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写真集「湖畔の路」を電子書籍で発売しました

 茨城県の石岡から鉾田まで走る鹿島鉄道という路線が以前あった。経営の柱だった百里基地への航空ジェット燃料輸送が無くなり赤字だった旅客輸送だけでは経営が厳しくなり2007年に廃線に。

 この鉄道を初めて訪問したのは1990年代前半。鉾田の街を歩いた後に鹿島鉄道に乗り浜という駅で下車。霞ヶ浦に沿って歩きながら所々で軽く列車を撮った程度だった。

 その次に訪れたのは2000年に入ってから。鹿島鉄道は古い気動車が多くその中のキハ714という車両を撮りに行った。

キハ714。他の車両より大きいこと
から朝の通勤輸送に使われた。

 東京から近いということでその後も年に数回程度撮影に行くことに。撮影の回数が増えたのはキハ714と似た感じのキハ430形の塗装が塗り変えられたこと。1両はクリームと緑。
もう1両はクリームと赤。

キハ430形。普段は1両で運転するがこの日は
キハ714の代わりに朝の通勤輸送に。

 小さな車両がのんびりと走る風景は今の軽快に走る気動車では味わえないものがある。撮影の中心は霞ヶ浦近くの区間。春の水を入れたばかりの水田が光る夕方の時間帯や冬の澄み切った青空(運が良ければ小さいが富士山も見えた)など列車主体でなく風景の中のひとつという形で捉えたものをメインに構成した。
赤字経営ということで車両だけでなく駅などの設備も昭和の鉄道の姿が残っていたがそのこともこの鉄道へ多く脚を運ぶことになった理由のひとつだろう。



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