必要ないから安心して過ごせるね」
連日、死と隣り合わせになりながらも多くのならず者を倒してきた彼女たち。なかでも、先ほどの4人組はかなりの高額だったようでしばらくは安心して過ごせるほどだった。ようやく彼女たちにも、死と隣り合わせにならない平穏な日が訪れるようになった。
あの人が現れるまでは………。
翌日、この街の住民たちに男のことについて聞き込みしていた。
すると、
4人「え⁉︎本当ですか?」
なんと、偶然にも隣りの街でこの男のことを捜している女性がいるのを目撃したという情報が。
4人はすぐに隣りの街に直行した。
街に着くやいなや、息を切らしながらもこちらにやってくる女性がひとり。
女性「すみません。この男について何か知りませんですか?」
女性が1枚の写真を見せる。写っていたのはまさに捜しているあの男の写真だった。
4人「あぁーー!」
マリィー「本当に捜している人いましたね」
ヒナ「本当だ。いたね」
ユウカ「実は、あなたの噂を聞きつけてこの街にやってきたんです」
メイ「せっかくやから話聞かせてもらってもいい?」
女性「はい、わかりました」
そういって彼女たちは人目のつかない場所へとやってきた。
ユウカ「あなたはなぜ、この男のことを捜しているのか教えてください」
女性「私はある日、1人で市場へ買い物に行ってました。ですが、帰りの道中で私の姉が攫われ、残りの家族が殺害される瞬間を目撃してしまったのです。わたし、ほんとにあの男のことが許せなくって。それでいろんな人に訊いてまわっていたのです」
マリィー「そうだったんですね…」
ヒナ「どうします?私たちのことちゃんと伝えます?」
メイ「伝えた方が安心しそうやから、伝えよっか」
ユウカ「すみませんお姉さん。実は私たち、あなたのご家族やお姉さんと同じように攫われて、家族を殺されてしまったのです」
女性「え?じゃあ、あなたたちはどうやって逃げてきたのですか?」
メイ「いや、逃げたんじゃなくてあの男が解放してくれた」
女性「じゃ、私の姉は今どこに?」
マリィー「それが…残念ながら死んでしまったと思われます」
女性「何で私の姉が死んだの!私の姉が死ななきゃいけない理由って何なのよ!まさか、あなたたちが死なせたんじゃないでしょうね?」
女性は彼女たちに銃を向けた。
ヒナ「ま、待ってください!これには深いワケがありまして…」
女性「どういうワケなのよ!」
ユウカ「あの男の命令で私たちが殺り合わなければいけなくって。その最中であなたのお姉さんはおそらく誰かに撃たれてしまったんだと思われます。私たちも相手の名前は知らなかったですし、生き延びるために仕方なくなんです!」
その話を聴いた女性は涙ぐみながらゆっくりと銃を下ろす。
女性「そうだったんですね。内容を聞くまでに感情的になってしまって。あなた方に銃を向けてしまってごめんなさい」
すると、
メイ「そうだ、ねぇ、彼女も私たちと一緒にあの男に復讐しに行かない?ね、みんなもいいよね?」
3人「うん!」
女性を復讐の計画に誘う。
女性「じゃ、私でよければ…」
4人「じゃ、決まりだね!」
こうして、隣りの街で出会った女性とともに、5人で行くことになった。
それから、これまで4人が活動の拠点にしていた場所へ、一緒に行くことになった女性を迎え入れた。
4人「私たちの拠点へようこそ!」
メイ「そういえば、あんたの名前聞いてなかったな。名前は?」
女性「ミクニです。よろしくお願いします」
3人「よろしくね」
ユウカ「では、ミクニ、今までに手に入れた情報教えてよ」
ミクニ「わたしもまだ、そんな有力な情報は手に入っては無いのですが、人里離れた場所にあるということしか…」
ヒナ「どっちの方角なの?」
ミクニ「それは、まだ…」
メイ「なら、もう少し聞き込む必要がありそうだな。あとミクニがどんだけ銃を扱えるのかも知りたい」
ミクニ「実は、持ったことはさっきあなたたちに向けた時がはじめてで、撃ったことは1度もないです」
ヒナ「じゃあ、ミクニの練習の機会を設けないとね」
ユウカ「では、メイとヒナがミクニの教育を、私とマリィーで街の人たちに訊きましょう」
こうして、二手に分かれてそれぞれの作業が始まった。
