財務の話
たぶん22才の時だったか、人生で初めて、自分の意思で財務(ご供養ね)に参加した。ちなみに創価学会の財務は強制ではない。
初めてのことではあるし、金のない貧乏学生でもあったので、一口分一万円を納金した。当時は金融機関での納金ではなく、支部長宅で納金手続きをしてたっけ。
さて、問題は二年目。
一年前の財務は、一口分一万円頑張った。だったら今年は昨年の二倍、二口分二万円に挑戦しようと決意した。さっそく、強盛な祈りも開始した。日々の生活も倹約に努め、お金が少しでも貯まるよう頑張った。
しかしだ、現実は甘くなかったんだよ。いよいよ今週末が納金日という段階になっても、一口分の一万円でさえ手元にはなかった。財布の中身では、今月の生活さえ困窮する状態だった。困った。悩んだ。そして、祈った。どうか二口だけは、やらせてくださいと。ことここに至っても、私は諦めなかった。
それは、納金日を二日後にひかえた金曜日のことだった。
当時、東京は大手町にある某協会でアルバイトをしていたのだが、折しもちょうど、職員の皆さんはボーナスの時期だった。そして、私の直属の上司が、こう言ったのだ。
今年は特別に、アルバイトの皆さんにも寸志が出ます。
その瞬間、ドキっとしたね。まさかこれは、そーゆーことなのか?!私の期待は、否が応でも高まった。
そしていただいた茶封筒。さっそく中を覗くと、あるよあったよ、聖徳太子がちょうど二枚!
その瞬間、「ヤッター!」と叫んだね、わたしゃ(笑)
そして上司も叫ぶ。ジャイアン君、そんなに嬉しいかねと。
ハイ、嬉しいです!と応えた私。
私は無事に、財務の目標を達成できた。それは同時に、功徳の体験ともなった。
これはそんな、ささやかな財務のお話。