多様性社会で普遍的なもの、それは”記憶の伝承”
NHK番組『NHKアカデミア』で、「現代アート」を通じて世界の多様さを学ぶ意義について、キュレーターとして果たす役割を語ってくれた森美術館館長・国立アートリサーチセンターの初代センター長の片岡真実さん(キュレーター)の言葉からいろいろ学びました。
混沌した世界の中で、より良い世界を作るためにアートが貢献できることは何か?について片岡さんがおっしゃった言葉がとっても印象的でした。
つまり、「世界の多様性を学ぶことや、その中にある普遍性を見つけることは、不確実な世界を生き抜いていく上で重要」ということですが、この言葉を知ってから、国際ニュースを観たのですが、「あっ、こういうことが”普遍的なもの”なのでは?」と思ったものがありましたので今回ボソッと致します。
普段見るニュースから探し出す、
ワクワクドキドキしながらアートから探し出す、
そんな楽しさが増えた瞬間でもありました、なるほどな、自分次第でこうやって人生は豊かになっていくんだなと。
ニュースで見つけた普遍的なもの”記憶の伝承”
多様性の社会において、世界の色々な人たちが一緒に共感してくれること、みんながつながれること、そんな普遍性は何かを考えたとき、私が思う普遍的なものとして・・・
そう思った国際ニュースがありました、「ロシアによるウクライナ侵攻」によって破壊されたウクライナの街で現在、政府や市民によって取り組まれていることが、”記憶の伝承”です。
ウクライナでは現在、「被害受けた文化遺産を記録・デジタルマップに作成」の取り組みが行われています。
ウクライナのデジタルマップ
ウクライナでは、ロシアの戦争犯罪を記録し、その後起訴するために、戦争中に被害を受けた文化遺産のデータを収集し始めたと国際ニュースで報じられていました。
現在、ウクライナでは歴史的建造物などの文化遺産が被害を受けており、破壊される前と、破壊された後の状況を示すデジタルマップの開発を進めております。
ニュース内では、集めたデータはロシアによる戦争犯罪の記録として捜査当局に提出される予定とのことですが、このデジタルマップで集まった記録は、世界の人たちに今回の戦争のむごさを伝えるためにとっても有効であると思っております。
この破壊される前と破壊された後の画像をみるだけで、この戦争がいかに人類にとって悲惨なものなのなのかを伝わってきます。
”戦争の記憶の伝承”は、まさに世界の多様な人たちの心に残る普遍的なものであると考えております。
現代アートの”記憶の伝承”
「世界の多様性を学ぶことや、その中にある普遍性を見つけることは、不確実な世界を生き抜いていく上で重要」
という、キュレーターの片岡さんのメッセージから学んだことで、今後、ニュースだけでなくアートからも多様性を学び、さらに”普遍的なもの”をそこから見つけるという、なにか冒険的でワクワクするような考え方を学びました。
尚、番組内でキュレーターの片岡さんがご紹介してくれた現代アートの作品の中にも、”記憶の伝承”を表現したアートがありましたので、ご紹介させていただきます。
ジャカルタ・ウェイステッド・アーティスト「グラフィック・エクスチェンジ」
『破壊と記憶』ということは、ロシアによるウクライナ侵攻という戦争だけに限った話ではなく、都市開発が進んでいるジャカルタでも起こっていること。
日常の風景が消えゆく風景となる。
その風景は、どこか懐かしさを感じるもの。
この感覚になるのは、世界共通なのではないでしょうか?
世界がひとつになれる普遍的なもの、そのきっかけとなるのが”記憶の伝承”であると考えております。
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