まずは、メイとヒナによるミクニの銃のスキルの習得から。
まずはじめに、撃ってみることからはじまった。
まだ一度も撃ったことのないミクニは構え方もぎこちなかった。
メイ「もっとまっすぐ持って!腰もまっすぐ!」
『バキューン』
はじめての一発を撃ったミクニは、撃った反動で後ろに倒れ込む。
ミクニ「いてててて。こんなに反動大きいものなんですか!?」
ヒナ「誰でも最初はあぁなるよ。何発も撃ったらそのうち慣れてくるから。今は反動に慣れるしかねぇので」
しかし、十発くらい撃ったところでミクニは反動に慣れて安定してきた。
メイ「その調子で次のステップいくで〜」
こんどは木の丸太を用意し的を描き、中心に当てる練習をさせた。
メイ「よぉーく狙いやぁ〜」
『バキューン』
最初は丸太に当たらなかった。
ヒナ「落ち着いて、深呼吸して〜はい!」
『バキューン』 『ビシッ』
的の外ギリギリだが、撃った弾が丸太に命中した。
ミクニ「ヒナさんのアドバイスのおかげで当たりました!」
ヒナ「いいじゃん、いいじゃん!今度は中心に近づけれるようにしよう!」
ミクニ「はい!」
しだいに中心に近づいていきついに…
『バキューン』 『ビシッ!』
先ほどとは明らかに違う音。
メイ「すごいじゃん!ど真ん中命中してる…」
ミクニ「やりました!」
どうやらミクニは飲み込みが早くここまでまだ三十分しか経ってない。
メイ「もしかして、ミクニはポテンシャルが高いから、貴重な戦力になれるんちゃう!?」
そんな期待を胸に最後のステップへ。
ヒナ「最後はファストドロウっていって、ホルスターから銃を早く抜いて撃つことなんだけど、ミクニちゃん出来そう?」
ミクニ「やってみます!」
だが、ここからが長かった…
何十発撃ってもなかなか当たらなかった。
ミクニ「どうしましょう。なかなか当たりませんね…」
たしかに早く抜いて撃つことは重要なのだが、そのことに夢中になりすぎてなかなか的に当たらなかった。
なので、
メイ「一回私たちがお手本を見せるから見ててな」
そういってメイは的にめがけ、その場で一発素早く撃った。
『バキューン』 『ビシッ!』
ミクニ「すごいです!真ん中当たってます…」
ホルスターから銃を抜いて撃つまでわすが0.3秒、目にも止まらぬ早撃ちだった。
メイ「ここまできたらもう慣れやねん」
ミクニ「よければヒナさんのも見たいです…」
ヒナ「えー… わかった」
『バキューン』 『ビシッ!』
これも真ん中に命中。こちらも0.3秒。
ヒナ「やっぱり慣れなんだよねぇ〜 これも慣れるしかねぇので」
メイ「一回撃つ前に集中してみたら?あの男のことを的だと思って撃ってみぃ」
ミクニ「わかりました!やってみます…」
そうして、メイのアドバイスを元に的に集中したミクニは銃を抜いた。
そしてついに…
『バキューン』 『ビシッ!』
メイとヒナが当てた時と同じ音が響く…
ミクニ「わたし、ついにやりました!」
2人「すごーい!ミクニちゃんおめでとう!」
2人よりは遅いながらも、的の中心を撃ち抜くことに成功した。
そして…
2人「ただいま〜」
ユウカとマリィーが聞き込みから戻ってきた。
ユウカ「ミクニちゃん、どうだった?」
ミクニ「ユウカさん、わたし出来るようになりました!見ててください!」
そう言いながら、2人の目の前で的にめがけ撃ってみせた。
『バキューン』 『ビシッ!』
ユウカ「マリィー、ミクニちゃんスゴいね…」
マリィー「そうですね…今日初めて撃った人とは思えないです」
2人はミクニの成長した姿に感動していた。
メイ「せやねん、せやからミクニちゃんのポテンシャルが高いから貴重な戦力になるんちゃうかってヒナと話しててん。もう全部出来ちゃった」
ヒナ「そうですね。飲み込みが早かったです…」
メイ「せや、聞き込みはどうなったん?」
マリィー「それが…きいてください!」
ユウカ「ついに、場所が分かっちゃいました!」
3人「えぇー!?ホントですか?」
だが、
メイ「ユウカ、2人の後ろにいる人は誰?」
たしかに、ユウカとマリィーの後ろには面識のない人がひとり。
ユウカ「いや、この方は…」
話はミクニがファストドロウに苦戦していた頃に戻る。
