乳房除去手術直後に後悔、脱トランスした女性の話
さて本日は前回に引き続き、性転換の手術をした直後に後悔して脱トランスした女性の話をしよう。
クリスティーナ・ハイネマンの場合
クリスティーナ・ハイネマン(Cristina Hineman 20歳)は幼稚園から中学までホームスクールで育った。子供時代は幸せで健康な女の子だった。両親にも愛され妹とも仲良しだった。クリスティーナは12歳になる頃には自分が女の子に魅かれることに気づいていた。そのことによって少し混乱はあったが、自分が女の子であることに違和感を持ったことはなかった。
しかし高校になって公立学校に通うようになると友達作りに少し苦労した。それというのも何故か彼女の回りには性自認が生物学的性と違う子ばかりだったからだ。それでクリスティーナも数年のうちに自分は「ノンバイナリー」だと自認するようになり、そのうち「トランスマン」として男性ホルモンを摂取することになる。
2020年のコロナ禍でロックダウンは若い人達の精神状態に非常な悪影響を与えた。全く外へ出られなくなり友達とも会えなくなったクリスティーナはネットに夢中になり、トランスジェンダーのチャンネルで色々な悪い情報を得て、乳房バインダーを付けるようになった。ところがこれが非常な苦痛を伴い、ロックダウンが終わってバイトをするようになっても職場でずっとつけていたことが原因で肩を怪我してしまい、仕事を止めざる負えなくなった。
この状況こそがアビゲイル・シュライヤー著の「あの子もトランスジェンダーになった」にあったRapid onset gender dysphoria(急性性同一性障害)というものである。ROGDというのは子供の頃に性違和を全く持っていなかった少女が、ある日突然性違和を言い出す状況のことをいい、周りに性違和を持つ少女から社交的に感染するというものだ。
だいたい性同一性障害というのは人口の0.1%にも満たない人が患う精神病であり、クラス中の女の子が持つような精神病ではない。しかも中学生までごく普通の女の子だったクリスティーナが高校に入ってトランス自認のクラスメートと出会ってからノンバイナリーを言い出すなんてのは、あきらかに社交的感染である。まさしくイーロン・マスク氏のいうウォークイズムマインドコントロールウイルスと言う奴である。
2021年の秋、セラピストから肯定され激励されたクリスティーナはニューヨークのプランドペアレントフッド(Planned Parenthood PP)へ行く。そして僅か一回の30分にも満たない問診の末に男性ホルモンを処方された。彼女を問診したのは医者でもなく看護婦助手だった。クリスティーナは18歳になっており親の承諾はいらなかった。PPは元々産児制限の相談所ということになっているが、何のことはない人工中絶専門の医療機関である。しかし最近はトランスジェンダー医療にも手を出している。中絶の時と同じで、カウンセリングなど形だけですぐさま医療措置を始めるのである。
男性ホルモンは一時的に鬱の症状を緩和した。「まるで抗うつ薬のようでした」とクリスティーナ。テストストロンでハイになった彼女はクリトリスが異常に大きくなったり体毛が増えたりといったホルモンの悪影響への不安を一時的なものだと考えて気にしなかった。一旦男性的になり男としてパスするようになれば幸せになれると信じていた。
女性から男性の性転換の次のステップはトランス活動家たちがいうトップサージェリー(上部の手術別名乳房除去)だった。クリスティーナはスーパーのレジで働きながら手術費を貯めた。
クリスティーナが選んだのはジェフェリー・ロックモア医師( Dr. Jeffrey Rockmore)同医師は女性から男性のFtM手術の15年の経歴があるとオンラインで宣伝していた。だが彼は豊胸手術を専門としている整形外科医だった。
手術の際に、手術前の説明の問診がなかったため、手術当日すでに麻酔のIVが挿入されてからロックモア医師は乳首はどのくらいのサイズにしたいかと質問した。そして手術室にあったティッシュペイパーの箱に好きなサイズの絵を描けと言った。サイズの例として自分の乳首を見せようかと言われたがそれは断ってクリスティーナは自分で絵を書いた。
ちょっと待ってよ、なんだこの医者は!私(カカシ)は眼医者のオフィスで局部麻酔で15分足らずの眼瞼下垂の手術をした時ですら手術前問診をやったぞ。それが乳房除去という大手術の前に問診がないなんてあり得ない!
