WPATHファイル徹底解説その3:WPATHは医学/科学組織ではない

WPATHファイルの第三段を書こうと思ってた矢先、Xでこんな記事が上がってきた。これは23歳のヤーデン・スィルベイラさんという男性が、男性から女性への性適合手術(SRS)を受けたあと合併症が発生し、その治療を元の外科医に求めたが助けてもらえず、他の医者にも色々あたったが誰も助けてくれず、脱トランスしようとしたが取り合ってくれる医者がみつからず、結局合併症で亡くなってしまったというかなしい話だ。この男性は亡くなる2週間前にSRSを行った医師のカスタマーレビューに恨みつらみを残していた。この話はWomen Are RealというグループがWPATHに名前を連ねる医師たちについて色々調べているときに発見したのだそうだ。

以前にも書いたように、私は数年前まで男から女へのSRSは1960年以来60年以上もの歴史があるので、てっきり完璧化されて合併症などの問題も最低限に抑えられるように進歩しているものと思っていた。ところがヤーデンのように合併症で苦しむ患者は非常に多いということを知って、実はSRSは全く医学的な進歩を遂げていないのだと言うことを悟ったのだ。

WPATHファイルでもトランスジェンダー治療は普通の科学的な審査では絶対に通らないような、安全性がまるで証明されていない人体実験なのだとある。WPATHが発表するスタンダードオブケア(SOC)は全く科学に基づいたものではない。同ファイル曰く、SOCは医学書ではなく法文書だという。これは医者が患者から訴えられないようにするための保証であり指南書でしかないのだ。

男性の場合、SRSが失敗して手術中に亡くなる率はなんと2%。ヤードンのように術後の合併症が理由で亡くなる人や、術後の経過が悪すぎて自殺した人たちの数などを合わせたらかなりの率の人がSRSのせいで亡くなっていることになる。

もしこれが普通の手術だったら、こんな高い死亡率の手術はすぐに取りやめになり見直しされるはずである。こんなリスクの高い手術が許されるのは放っておけば確実に亡くなると解っている不治の病の患者の場合だけである。

身体に有毒な薬品を使うことと身体の一部を削除すると言う点で共通しているものに癌治療がある。しかし誰もが知っているように癌は放っておいて治る病気ではない。ところが性違和の場合、特に子供は放っておけば思春期を超すと70~90%の患者が性違和が無くなるというデータもある。これが他の病気で放っておいても命に危険はなく、70~90%の人が自然に治るとなったら、どんな医者が致死率2%以上もある危険な手術をするだろうか?そんなこと誰が許すだろうか?

手術にまで至らなくても思春期ブロッカーや異性ホルモンの危険性や影響についても十分な調査がされていない。にもかかわらずWPATHは年端もいかない子供たちにこの危険な薬品の処方を推進しているのである。

WPATHの掲示板での討論でも異性ホルモンによって性的快感を得ることが出来なくなる可能性についてよく議論されている。

例えば長期にわたって男性ホルモンを摂取している女性が、骨盤内炎症性疾患(PID)を起こし黄色いおりものが持続していると、ある看護婦は書いている。女性はエストロゲンが少なくなると膣が委縮し膣の壁が薄くなり乾燥し炎症を起こすことがある。これは閉経後の女性にもよく起きる症状だ。これは性交が苦痛になるだけなく、苦痛を伴う排尿症状にもつながる。

PIDは非常に深刻な病気で放置しておくと命に係わる。死なないまでも長期にわたり後遺症が残る可能性がある。無論生殖機能にも悪影響を及ぼす。

この掲示板でも何年も男性ホルモンを摂取している女性達から同じような体験談がいくつか寄せられた。

また男性の場合でも別の問題が生じる。女性ホルモンを摂取している男性は勃起時に酷い苦痛を伴うことがある。あるMtFのカウンセラーは勃起すると苦痛なのでなるべく勃起しないようにしていると語った。女性ホルモン接種中の患者を診ているという看護師は患者が勃起のことを割れたガラスのような感じだと表現したと書いている。

掲示板でこのような議論がされているということは、ジェンダー医療関係者はこの副作用を知ったうえで患者にこの危険な薬品を処方しているということになる。そしてWPATHはこのような恐ろしい処方を思春期の子供に勧めているのである。まだ性欲もなく性志向や性的アイデンティティーも確率していない子供達には、これらの薬品が引き起こす悪影響など充分に理解できるはずがない。

異性ホルモンの悪影響について、掲示板上で、とある医師は2021年の12月、16歳の女子患者が生理を阻止するホルモン剤を一年間摂取したところ、肝臓に大きな腫瘍が出来た話をする。

「患者からは11x11cmと7x7cmの2つの肝臓腫瘤(肝腺腫)が見つかった。
腫瘍内科医も外科医も、原因物質がホルモンである可能性が高いと指摘した」

これに関して他の医者が8~10年テスタストロンを摂取している自分の女性同僚も肝臓癌(hepatocarcinomas)になったと証言。「私の知る限り、これは彼のホルモン治療と関係があると思います。」不幸なことにこの女性同僚の癌はかなり進んでおり、彼女は発見の2か月後に亡くなったという。