聞き込み担当として街へ行っていたユウカとマリィーはあらゆる人に訊いていた。
ユウカ「すみません、こちらの方はご存じないでしょうか?」
マリィー「この方、知りませんですか?」
出会った人に片っ端から訊いていくが、知っている人に誰も出会わなかった。
ユウカ「今日も収穫なしか…」
マリィー「それは困りましたね…」
誰もが諦めかけていたその時…
?「すみませ〜ん!」
2人「ん?」
2人の元へ先ほどの人が…
?「その写真の男、見かけました!」
ユウカ「え!?それって何処でですか?」
?「馬に乗って北の方へ走り去っていくのを見ました!」
マリィー「本当ですか!ありがとうございます!」
ユウカ「お名前を訊いても…?」
?「あ、キラと言います」
ユウカ「キラさん、ありがとうございます」
2人がその場から立ち去ろうとしたその時
キラ「待ってください!」
キラが2人に話しかける。
すると…
キラ「……………」
マリィー「それは、どういうことですか?」
ユウカ「いや、それは…ですね」
キラ「はい!」
ユウカ「いや、ちょっとこれは信じ難いな」
マリィー「これは、1回戻って本人に確かめた方がいい気がします」
ユウカ「すいませんがキラさん、わたしたちに付いてきてください。確かめたいことがあるので」
キラ「はい」
時は戻る。
キラがメイたちの前に現れ、挨拶をした。すると…
キラ「キラです。よろしくお願いします」
?「キラ、なぜここへ!?」
2人「え?どういうこと…?」
キラ「あなたこそ、なんでここにいるの!?」
ユウカ「実は…」
マリィー「ミクニちゃんのお姉さんなんです!」
2人「えぇーーーーー!」
キラ「あんたのこと、ずーっと探してたんだよ?」
ミクニ「キラねぇちゃん…(泣)」
その場に倒れ、泣きまくるミクニ。
メイ「ミクニちゃんは、あなたはもう死んでいると思ってたんだよ」
ヒナ「そのせいでわたしたち、ミクニちゃんに殺されそうになったけどね」
ミクニ「でも、なんで!?あの男に攫われたんじゃなかったの!?どうして生きてるの!?理由をきかせて!」
すごい剣幕で問いただすミクニ。
キラ「たしかに、あの男に連れ去られはした。だけど、
『この女は違う。どこかに捨てろ。そいつに用はない』
って言われ、途中で降ろされた。そして北の方へと消えていった」
不幸中の幸いなのか、キラは4人が生き延びたあの殺し合いに参加せず、生き延びていたのだった。
思わぬ本当の姉妹の再会。
それを見て泣きそうになるメイたち。
マリィー「奇跡って起きるものなんですね…」
3人「そうだね…」
キラ「お母さんたちは?」
ミクニ「あの男たちに殺された…」
キラ「そうかあの時やっぱり…」
キラは、今になって初めて家族が殺されたことに気付いたのだった。
キラ「ミクニ、この方たちは?」
ミクニ「お姉ちゃんを連れ去ったあの男に復讐をしに行く人達だよ。あと、彼女たちもお姉ちゃんと同じように連れ去られたけど、生き延びた人達でもあるよ。私は、お姉ちゃんを攫ったヤツを捜している時に出会って、協力しているんだ」
キラはここで、あの男に捨てられなかった場合死んでいたかもしれなかったことを知る。
キラ「あの男、そういうことしてたんですね…怖い」
ユウカ「そうですね。ミクニちゃんからこの話を聞いたとき、わたしたちの誰かがキラさんのことを撃ってしまっていたかもしれないと尾を引いてたんですが、ミクニちゃんのお姉さんだとお聞きした時は凄く安心しました!ね、マリィー?」
マリィー「そうですね」
ミクニ「ねぇ、お姉ちゃんも一緒に行かない?」
キラ「え?いいんですか?」
メイ「たしかに、お姉ちゃんと一緒だとミクニちゃんにとって心強いもんな」
ヒナ「そんな気もします」
マリィー「どうか、一緒に行ってあげてください。私たちからもお願いします!」
ユウカ「でも、最終的にミクニちゃんと一緒に行くかどうかはキラさんの判断を尊重します」
キラ「では、心もとない私ですがそれでよければ…」
ミクニ「ありがとう!お姉ちゃん!」
最終的には思わぬ再会を果たしたミクニの姉、キラもともに6人で計画が実行されることとなった。
3.突然の裏切り…もそれは計算済み!?
