子供に”全力プレー”させない指導法を考えてみた
子供たちの全力プレーって良いな!って思う方は多いのではないでしょうか?
でも、”全力プレー”って本当に良いことなのかって考えた方はいらっしゃいますでしょうか?
例えば、大人である我々が日常生活や仕事を全力プレーをモットーに全てこなしていたら、果たして1日もつでしょうか?
仕事の全ての時間を全力プレーでやることを想像したら・・・なんか疲れそうな気がします。
そもそも、今日、あなたは全力プレーしました?
「全力プレーかぁ、そういえばやっていないかも」っていう方、意外と多いのではないでしょうか?
そんな大人が子供を指導するときに言う言葉は・・・
身体が出来上がっていない子供たちに、果たして全てのプレーを全力でやらせてしまっても良いものか・・・
因果関係はわかりませんが、
低学年では輝いていた子たちが、6年生で輝けなかった子たちを間近に感じてわかったこと・・
6年間、その代を受け持った監督は常に「全力でやれ!」と指導したこと。
今の子って、素直な子の方が多い気がしますので、全力でやらないと怒られるってことを知ると、全て全力でやろうとします。
要領が良い子、自分の身体の使い方を知っている子、センスが良い子は、全てのプレーは全力でやっていないなと感じる、いわゆる〝抜いたプレー″を上手に使い分けています。
そんな子たちは意外と指導者受けが良いというか、むしろ上手なプレーだと褒められる場合もあります。
プロ野球選手でさえも”どのプレーも”100%全力でやっていない気がします。
ちなみに「全力でやっていない=怠慢」ということではありません。
一方、”素直な子”は「全力でやれ!」と言われたら、全力でやります、そこまでやる?と思うところも、全力でやります。
皆さん、想像してみてください。
まだ身体ができあがっていない子供たちが、全力で体を動かすことで、頭も心にも余裕がなくなり、教えてもらった正しいフォーム・動き・考え方でプレーができなくなる子がいるのではと思いませんか?
そう、子供たちは無我夢中に「全力プレー」だけをやろうとします。
なぜなら、指導者が「何事も全力でやれ!」と言うから・・・
試合中にそんな声掛けされたら、バッターボックスに入ったら強く振ることしか考えませんよね。
だったら身体が出来上がるまでは70~80%の力でプレーさせる指導はいかがでしょうか。
ケガ予防はもちろん、子供の心と頭と体に”余裕”をもたせてあげられるのではと思っています。
こんな実験を子どもにしてみてください。
バッティングってバットを振る行為以外にも、選球眼、タイミングを合わせる、バットの芯にミートするなど、とにかく様々なことをしています、だから難しいんです。
「全力で振れ!」と監督がそのように指導すると、子供はバットを強く振ることだけしかできません。
バットを70~80%くらいで振らせることで、初めて頭や心や体に余裕ができるので、バットを振る以外の行為を意識的に行うことができます。
理想は、力を抜いた状態でも100%の力で振ったスイングに近づけさせること。
どうやったら、100%で振ったときと同じようなスイングスピードがつくのだろうか・・・
どんなトレーニングすれば力を抜いても100%のようなスイングができるのか・・・
子供たち自身で積極的に考えてくれる機会が増えてくれるのかなと。
そこで、私はこのように声掛けしてみてはどうかなと思っています。
プレーって、”自分なりに精一杯”やるのかどうかが大事だと思います。
身体だけでなく、頭や心も自分なりに精一杯できるか?
このような方法で育成されたら、子供たちは体だけでなく頭にも心にも余裕を持つことが可能かなと、余裕があるからこそ、色々なことを吸収してくれるのではと思っております。
いずれ体が大きくなったときに、100%の力でバッティングすることもできるようになるでしょう。
それまでは、体だけでなく頭や心にも余裕を持たせたプレーをさせてあげたら、いつかきっと、彼らの伸びしろを感じる時が来るのではと思っております。
前述したとおり、因果関係があるのかはわかりませんが・・・