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今更ながら笙野頼子のトランスジェンダー見解をファクトチェックしてみた!

先日、作家の李琴峰(りことみ)氏と伊東麻紀(いとうまき)女史の裁判の話を色々と読んでいたら、2021年に芥川賞受賞作家の笙野頼子(しょうのよりこ)女史が Writers' Association News Nov 2021 という同人誌に寄稿した「女性文学は発禁文学なのか」というエッセーに李氏が反応し、それに対して伊東女史が「小学生の読書感想文かよ」とXに投稿したことがきっかけだったことを知った。実は、このエッセーについて私は当時拙ブログで紹介しており、彼女のエッセー本文とそれに対する李氏を含む「いつもの容疑者たち(usual suspects)」の反応も紹介していたので改めて読みかえしてみた。これらトランスジェンダー活動家(TRA)たちの反応は2021年当時でも十分に呆れるほどのお惚けぶりだったのだが、三年経った今読み返してみると、さらにそのお惚けぶりは白々しく思える。下記がその一部。

本当に怖い…。まず「そんな事実は無い」のに…たとえば、世界で最初にアルゼンチンモデルを導入したアルゼンチンに「女」という文字が消えたなんて事実があるのか?有るならぜひその証拠を示してほしい。本当トランスジェンダーに関してなんで平気でデマを流すかなぁ? 

畑野とまと

どう受け止めたらいいのか。笙野頼子の荒唐無稽のうちに独自のリアルを掘り下げる作品の創作メモだと言われれば納得しそうだけど、笙野が現実を映している(つもりの)文章なのですよね。。

池田香代子

ひどい。笙野氏もやっぱり差別禁止法と法的性別変更手続きの区別がついてないレベルで混乱しながら(というか混乱したデマをそのまま真に受けながら)マイノリティへの偏見と憎悪をまき散らしている。

KOMIYA Tomone

そして話題の人、李氏は笙野女史によるセルフIDに関する供述を「陰謀論」であるとして片付けている。

しかし一体なぜ、こんな安直な陰謀論に走ってしまうのか。なぜこんなふうに不安を煽るのか。何が正しくて、何が間違いなのか。何が真実で、何が虚偽なのか。恐らく全てが歴史になってはじめて、私たちは知ることになるだろう 

李琴峰

驚くべきことにすでに歴史になりつつある真実を目の当たりにしても、李氏は未だに自身のノートに、このエッセーのことを「差別的な恐怖先導の駄文」「粗雑でデマ交じりの差別的な恐怖先導駄文」と書いており、三年経って笙野女史が如何に正しかったかが証明された現在ですらも尚その考えを全く変えていないようである。

それではここで改めて笙野頼子女史の書かれたことをいちいち検証していこう。

笙野頼子の主張とカカシの検証

主張1:新世紀20年今世界中で女という言葉が禁止されつつある。

検証:2018年スコットランド、ケリー・J・キーンと言う女性活動家が女性の辞書の定義である「大人のヒトの雌」というビルボードを掲げたところ、トランス自認の男性たちの気分を害するという理由で看板が取り下げられた。女性の定義が否定されたのだ。

2022年スコットランドのエディンバラ大学で同名のドキュメンタリー映画の試写会が開かれるはずだったがトランスジェンダー活動家らの暴力的な抗議によってキャンセルされた

2022年アメリカ、妊娠人工中絶施設であるプランド・ペアレントフッドや市民団体のACLUが妊娠している女性のことを母親ではなく「子供を産む人」と呼ぶように指導した。俳優のベット・ミドラーは「女性と言う言葉が消されようとしている」とXで嘆いた。しかし翌日TRAの圧力に負けその批判の一部を撤回に追い込まれた。

主張2.禁を破った先進国の女たちが魔女と怒鳴られ、デモで松明におわれ、殴られている。レズビアンの一家は皆殺しにされた。

検証:2023年、キーン女史がオーストラリア・ニュージーランドで「女にしゃべらせろ」講演ツアーをした際、ニュージーランドにおいて、集まったTRAのひとりにトマトジュースをかけられ、避難する際に群衆によってもみくちゃにされた。

2016年、カリフォルニア州サンホセ市で、レズビアン夫婦とその息子の3人がトランジェンダー活動家によって殺されるという事件があった。

主張3:女子更衣室に入った男を咎めて警察に通報される(のは女の方)。女子格闘技では男が女の首を絞めスカルを割る。女だけのデモや集会は妨害される。

検証:2022年アメリカのワシントン州にあるYMCAのプールシャワー室でトランス自認の男性がいるのを通報した80歳の女性が、反対に警察を呼ばれ40年も通っていたプールから永久追放された

2014年、MMAのトランス自認女性選手が、対戦相手女性の頭蓋骨を骨折させるという事件が起きた

主張4.「女性に陰茎はない」といったら糾弾。レズビアンの陰茎不要宣言に「矯正」要求

検証:2021年、レズビアン女性たちがトランス自認の男たちに性交渉を迫られて困っているというBBCの記事

主張5.性自認法、セルフID法という。どの国でも庶民が知らぬ間にこっそり通過させた

検証:2020年、こちらのノートでノルウエーの例をとり、トランス活動家がいかにこっそりとトランスに都合の良い法律を通しているかが説明されている。

ノルウェーが際立っているもうひとつの理由は、 このマニュアルにおいて『性自認法=セルフID制度(the self identity law = Selv ID Lov)』を通じてロビー活動に用いられた戦略にある。ひとつは人気のある改革を隠れ蓑にして、その法律の真の重要性を忍びこませること。 『セルフID』について知っている人はほとんどいないし、支持する人もほとんどいない。でも、同性婚だとしたら話は別だ。

トランスジェンダリズム海外情報

2021年カリフォルニアのロサンゼルスで起きたWiSpaという韓国式スーパー銭湯での事件。スパ利用者はカリフォルニアですでにセルフID法が通っていた事実を知らず、女湯に勃起した男が入ってきたことにショックを受けて受付に通報するも、施設側としては法律だからどうしようもないと言われてしまった。

この後もスパや運動ジムや公共プールなどで同じような事件が何度も繰り返されている。どの件でも利用者の女性たちは地元にセルフID法があることを知らなかった。

主張6.英国で女という言葉を忘れたと皮肉を言ったJKローリング。世界史上最悪のネットリンチにあった。

検証:いくら何でもこれが嘘だと思う人はいないだろう。JKローリング女史が「性は真実だ」といってから5年の月日が経った。そして今やローリング女史の言ったことがすべて本当だったことは証明されている。2019年、「性は真実だ、Sex is real.」と言ったローリング女史がネットリンチにあう。その後ハリポタの映画記念イベントから疎外されたり、命を狙われたり、恩知らずの役者たちに魔女と呼ばれて批判されたりしたのは有名。

結論、笙野頼子の言ったことはすべて真実だった!

いや、知ってたけどね。トランスジェンダー活動を20年近く観察してきた私から言わせれば、笙野女史の書いたことは常識中の常識だ。2021年当時でもすでに広く認識されていた事実ばかりなので、今更知らなかったでは済まされない。だから笙野女史の主張が「デマ」だの「陰謀論」だなどと言っていたひとたちのほうこそ間違っていたのである。

熱心な活動家のTRA達がこれらのことを知らなかったとは到底信じられない。TRAのお惚け作戦は今に始まったことではないというだけの話だ。

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