ミクニが姉のキラと再会を果たしてから数日、着々と計画を実行するために準備を続けていた。
メイ「あれからミクニちゃん、すごく元気だね」
ユウカ「そらそうでしょ、ミクニちゃんはキラさんはもう死んでいる思ってて落ち込んでたからね」
ヒナ「死んだと思っていた姉に会った時はびっくりするよねぇ〜」
マリィー「そうですね」
キラ「私がミクニに会うまでの数日、ミクニの世話をされたそうで… ありがとうございます」
ユウカ「こちらこそ。キラさんもよくご無事で」
キラ「いえいえ」
ミクニ「キラお姉ちゃん、撃つ練習しようよ!」
キラ「いいよ!」
メイたちはキラの銃さばきを見た。
すると…
メイ「え…」
ヒナ「マジか…」
マリィー「これは…」
ユウカ「もしかしたら、あの場にキラさんいたら私たちは殺られていたかもしれませんね」
それは、4人を遥かに凌ぐ早撃ちのスピードで的の中心を撃ち抜くキラの姿だった。
もちろん4人もそれなりに早いのだが、それをも凌駕するスピードに圧巻された。
ミクニ「お姉ちゃん、なんでそんなに早いの!?」
キラ「実は、あの伝説の『ダーティー・ハリー』の一番弟子なんだよねぇ〜」
5人「マジか!?」
メイ「伝説の…」
ユウカ「ガンマンの…」
ヒナ「『ダーティー・ハリー』の…」
マリィー「一番弟子が…」
ミクニ「私のお姉ちゃん!?」
5人「えぇーー!?」
ユウカ「噂には聞いていたのですが…まさか、キラさんのことだなんて…」
5人は最強の切り札が既に手に入っていたことに驚いた。
ミクニ「まさか、仕事があるって言って出かけてたのは…」
キラ「そう。『ダーティー・ハリー』さんに教わっていたんだよ!」
メイ「どうも、撃ち方がスムーズでムダな動きが一切ないと思ったんだよな」
ヒナ「でも、どうして『ダーティー・ハリー』さんの下へ?」
キラ「それは…いつかは自分の身は自分で守らなければいけない時が来る。時には家族のことも守らなければいけない時もある。そういう時に自分が何も出来ない時が一番恥ずかしくて…だからそうならないように教えて貰っていたんだ。ミクニ、若いころに街で出会った優しいお兄ちゃんかいたろ?」
ミクニ「あのお兄ちゃん!?」
キラ「そう!あのお兄ちゃんが『ダーティー・ハリー』なんだ!だからミクニは、もう彼に会っているんだよ」
ミクニ「じゃあ、今あのお兄ちゃんに会えるの!?」
キラ「それが…もう会えない。なぜなら…」
5人「『ダーティー・ハリー』が殺された!?」
キラ「そう…名前も知らない男に殺されてしまって…その男は私が始末したんだけど、胸を撃たれて…懸命の処置をしたけど…救えなかった。
もしかしたら、今あなた達が追っているあの男に何か関係があったりして…だから私はあなたたちと一緒に行くことをきめたんだ」
ユウカ「そうだったんですね…」
キラ「だからミクニ!お願いだから私が死ぬ前に『ダーティー・ハリー』が私に遺した伝説の血をあんたが受け継いでくれ!もう、同じ光景を二度と目にしたくないから!頼む!」
キラのミクニへの切実なお願いに4人は口を挟むことが出来るわけがなかった。
ミクニ「わかった!キラ姉ちゃんがそこまで言うのなら…伝説の血、私が受け継がせて!」
キラ「承知した。だが、伝説の血はそう簡単に受け継げるものでは無い!それは分かってるな!?」
ミクニ「もちろん!」
キラ「よし、いい度胸だ。では、ミクニの世話をされたお礼です。あなた達にも伝説の血を分けてあげましょう。伝説の血を存分に吸収しなさい!」
4人「ありがとうございます!」
キラ「では、これより始める。相当厳しい道のりだが、付いてくるが良い。ここしてかかれ!」
5人「はい!」
こうして亡き師匠の血を後世に遺すべく、キラの厳しい特訓が始まったのであった。
