
トランプ大統領女子スポーツから男子を追い出す条例を発令
トランプ大統領は約束どおり、今回女子スポーツへの男子の参加を禁止する大統領令を発令した。こちら日本語で翻訳してくれてるサイト。エスケーさんはいつもながら仕事が早い。お忙しいはずなのに感服する。
繰り返すが、大統領にはアメリカ全土のすべての競技大会で直接女子スポーツへの男子参加を禁止する権限はない。大統領にあるのは、政府から助成金をもらっている教育機関においてタイトルIXという女性を差別しない法律に基づき、女性差別を行った機関への助成金を差し止めることだけである。
これは、以前にバイデン政権がタイトルIXに女子自認男子も含まれると解釈したことの撤回である。アメリカのほとんどの学校は連邦政府からの助成金をもらっているので、結果的に教育機関においては大統領令に従うより仕方ない。
すでに全米大学競技連盟とでも訳すのか、NCAAは女子競技への男子参加を廃止すると発表した。これでウィル(リア)トーマスのような男子大学生が大学の女子競技に参加することは出来なくなったのである。今NCAAを相手取り三人女子水泳選手らがトーマスの記録をはく奪するよう訴訟を起こしている。
以前にも書いた通り、大統領命令は大統領が変わるとこのようにコロコロ変わってしまうので、本気で女子スポーツを守ろうと思ったら、議会が下院と上院で法案を通し最終的に大統領が署名してきちんと法律にしなければならない。一旦通った法律を覆すのは並大抵のことではないからだ。
すでに下院ではこの法案は通っており、次は上院がどうするかというところである。無論法律が通ったら通ったで、すぐに訴訟が起きるのでそれにも勝たなければならない。ただ、この件についてはすでにテネシー州の法律が合憲であるかどうかが最高裁で審議されているので、それでテネシー州が勝てば、連邦政府での法案もすんなりいくだろうと思われる。
上院の民主党議員たちがどうするかが問題だが、これに関して民主党が反対したら、それこそ民主党の評判は地に落ちてしまう。民主党のなかにも常識ある人はいるはずだし、第一これはアメリカ国民の間でも支持の高い法案なので反対するのは賢い判断とは思えない。
国際的な影響
実はこの大統領命令は国際競技にもかなりの影響をもたらすものと思われる。それは「第4条 女性スポーツにおける公平性と安全性の維持」の部分。強調はカカシ。
(b) 国務長官は、教育文化局スポーツ外交部および米国国連代表部を通じて、次のことを行うものとする。
(i) 関連する女子スポーツ部門が性別(sex)ではなくアイデンティティに基づくものである、人対人のスポーツ交流またはその他のスポーツプログラムへの支援および参加を取り消す。
(ii) 国連を含む場で、性別(sex)に基づく女性スポーツ部門を保護するためのスポーツ競技を規定する国際ルールおよび規範を推進し、国務長官の裁量で、国際スポーツ組織および統括団体、および女性のスポーツへの男性の参加を認める政策によって被害を受けた女子アスリートを招集し、公正で安全、かつ女子アスリートの最大の利益を促進するスポーツ政策を推進する。
(c) 国務長官および国土安全保障長官は、必要に応じて、女子スポーツへの参加を希望する男性の米国への入国を許可する政策を見直し、調整し、移民国籍法第 212 条 (a)(6)(C)(i) に基づく場合を含め、法律で認められる範囲でそのような入国を阻止することを目的としたガイダンスを発行するものとする (8 U.S.C. 1182(a)(6)(C)(i))。
(d) 国務長官は、国際オリンピック委員会がオリンピック競技会の基準を改正し、女子スポーツ競技会への参加資格がジェンダーアイデンティティ(性自認)やテストステロン減少ではなく性別(sex)に基づいて決定されるようにすることで、女子アスリートの公平性、安全性、および最善の利益を促進するよう、適切かつ利用可能なあらゆる手段を講じるものとする。
国際競技にはアメリカからの助成金がかなり入っているはずなので、アメリカがスポンサーを辞めたらどのスポーツにも大きな打撃を与える。しかも国際競技がアメリカで行われた場合には女子自認男子選手はアメリカに入国することもできない。そんなことになったら各国のスポーツ協会も男子選手を代表に選ぶことは躊躇するだろう。
国際オリンピック協会は一応ガイドラインとして思春期前に性移行をしていない男子の参加は認めないとしているが、パリオリンピックのボクシングマッチでもわかるようにきちんとした規則になっていない。この際オリンピックは各競技組織の判断に任せるのではなく(male)の女子競技参加を全面的に禁止すべきである。そして女子選手は全員DNAとホルモン検査を受けることとし、疑わしい人だけなどということをやらなければ差別にならない。XYでありながら女子として成長した人に関しては、さらなる専門家の検査を受け女子と判断された場合のみ参加を許可するようにすれば、イマーン・カリーフのような選手は最初から出場できなくなる。(カリフ選手は国際ボクシング協会の判断により、今後国際競技への参加は不許可となった。)
エリート競技の場合は国際競技に出場してこそ評価を得られるわけだから、この大統領命令は色々な国際試合に影響をもたらすものと思われる。アメリカが率先して女子競技における狂気から覚めてくれるのはうれしいことだ。