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助手席


日産90年のラブストーリーを見るのがなつかしくもありエモくもw あり全てを見終わるのが怖かった。 わたしは猛烈な日産信者であり、S130zで免許取得の練習した、いわゆる「走り屋の女」だった。
日産車にはわたしにとってしあわせな未来しかなかった。
新幹線のスピードよりもっと速く走りたい、そしたらあの人のいるあの駅に早く着くからとあの頃そんなイカれたことしか考えてなかった。純愛なんてもう20円の価値もない令和をわたしはいまひとりで生きているというのに。
早くあのひとのフェアレディの助手席に乗り込んで好きな音楽を聴きたかった。あのひとの顔を見たかった、話をしたかった。SILVIA〜130zを乗り継いだあの人はずっとわたしの本命のこの世界でただひとりのひとだった。
日産90年のラブストーリーのラストで彼女は聞く 「どこへいく?」 彼は答える 「どこまでも。」 あのころ繰り返し繰り返し交わしたわたしたちだけの合言葉がいま全世界に向けられている。 号泣した。
わたしたちはもう2度と逢うことはないから。 あのひととならどこへでも行けると思っていた。SILVIAで、130zで、どこへでもふたりで行けると本気で信じていた。それでも

平成も終わりが見え始めたころにわたしは彼の車の助手席を降りた。 恋愛とは不思議なもので、わたしが降りても誰かがまた乗り込むのだ。 わたしが助手席を降りたあのひとの車は日産車ではなかった。
日産の車に乗る恋人たちが幸せであればいいと再び思うにはわたしにはまだ回復の力が必要みたいだ。
追記 眞栄田郷敦って画になる役者さん -- 高速メモ帳から送信

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