それから月日は流れ、5人は以前よりも銃さばきが早くなっていった。
そして…
キラ「あなた達にもう教えることはありません。これであなた達は伝説を再現することが出来ます!」
みごと、5人は厳しい特訓を乗り越えて伝説の血を吸収し終えることが出来た。
メイ「私たち、まだムダな動きがあったんだって教えて貰えて、ホントキラさんに感謝」
ユウカ「私も以前より早くなりました。教えていただいてありがとうございます!」
ヒナ「キラさんに感謝しかねぇので!」
マリィー「ありがとうございます」
キラ「いえいえ、こちらこそ。基礎があっただけあって、スムーズに教えることができましたね」
ユウカ「みんな、嬉しさに浸っているところ悪いけどそろそろ実行しようか。まず、ミクニちゃんとキラさんはあの男の居場所を突き止めて貰います。突き止めることが出来たら夜中に奇襲をしかけてあの男たちを1人残らず全員撃ち殺す。でももしかしたら、また私たちと同じように攫われて連れてこられた子たちもいるかもしれないから、その子たちは助けてあげましょう。では、ミクニちゃんとキラさんお願いします」
2人「わかりました!」
こうして、ミクニとキラは男たちの居場所を突き止めるべく、北の方へ走った。
ユウカ「この作戦、上手くいくといいなぁ」
メイ「ユウカの作戦、すっごくいいな」
ヒナ「でもこれ…私たちも大事ですけど…」
マリィー「一番大事なのはあの2人ですね…」
ユウカ「そうだね。あの2人がダメなら完全に失敗…どうか上手く行きますように…」
果たして、ミクニとキラが鍵を握るユウカの作戦とはいったい…?
だが、事態は風雲急を告げることとなる。
男たちの居場所を捜すべく向かったミクニとキラはもうすぐ日が暮れるというのに、まだ戻ってこない。
メイ「あの2人まだ戻ってこないな」
ユウカ「ほんとだ、変ですね」
ヒナ「もしかして、道中で何か巻き込まれたりしてるかなぁ?」
マリィー「心配ですね。私たちも行きましょうよ」
ユウカ「ダメ。私たちも行って何か巻き込まれたりしたら…」
メイ「だから、今は2人の帰りを待とう…ね?」
ヒナ「2人を信じましょう」
マリィー「そうですね」
その頃、2人は…
キラ「着いた」
ミクニ「あれがあの男のアジト…」
キラ「…だから。いい?上手くやるんだよ」
ミクニ「わかった、お姉ちゃん」
キラ「じゃ、行こう」
そういって行こうとしたその時。
『おい、お嬢ちゃんたち。そこで何をしてるんだい?』
2人「しまった!見つかってしまった!」
『おい、コイツらも連れてけ!』
なんと、偶然通りかかったあの男に見つかってしまい2人は捕まってしまった。
そして、連れてこられた場所は2人が見つけたアジトの中。どうやらこの場所であっていたようだ。
2人と他の子たちに例の装備が渡される。
『さぁお嬢ちゃんたち。お前たちで残り2人になるまで存分に殺し合うがよい。さぁ、殺れ!』
キラ「本当は助けてあげたかったけど…みんな、ごめん」
ミクニ「仕方ないですね…」
『バキューン、バキューン、バキューン』
あの男に復讐を果たすために仕方なく、伝説の血を引いている2人は瞬く間に他の子たちを撃って死なせた。
そして…
『ほぉー。残った2人がお前らか…見てる限り只者ではなさそうだな。いつもなら、ここで解放してやるが解放するには惜しすぎるな…よし、お前ら俺の仲間になれ。さもないとここで殺す』
あの男の目も何か見張るようなものがあったのか、2人をスカウトした。
キラ「(これって…)」
ミクニ「(まさか…)」
ここで自分たちが死んでしまったら…なくなるので、
2人「ありがたくならせて頂きます!」
『よぉーし、そうこなくっちゃ。おしお前ら宴だ!宴!』
