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埋没して平和に暮らしてたトランスジョセーの嘆き

以前にもご紹介した男性から女性へトランスしたトランスセクシュアルのブリアナ・ウー(Brianna Wu)がXで、「活動家がトランス問題を"all or nothing"(完全受け入れか完全拒否)かにしてしまった。そして人々は完全拒否を選んだ。」というポストを再掲し「これは100%真実だ」とコメントしていた。

ブリアナ・ウーは20年以上前に性別適合手術を受けて書類上もすべて女性にし、中華系の男性と結婚している。ウー夫妻はIT企業経営で成功しており、2023年までウーは自分がMtFであることに言及したことはなかった。特に隠していたわけではないようだが。

その彼が最近自分がトランスセクシュアル(トランスジェンダーではない)であることをアピールし始めたのは、過激派活動家のせいでトランス全般の評判ががた落ちし、そしてそのせいでトランス全体への風当たりがひどくなり、おとなしく生きてきた自分らの身も危険にさらされるのではないかと恐れているからだ。残酷な言い方をするなら、それに気づくのが少し遅すぎやしないか?

トランス活動家たちが、女性DVシェルターに入れろ、女性スポーツに参加させろ、女子刑務所に入れろ、子供を性転換させろ、と大騒ぎし始めた頃に黙っていて、手が付けられなくなって人々の反感が高まってきてから声を上げても今更遅い。

LGBの人たちにも、TQ+とは早々に手を切ろうと数年前から訴えている人たちは居た。数は多くないがMtFにもFtMにも過激派活動家の活動を批判している人々もいた。しかし一般の人々はそういう少数の人々のことは知らないだろう。そして結局LGBTQ+への反動は、これらの活動に参加していなかった、いや抵抗していたLGBTの人たちの立場すらも脅かすものになってしまうだろう。すでにアメリカでは同性婚の支持率すら落ちているくらいだ。

私は2019年にこんなことを書いた。

日に日に過激化するトランス活動家たちの要求にゲイやレズビアンたちの間からも苦情が聞かれるようになった。放っといて欲しいだけのトランス当事者からも疑問の声が聞こえてくる。こんな気違い沙汰が何時までも続くわけはない。いずれ社会全体がこの悪夢から目覚めるであろう。そうなったとき、一番被害を被るのはLGBT界隈の方々かもしれない。LGBの方々は早急にT活動家たちと手を切ったほうが良い。トランス活動家たちとその運命を共にしないように。

そしてついにその日が来てしまったのかもしれない。

昨日ユーチューブのキングクリティカル((132) King Critical - YouTubeと言うチャンネルでトランス活動(TRA)は人権活動と言えるのかどうかという話をしていて、TRAと黒人公民権や男女平等や同性婚といった市民運動とは根本的に違うと話していた。TRA運動は草の根運動から地道に始まったものではない。この運動は一般市民の理解を得て徐々に人々の考えを変えていこうという努力を全くせず、裕福な運動家が多額の資金を注ぎ込んで直接権力や影響力のあるエリートに働きかけ、人々が気付かないうちに教育や企業や政府がどんどんと方針をトランスジェンダーに有利なように進めていってしまった。だからこの問題に当初から注目していなかった人々からしたら、ある日突然なにもかもがトランスジェンダーの虹色に染まっていたという印象を持つのだ。そしてそれについて一切不満を漏らすことさえ許されなくなってしまった。

キングクリティカル曰く、それまでの市民運動は長年にわたり運動家らが自分らの要求をはっきりさせていた、そしてその要求は理不尽なものではなかったため、時がたつにしたがい多くの人々の理解を得ることが出来た。

あれだけ揉めた同性婚ですらも、長年多々の州で州民投票がされるなど、人々が賛否両論散々討論してきてからの達成であり、支持者も反対派も最終的に同性婚が合法になった時に驚いた人はいなかった。そして同性婚に未だに反対している人々がその意見を発することは自由であり、同性婚に直接参加したくない人は参加しない自由もある。(宗教上の理由で同性婚にサービスを断った業者が訴えられるといったことはあったが。)

しかしトランスジェンダリズムはこうしたプロセス全く踏んでいない。TRAは人々が好むと好まざるとにかかわらずエリートと権力者を通じて無理やり方針を通してしまった。そしてTRAの要求は理不尽であるとキングクリティカルは言う。

トランスジェンダーの個人が異性であると主張した場合、それに同意できない人々まで無理やり同意させる。一切の反対意見を許さない。異を唱えればその人の職を奪ったり社会的地位を破壊したりする。そんなことを続けていれば反感を買うのは当然である。そしてその反動は以前多少は容認していた頃とはくらべものにならないほど厳しいものとなってしまうだろう、いやすでにそうなりつつある。

私は昔から、埋没しているトランスジェンダーは放っておいてあげればいいという考えだった。トイレやお風呂の使用も問題が起きない方の施設を自己責任で使えばいいと思っていた。それを不可能にしたのはどう見ても男に見える女装男が女子トイレやお風呂で到底許容できない行動をとったからである。

私は何度となく繰り返し言ってきた。少数派が多数派社会で共存するには三つに一つの選択肢しかない。一つは少数派としての立場に甘んじ不公平な差別も受け入れ、これ以上迫害がひどくならないように目立たないように生きる。二つは人々の理解を仰ぎ協力を得て平等に扱ってもらえるように運動する。三つ目は権力と暴力にものを言わせて多数派を圧倒して多数派を統率する。TRAがこの三つのうちどれを選んだかは明白である。

問題なのは三つ目を選んだ場合、常に自分らの権力と武力を保っておく必要がある。大多数の人が納得して従っているわけではないから、少数派の権力が衰えれば彼らの統率能力も衰える。そして権力勢力が入れ替わり方針が変われば、今度は自分らが迫害される立場になってしまうのだ。そのいい例が旧南アフリカのアパルトヘイトである。

だから私は以前からツイッターなどのソーシャルメディアで極少数派のLGBTQ+活動家たちに自分らが少数派であることを忘れるべきではないと言ってきた。少数派が対等な人間として多数派から扱ってもらえるのは多数派の寛容があるからなのであり、それがなくなったら少数派はひとたまりもないのだと。

「それは脅迫か!」と言われたことがある。「脅迫ではない。警告だ」その警告をずっと無視してきたのがトランスジェンダー活動家たちなのである。

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