「大学生」が主役になる就活を目指したい ~dodaキャンパス事業本部長 兼 dodaキャンパス編集長~
「dodaキャンパス」では、大学2年生(新3年生)が就活の全体スケジュール感や、いつ何をやればよいのかを知ることで、漠然とした不安感を解消し、安心して就活に向き合ってもらうためのオンラインイベント「就活スターター号」前編を2024年2月に開催しました。当イベントの登壇と現在の就活に対する思いを、dodaキャンパス編集長の岡本さんに伺いました。
岡本 信也
dodaキャンパス事業本部長 兼 dodaキャンパス編集長
納得感が低かった私の就職活動
私自身の20年前の就活を振り返ってみると、あまり上手くいっておらず、納得感があったとは言い難いものでした。
そしていま大学生が直面している就活を見ていても、私が経験した頃の就活の仕組みから大きく変わっていません。その課題の1つとして、就活のスタート時期やいつ何をやればよいのかわからないという大学生が多いことが挙げられます。
学生は受験や学校生活を送る上で、大枠のスケジュールが提示され、周囲から一定のフォローを受けてきています。一方で、就活においては明確なスケジュール感が示されることは少なく、結果、いつからスタートすればよいのかわからない、何からはじめればよいのかわからず、気づいたら就活本番期に突入していたという大学生も多数存在しているのです。特に就活が早期化している昨今では、先輩から聞いていたスケジュール感より前倒しになっていることもあります。また、就活においては大学生に一律に情報が与えられるものではないため、学生間での情報格差や準備不足などの結果、納得感のある就活が送れなかった大学生も多々います。
就活スターター号とは
就活オファーサービス「dodaキャンパス」が主催する大学2年生(新3年生)を対象とした「就活最前線を知る」ためのオンラインイベントで、前編(2月開催済み)、後編(4月開催)でそれぞれ2日間開催します。
「就活スターター号」開催の最大の目的は、就活の全体スケジュール感や、いつ何をやればよいのかを知ることで、漠然とした不安感を解消し、安心して就活に向き合える大学生を増やすこと。前編初日トップバッターの私のプログラムでは、以下の4つを中心にお話ししました。
日本の就活を、当事者である「学生」を主役にした構造に変えたい
就活市場においては、他にも多くの課題があります。昨今では、企業はあらゆる手段を使って自社の優位性をアピールし、大学生は語れるガクチカに頭を悩ませるなど、就活の「How」の部分がフォーカスされることも増えており、これらが企業と学生のミスマッチや新卒入社後3年間の離職率の高さの一因になっていることも否めません。
また、企業側が大学生を評価する基準は、大学偏差値や学部学科という部分も残り、学生時代の学びや経験が評価されづらい構造になっています。これは大学生の学びや経験を評価する共通の「ものさし」が存在しないことが原因だと考えますが、このままだと大学生が学ぶことを社会として阻害する要因につながりかねません。
私たちはいまの日本の就活を、当事者である「大学生」を主役にした構造に変えていきたいと思っています。この実現は決して簡単ではないですが、就活は怖い、社会に出たくないと感じる学生を減らし、はたらく意義や意味、自分は何がやりたくて将来どんなキャリアを目指したいのかについて、学生が主体性を持って考えられることができる環境を社会全体でつくっていくことが必要不可欠だと考えています。全ての大学生が就活に必要な情報を低学年期から平等に得られ、自身の学びや経験も評価される状態を実現することで、就活の満足感や納得感は上がり、未来に希望を持って前に進める大学生が増えると信じています。
そして、就活や社会に出て「はたらく」ことは、決して怖いものでも悲観するものではなく、世の中には仕事を楽しんでいる大人がたくさんいることを、これからも伝え続けていきたいと思います。
※掲載内容は取材時点(2024年3月)のものです
取材、文:ベネッセ i-キャリアnote編集部