女性への男性ホルモン投与の危険性は他でも記録されている。2020年ランセットが発表した調査では、17歳のトランス自認女子にhepatocellular
carcinoma (HCC)という肝臓癌が発生した。これはB型及びC型肝炎 Cの炎症によってよく起きる癌である。17歳の少女はテスタストロンを摂取して14か月だった。それで少女の医療チームは癌に影響を与えるとしてテストストロン摂取を中止した。その後彼女がどうなったのか明らかではない。しかし個別調査の結論は「思春期のトランスジェンダー患者への男性ホルモンとHCC進行の関係性は不明」というものだった。

調査団は別のトランス自認女性におきた珍しい肝臓癌について記載している。彼女は診断当時47歳でcholangiocarcinoma胆管癌という珍しい癌になっていた。これは普通もっと高齢の人に起きる病気である。

この二つの患者のケースはそれぞれ若い年齢にそぐわない癌になっていたことが特徴でこれはテストストロン(exogenous testosterone)と肝臓癌との関係を示唆するものである。しかし組織的調査は例が少ないため不可能である。

ちょっとここで私(カカシ)の疑問を述べさせてもらうと、確かにトランス治療としての男性ホルモン接種はまだ歴史が浅いが、スポーツ選手による男性ホルモン接種は今に始まったことではない。1980年代、東欧の女子オリンピック選手など普通に薬物を使っていた。そしてこうした元アスリートたちが随分後遺症に苦しんだという話を聞いたことがある。だから女性の身体と男性ホルモンの関係性についてはもっと色々なデータがありそうなものだ。

テストストロンが女体に与える悪影響は肝臓癌だけではない。2022年、テストストロンを摂取している女性達の間で以上な兆候が子宮癌テストに現れたという調査結果がある。調査団によると男性ホルモンは扁平上皮細胞の変化と膣内細菌叢の変化を引き起こすようだ。 また他の調査ではテストストロンにより心臓麻痺の危険性が高まるというものもある。

また2018年、カイザーパーマネンテ(健康保険会社)の行った調査によると、男性が女性ホルモンのエストロゲンを摂取した場合、血栓が肺や足に出来、心臓麻痺や脳梗塞の危険性が4年で5.2%も上がるという結果が出た。そしてホルモン接種の期間が長くなればなるほどこの危険性は上がることが解っている。

2020年、コカレンライブラリー(Cochrane Library)が、男性への異性ホルモン治療の安全性について書かれた数々の論文を調査したところ、どれも非常に低い基準にすら達していないと結論付けた。「40年以上も男性の性転換にホルモン治療がされてきたにもかかわらず、RCTもなくホルモン治療の倫理性や安全性を示す研究が全くされていない」とし「現在の医学調査と治療には大きな溝がある」と結論づけている。

実は私(カカシ)もずっとこれが疑問だったのだ。MtFのための女性ホルモン治療はすでに40年以上も行われているのだから、女性ホルモン接種の効果とその安全性・危険性についての調査は可能なはずである。にもかかわらずそのような調査は全くされていないのだ。ここに私はWPATHの悪意を感じる。彼等がホルモン治療を促進したいなら、科学的にその効果を裏付けすることは彼等にとっても有益なはずである。あえてそれをしないのは、彼等はこの治療の安全性に興味がないのか、もしくは危険であることを発見したくないからのどちらかなのではないだろうか?

ファイルによると、WPATHは行き当たりばったりの実験を患者に行っているという。男女ともに異性ホルモンによって生殖器の苦痛を訴える患者に対して、医師たちによる診療は憶測でしかない。

例えばPIDになった患者が救急病院へ運ばれた例でも、エストロゲンクリームの効力がなくなったので、エストレース錠剤を使うべきだろうかという看護婦の質問に対して、医師たちの回答はかなりあやふやな実体験によるものだけで、FtMの医師が自分で試して効果のあったものを試してみてはどうかという程度のものだった。しかしこれは科学に基づく治療ではない。

女性へのテストストロン治療は歴史が浅く、あまり色々なことは解っていないとWPATHは言いながらも、すでにテストストロンによって閉経後の女性が体験するような症状が出ることは解っている。

膣の壁が薄くなっているため、性行為をするのが非常に苦痛であると訴える患者は多い。しかも男性ホルモンのために女性は強い性欲を抱くが、性行為が苦痛なため満足のいく性生活を送ることが出来ない。若い女性にとってこれは非常な問題である。

また男性が勃起した時に異常な苦痛を感じることに関して、SRS後もオルガズムに達した時に苦痛を伴うようになるのかという質問に関しても、きちんと答えられる医師はいなかった。

このようにWPATHの掲示板での質疑応答では、医師や看護師らがそれぞれ実体験や想像で話をしており、まるで患者を相手に人体実験をしているとしか思えない会話が繰り広げられている。どの治療方法に関しても確たる科学的な根拠がないのである。前述のメツガー医師などは、ホルモンの量を患者の気分で調整しているという。

