発達障害・学習障害グレーゾーンの子供との野球
色々な個性を持った子供たちがチームにはいます。
その中でも野球を教えていくことが難しいと感じた個性があります。と同時に、野球を特技とする可能性を秘めているのではないかと感じた個性があります。
(言い方が適正かどうかわからないのですがご了承ください)それは、発達障害・学習障害があるのではと思われる子供と一緒にやる野球です。
今回はその中でも最も印象的な子供のお話をボソッとさせていただきたいと思います。
その子は1年生のころからチームに入って野球を続けてきましたが、なかなか“野球”ができませんでした。
団体行動を求められ”野球”において、彼の行動・プレーは特に目立ってしまうため、彼は悪気があるけではない、いたって彼らしい行動をしているにも関わらず、いつも指導者から叱られている状態でした。
改めて申し上げますが、指導者側に愛情が無かったわけではありません。
団体行動において1人でもできなかったりすると結果としてバラバラの行動になるため、他の子供たちを指導する手前、その子だけを甘やかすことはできなかったからです。
しっかりと大人が叱ることであえて子供たち同士でその子を責めることをさせない雰囲気を作りたいという指導者側の意向がありました。
そのような雰囲気がありましたので、逆にその子をサポートしたいという子供たちが育っていく環境があったのは事実です。
ただ、その子の”自己肯定感”を高めてあげることはできませんでした。
その子が高学年となった時期になると、たまにしかその子を観てあげることができなかった私は気づいてあげることができませんでしたが、彼はこの時期、相当悩み苦しんだようです。
高学年となった彼から一切笑顔が消えていましたから・・・(野球以外の場面ではもちろん笑顔はあります)
彼の6年間を振り返ってみると、野球で活躍してみんなから称えられた試合数は1~2試合、そう、6年間で1~2試合・・・
それでも彼は6年間野球をやり続けたことは、誰が何と言おうと彼の偉大なる功績です。
だからこそ、彼が親になったら自分の子供に自慢して欲しい。
卒部式の壇上に立つ彼を見ただけでも、なんかこみあげてくるものが・・・本当に、やばかったです。
でも、彼の自己肯定感は全く育てられなかったことも事実、野球の中で彼の笑顔が消えてしまったことを考えるとチームのサイコロジカル・セーフティという機能はまだまだ未熟なところがあるんだなと実感。
(改めて言い方が適正かどうかわからないのですが・・・)
今までみてきた子供たちの中には、発達障害や学習障害といったグレーゾーンではないかと思う子供たちは結構いるかもしれません。
ここであえて申し上げますと、もしかしたら個性が強い子の方が野球はうまくなるかもしれない、そんな可能性はあると私は信じています。
それでも、今回お話しした彼のような子供でも、団体行動が苦手な子供でも、「野球が好き!」と笑顔で野球をしてくれるチーム環境を作っていかなけれならないなとつくづく実感した、今日のボソッとでした。