クリスティーナがロックモア医師に会ったのはそれが最後。術後の回復は非常に苦痛だった。それでも彼女は一時的に歓喜を感じた。どんな不安もこれは途中の過程なんだと思い込もうとした。
しかし六週間後の術後問診の前夜クリスティーナは遂に泣き崩れてしまう。「身体の一部が失くなっている」平らな胸が欲しかったのだが、これは男の胸ではなかった。常に無感触、それでいて常にひきつった感じがした。何も感じない、まるで何もない空間のよう。
次の日彼女は激しいパニックに襲われた。何度も吐いた。引き金となったのはテレビで美しい女優のしなやかな身体を見たことだった。女性らしい曲線、長い髪、美しいドレス、彼女は自分がどれほど女性らしかった自分の姿を恋しがっているか実感した。
術後六週間と二日で彼女はテストストロン摂取を止め脱トランスを始めた。自分の体についても自分の人生に対しても、そして周りの人達がすべてうまく行ってるふりをしていたのだということも、全てのことが酷いと感じたという。
女性の服をすべて捨ててしまったので、母親がくれた長袖のドレスを着てみた。長袖がテストストロンのせいで太くなった腕を隠してくれた。ずっと男みたいに見えると思っていたので、この服を着て少し気が楽になった。
クリスティーナは脚の毛を剃りドレスを一日中着た。彼女は脱トランスを始めて六か月間毎日泣き続けたという。そして自然な女性ホルモンが分泌し始めると同時に子供が欲しいと思うようになった。その願望はテストストロンによって隠蔽されていただけだった。もっと前にテストストロンを止めていれば乳房除去なんてことはしなかっただろうと彼女は言う。そして手術の前に授乳について全く考えなかったと付け加えた。
テストストロンを辞めてからクリスティーナは同じPPに戻り同じ看護婦助手と話をし、テストストロンを止めたらどうなるのかと聞くと、彼女は「人によって違いますから、、」と繰り返すだけだった。それでクリスティーナはこの女性は何も知らないんだと気が付いた。
私(カカシ)がWPATHファイルスを読んだ時も、この"informed consent"という言葉がよく出て来た。これは特定の治療がどのようなものであり、良くも悪くもどのような結果を引き起こす可能性があるか十分に理解したうえで治療を受けることに同意するという意味だ。しかし多くの患者はこれをちゃんと理解していない。例えば女性がテストストロンを摂取すると身体ががっちりして男性っぽくなるとか、声が低くなるとか言ったことは理解できても、クリトリスが不自然に肥大して苦痛を伴うとか、膣壁が薄くなるため性交すると激しい苦痛を伴い下手をすると出血するとか、体毛が濃くなるとか、頭が禿げるとか、髭が生えるとかいった可能性を全く理解しない少女たちが結構いるとWPATHの診療医師たちが証言している。
脱トランスを始めて一年半。クリスティーナはPP及びロックモア医師らを相手取って訴訟を起こした。その訴訟のなかでクリスティーナはネット上のトランスジェンダーを支持するコンテンツに大きく影響されたこと、トランスジェンダーを自認する仲間に囲まれていたこと、基礎疾患の治療を怠った医療専門家に裏切られたことなどを詳述している。その中には、深刻なメンタルヘルスの問題や、彼女が「トランス」であると認識し始めた17歳のときに初めて診断されたアスペルガー症候群が含まれていた。コロナ禍のパンデミックによりロックダウンと遠隔教育が始まったことが、クリスティーナの崩れかけた精神状態への留目の一撃となってしまったと語る。
私はこれまでに幾人も男女を双方の脱トランスの人たちの話をきいたが、彼らのいうことには共通しているいくつかの点がある。先ず性違和があったかどうかという話については、
子供の頃には性違和はなかった
元々自閉症などの精神疾患を持っていた
青年期を迎える/た頃、周りにトランスを自認する人(人達)がいた
青年期を迎える/た頃、ネットでトランス関係のビデオを沢山みて自分もトランスなのではと思い始めた
全てではないが、同性愛者であることも多い
そしてトランス治療については、
ジェンダークリニックの医療関係者たちは積極的に性転換治療を勧めた
カウンセラーの誰も性違和は本人の気の迷いではないかと疑うようなことは一切いわなかった
異性ホルモン処方の問診は1~2回でそれぞれ30分もなかった
ホルモン治療や手術の合併症や後遺症や副作用に関する十分な説明がなかった。
治療後に後悔して脱トランスしたいと言ったとたんにすべての医療関係者から見放された
私はネットで多くのトランスジェンダー活動家やアライの連中とやり取りをしたが、彼らは常にトランスは性違和を子供のころから持っている。トランスであることは選択ではないので途中で止めることなどできない、周りやネットで感化されるなんてことは断じてない(ROGDなんて存在しない)と主張する。また性転換手術に関してもきちんとしたガイドラインがあるので性違和のない人が誤って手術を受けるなんてことはあり得ないという。だがたった15分から30分の問診一回で診断書が下りるという事実があるのに、何がガイドラインなのだと聞きたい!
私はクリスティーナの訴訟がうまくいくことを願う。そうして彼女と同じようにトランスジェンダリズムに感化されて不必要で危険なトランス治療などをしてしまう少女たちが居なくなることを願う。