男は2人に食事をもってきて、手厚く歓迎した。
キラ「(みなさん、本当にごめんなさい…)」
ミクニ「(お姉さんたち、許してください…)」
2人は完全に男たちの味方になってしまった。
『お前ら、他にかわいいお嬢ちゃんたち知らねぇか?』
キラ「私、知ってますよ!」
『おー。いいじゃねぇか!場所はどこだ』
キラ「場所は…ですね」
『分かった。おい、お前ら食事した後、攫いに行くぞ!分かったな?お前らも付いてこい!』
2人「了解!」
こうしてキラのリークである場所にたどり着く。
『バキューン、バキューン』
『おい、お嬢ちゃんたち。俺様に付いてきな!でないと殺すぞ』
扉を開けた先には…
ユウカ「なんでこの場所が!?」
メイたちが活動拠点にしていた場所だった。
メイ「きゃーー!」
ヒナ「離してください!」
マリィー「辞めてください!」
『よし、お前ら2人…コイツらを縛っておけ!』
2人「わかりました!」
ユウカ「あなたたち…」
キラ「大人しくしろ!」
ミクニ「大人しくしないと…」
『バキューン』
4人に向けて撃つミクニ。
4人「ひっ!」
ミクニ「今回は外しましたが…次は、容赦しませんからね!」
完全に2人は男側に寝返った。
ミクニとキラは4人の手足を縛り男の待つ馬車に載せた。
『行くぞ!』
こうして、男のアジトへと戻っていった。
『へっへっへ。かわいいお嬢ちゃんたちだな。お前、よく知ってたな!』
キラ「いえいえ、とんでもございません」
『よしお前ら2人、アイツらを絶対に逃がすなよ。アイツらが手を組めねぇように2ヶ所に縛ってある。もし逃げようとした時は容赦なく撃っても構わない。いいか、何があっても絶対に逃がすな!もし逃げるようなことがあれば…分かってるな?』
2人「わかりました!」
こうして、囚われたメイたちをミクニとキラが見張ることになった。
ユウカ「どうして、あなたたちが?」
ヒナ「なんでなん?」
ミクニ「うるさい!大きな声で喋らないで!もしこのままうるさかったら…」
この一言で2人は黙ってしまった。
一方、
メイ「なんで、私たちを売った?」
マリィー「どうしてなんですか!」
キラ「動かないで!これ以上動くと…」
2人「うっ…」
2人は完全に身動き取れなくなった。
ミクニとキラは1人で2人ずつ見張っている。
すると、
『おい、お前ら交代だ!メシだ!メシを食え!』
男は2人を呼び付けメシを食わせ、その間他の男に見張らせた。
『おい、お前ら。俺様との生活楽しいか?』
2人「はい」
キラ「でも、毎日豪華な食事出てくるのにお金に困ってませんね…」
ミクニ「どうしてなのか気になりますね…」
『その理由知りたいか?教えてあげよう。俺様の弟があの「ダーティー・ハリー」と呼ばれる男を殺した。だが弟は何者かに殺られてたがな。でもアイツが持ってた大金で生活してるのさ。伝説の男?そんな大した男ではなかったらしいな。何も出来ずに死んでいったみたいだな、ガッハッハッ』
なんと伝説のあの『ダーティー・ハリー』を殺す計画を企てたのはこの男だったのだ。
この話を聞いたミクニとキラは怒りが込み上げてきたが、歯向かうと殺されてしまうのでこの場では愛想笑いをするしかなかった。
キラ「(くっそ…)」
ミクニ「(アイツめ…)」
募る気持ちを抑え、しずかに『殺してやる…』と心に秘めたのであった。
数日後の夜、男が…
『よし、今夜再び女を攫ってくるが、今回は俺様一人で行く。なぜならお前らはアイツらを見張っておかなければならないからな。頼むぜ』
2人「了解」
こうして、男は一人で馬車を走らせ街へ行ってしまった。
ミクニ「いよいよ、…ですね」
キラ「あぁ、そうだな」
果たしていったい何をするのか?