にもかかわらずWPATHはSOC8でホルモン治療が身体に与える影響についてきちんとした根拠がないことは認めながらも「実験的な治療」という言葉は故意に避けている。それというのも実験的な治療は健康保険が効かないからである。WPATHの目標は安全な治療をすることではなく、より多くの患者を増やすことにあるので、保険が効くことは必用不可欠なことなのだ。

男性のSRSの失敗率にも私は驚かされている。この去勢したペニスの皮を裏返して故意にあけた穴に挿入して偽膣を作るやり方が一番よくされる手術だが、2021年の調査によるとマウントサイナイ病院でこの手術を受けた15%が再度、再再度の修正手術を必要とした。また73.5%の患者が穴に棒を挿入して穴が塞がらないようにするダイレーションが苦痛で定期的に行うことが出来なかったという。このダイレーションは術直後数週間毎日数回合計2時間以上やらなければならない行為だ。ただでさえ術後で苦痛を持っているときに、こんなことを定期的に出来る人はそう多くないだろう。

事情は全然違うが私も開胸手術の後に肺活量を復活させるために毎日肺活運動を命じられたが、咳もひどかったし苦しかったので誰かに言われないときちんとできない状態が続いた。話を聞く限り、このダイレーションは私の肺活運動なんかよりずっと大変らしいから、気持ちはとってもよく分かる。

この手術の問題点はダイレーションだけではなく、腸汁が偽膣から漏れたり、排尿機能がきちんと働かなくなったりして尿漏れが起きることも知られている。すでに大人の男性の間でこのような問題が起きているにもかかわらず、これを思春期直後の少年に試そうなどと、どんなサイコパスならそんなことが出来るのだろうか?だが、WPATHは男子のSRSを行う理想的な時期は高校三年生の夏だと主張する。

さらにWPATHは患者に精神病がある場合や、他の病気がある場合、または超肥満体の患者などへの規制さえ無視する傾向がある。

2022年Sidhbh Gallagher医師はBMI65もあるような超肥満女性の乳房除去を行ったことをTikTokで自慢したところ、彼女によって手術された数人の肥満女性達から術後の合併症を訴える批判が殺到した。

WPATHはさらにSOC5で推薦していた二人の精神科医の診断証が必要という基準すら撤廃しようとしている。すでにSOC6でこの診断証はひとつでいいことになっているが、今はそれすらも廃止しようとしている。

それでいてWPATHのバワーズ会長は脱トランスを希望する若者に対して、彼等自身が性転換を望んだのだから、彼等もその決断に責任を負うべきだとして取り合わない。いや、子供に理解できないような治療を周りがやいのやいの言って薦めたんだろうが!後悔したら子供の責任?いい加減にしろ!

バワーズはすべての医学治療には後悔がつきものだと言う。それに比べたら性転換治療を後悔する人の率は非常に低いというのである。彼等が良く使う後悔率は乳房除去及び偽ペニス手術をした女子の1%、去勢+偽膣手術をした男子の2%というのがそれだ。

しかしながらこれらの調査は術後短期間であったり、長期の場合連絡不可能になる患者が多いことから信ぴょう性に欠ける。

早期に思春期ブロッカーを使い始めたオランダの例が解りやすい。この調査では現在35歳の生得的女子の満足度を調べたもので、彼女たちはホルモン治療を後悔してはいないものの、性器の外見に非常な羞恥心を持っており、深刻な鬱病に悩み、パートナーとの長期の交際が難しいと答えた。しかし同じグループの手術2年後に行われた調査で平均年齢が20歳の頃は、テストストロンによって肥大したクリトリスに関する満足度も高かった。

このようなアンケート調査の問題点は、答える側にもアジェンダがあるということだ。何年も心身共に犠牲を払い副作用にも耐えて多額のお金も使った後、結局これは間違っていたなどと認められる人がどれだけ居るだろうか?それに本当に後悔してる人たちはこんなアンケートに参加すらしないだろう。

性転換を希望する若者は子供の頃に性暴力の被害にあっていることが多い。そのトラウマから自分の性器や自分の性を毛嫌いする人も多いのだ。だがそういうことは一回や二回の短い問診で解ることではない。子供の頃のトラウマで自分はトランスジェンダーだと思い込んでいる人たちの治療は急いでホルモン接種したり手術したりすることではないはずである。

WPATHは信頼の鎖を絶ったと同ファイルは言う。医師は自分が受けた教育が患者を治療することに役立つと信じている。そして医師が教えを仰ぐ専門家組織は医師たちに適切なアドバイスをくれるものと信頼されている。

にも拘わらず、WPATHは何の科学的医学的根拠もないままに医療基準を適当に作り上げ、完全に実験の段階で確たる検証もされないまま危険な医療を医療関係者たちに教授してきたのである。そしてそのツケを払わされているのが、年端もいかない子供たちなのだ。

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