ミクニ「お疲れ様です。交代します」
キラ「外で休んでてください」
メイたちの見張りにつく2人。すると、
キラ「よく頑張りました」
ミクニ「上手くやってくださいね」
突然、メイたちを縛っていた縄を解く2人。
キラ「私たちが撃ったらお願いしますね」
ミクニ「『せーの!』で行きますよ!」
2人「せーの!」
『バキューン、バキューン』
男のアジトに響く2発の銃声。
『なんだ、今のは?』
キラ「彼女たちが逃げました!」
ミクニ「すぐに追ってください!」
『わかった。行くぞ!』
4人「逃げろ!」
『逃がすな!追え〜!』
追う、男の手先たち…だが、
『バキューン、バキューン、バキューン、バキューン』
突然、倒れ込む男の手先たち。
『なんでお前たちが…?』
手先を撃ったのは…
キラ「残念だったな。私たちは彼女達の仲間だからな」
ミクニ「はい、このタイミングを待ってたんです!」
トップである男がいなくなる瞬間を狙い、2人はわざと捕まり、チャンスを伺っていたのだ。
『おのれっっっ!クソッタレが!!』
2人に銃を向けた手先たちだったが…
『バキューン!』
キラ「あぶな…」
ミクニ「ちょっと遅かったらやばかった」
ギリギリのところでミクニとキラにトドメを刺され、手先たちは何も反撃できずに死んだ。
4.勝負の行方
みごと男の留守中に手先たちを始末することに成功したミクニとキラは、倉庫にあったメイたちの装備を持って彼女達の元へ。
ユウカ「おっ、来たきた」
メイ「ちゃんと来てくれるって信じてた」
ヒナ「やっぱり仲間しか勝たん!」
マリィー「でも、やっぱり怖かったです」
キラ「みなさんを、ひどい目に遭わせたりしてすいませんでした!」
ミクニ「私たち、怖かったですか?」
ユウカ「いえいえ。でもそれなりにインパクトはありましたね。ナイス演技でした!」
2人「それほどでも…」
照れる2人。
メイ「でも、ユウカの作戦じゃないと無理だったかもしれないな」
ユウカ「でしょ!でも、あくまでこれは前準備。本題はここからだよ…」
いよいよ、最大の敵であるあの男とのラスボス戦。
全員が無事に帰って来れるとは誰も思ってない。
気を引き締めて、男のアジトへと向かった。
その頃、1人も攫うことが出来なくてイライラしている男がアジトに戻ってきた。
だがそこは、手先たちの墓場と化していた。
『はぁ?おいお前ら?返事しろ!』
しかし、手先たちは死んでいるので何も返事は無い。
ここで、事の重大さに気付く。
『おのれ、アイツら…!許さない!全員まとめてぶっ殺してやる!』
自分の楽しみを奪われた男は殺情が芽生えてしまい、自制ができなくなっていった。
ヤケクソになった男が彼女達のことを捜索していると、
『バキューン』
『ぐっっっ!』
男の持っていた銃が弾かれる。
ユウカ「そこまでだ!」
メイ「もう逃がさへんで」
ヒナ「あなたが連れ去った無実なのに殺し合いをさせて死んでしまった子達と」
マリィー「あなたたちが殺したその家族の分の怨みも全部まとめて!」
4人「晴らさせていただきます!」
『貴様らにそんなことできるかな?』
男は弾かれた銃を手に取ろうとするが…
2人「それはどうかな?」
『バキューン、バキューン』
再び男の銃が弾かれた。
『お前ら!どうしてだ!?』
キラ「あなたの悪事は全てあばいてやった!」
ミクニ「観念してください!」
ここで、2人が彼女達とグルだったことを男は知る。
『お前ら…まさか…』
キラ「そうだよ!うちらが仕掛けたワナだったんだよ!」
ミクニ「私たちがあなたの仲間になったのも、彼女達の場所も教えて捕まえさせたことも、全部あなたを誘き出すためです!私たちがアジトの前で捕まったのも!」
『お前ら、クソッタレが!!』
再び男が銃を手に取ろうとすると、今度はユウカが男の銃を踏み、銃を取れなくした。そして、とんでもない話を持ちかける。
ユウカ「たしかに今のままでは、圧倒的人数差であなたが負けてしまうのは目に見えてます。ですが、こうしましょう。あなたが私たちの中から1人選び、その人と早撃ちで決着をつけましょう。もし、あなたが勝った場合は…私たち全員ここで人生を終えましょう。どう、悪くない話でしょ?」
男からしたら願ってもない話。だが、彼女たちからすれば1人の死=全員の死というありえない話。
メイ「何いってんのユウカ!あんなムチャな話しないで!負けたら全員死ななきゃいけないのよ!ユウカ、落ち着いて!」
ヒナ「やめてください!」
マリィー「それで死ぬのだけはいやです!」
ミクニ「なんで私たちも!?」
キラ「あんた、それだけはダメ!」
ユウカ「でも、こうでもしないと男と決着を付けれないでしょ!じゃ、私たちの目的は何なのよ?」
5人「他の子たちに同じ目にあって欲しくない…」
ユウカ「じゃ、この運命受け入れてくれるよね…?」
5人「うん…」
ユウカ「ほら!みんな自信持って!何のためにキラさんからいろいろ教えて貰ってたのよ!」
5人「自分たちの身を守るため!」
ユウカ「そうだよ!気弱になってると殺られるんだから!誰が選ばれても自信持って『この子なら大丈夫!』って信じよう。強い気持ちが大事!」
ユウカは仰け反る5人を鼓舞した。
自信を取り戻した彼女たちは、再び男の元へ。
ユウカ「では、誰を選びますか?」
『そうだな…じゃ、背の高いお前にする!』
選ばれたのは…
「大丈夫です!」
「大丈夫やで!」
「ここで勝つしかねぇので!」
「信じてます!」
「私の自慢の妹だ…負けるなよ」
「はい!」
ミクニだった。
彼女に5人の運命が託された。
いよいよ始まる。勝負は一瞬。まばたき厳禁。
銃に手をかける2人。男が頃合いを見計らって撃とうとしたその時。
『バキューン!』
2人ではない誰かが撃った。
茂みの奥で銃を持った男が倒れ込む。撃ったのは…
『くっそ…なんで…ここにいるのが分かっ…た?』
「大事な勝負に水を差さないでください!」
「マリィー!」
珍しく激怒して男に銃を向けるマリィー。
「男ならもっと正々堂々を勝負したらどうです?こんな姑息なことをするなんて許せません!」
男は彼女たちが会話していた時までずっと、仲間を1人だけ茂みにずっと潜ませて、最悪の場合誰かを暗殺させようと計画していたが、マリィーの驚異的な反応で見事に阻止された。
『くっそ!アイツが狙いやすいように身長の高いお前を選んだのに!これじゃ意味ないじゃんか!』
「マリィー、すごいじゃん!なんでアイツがおるって気づいたん?」
「私、殺気には敏感なんです。さっき、あの男以外に別の殺気を感じました」
「スゴ…」
マリィーの才能に驚く。
「そんな理由で私を選んだんですね。許せません!では、今度こそ私の手であなたを倒してみせます!覚悟してください!」
『よかろう。では、勝負』
再び訪れた緊張の一瞬。すべてはミクニに託された。明るい未来が待っているか、暗い絶望が待っているのか、すべてはこの結果次第。
結末は…突然、訪れた…
『バキューン!!!!!!』
辺りは沈黙に包まれる。
2人ともホルスターから銃は抜いている。
まだ、どっちが勝ったかまったく分からない。
果たして、勝負の結末は!?
しばらくすると、先に体が動いたのはミクニ。
すると小さな声で
「お兄さん、ありがとうございます…」と言った。なぜなら…
『あなたは、僕と遜色ない銃の腕を持っています。ミクニ…あなたはキラと同じく立派な僕の一番弟子なのです。このことを誇りに思ってこの先、この世界を守ってください。ダーティー・ハリーより』
会えないはずのあの若いお兄さんがミクニの心の中に語りかけてくれたのだ。
ミクニが勝ったのだ。
耐えきれず泣き出すミクニ。
嬉しそうに駆け寄る彼女たち。
メイ「ミクニちゃーん!!!!!!」
ユウカ「ミクニちゃん!」
ヒナ「ミクニ〜」
マリィー「ミクニさん…」
キラ「さすが、自慢の妹だよ…よく頑張った、エラいぞ」
ミクニ「ありがとうございます…みなさんのおかげで…」
一方、ミクニに先に撃たれた男は急所はハズレていたが、心臓あたりを撃ち抜かれ致命傷を負っていた。虫の息同然だった。
『お、お、お前の勝ちだ…俺様を好きにするが良い。どんな運命だろうと受け入れる』
彼女たちは虫の息同然の男の頭に銃を向ける。
キラ「最後に、悪の根元を断ち切りますか」
ユウカ「ではミクニちゃん、代表してお願いしてもいい?」
「わかりました。では行きます。せーの!」
『この世界にはびこる悪よ!消えて無くなれ!』
『バキューン×(2+4)』
男に向けた撃ったそれぞれの最後の1発は、1つの悪夢の連鎖が断ち切られたようだった。まるで、繋がった2つの旋律に奏でられた、弾丸の四重奏のように。
おわり
最後まで見て頂きましてありがとうございました。