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【書評】ゼロ・コミッション革命―チャールズ・シュワブの「顧客目線」投資サービス戦略(前編)

ひょんなことからSBI証券の決算発表を見る機会があり、改めてゼロコミ改革(手数料無料化)のインパクトに考えを巡らせた週末。
昔読んだチャールズ・シュワブの本を引っ張り出して読んだので書評として投稿。前編・後編とあるのでまずは前編。

サマリ

証券会社チャールズ・シュワブの創業者であるチャールズ・シュワブの人生とビジネス哲学を描いた1冊。手数料自由化を背景に創業したシュワブは、投資家に向けて安価でシンプルなサービスを提供。彼のビジネスは、テクノロジーの活用と顧客の利便性を最優先に置いた点で革新的であり、証券業界に大きな変革をもたらす。

各章のポイント

人格形成~開業まで

シュワブの人生は多くの困難と挑戦。幼年期に大恐慌を経験し、学生時代は失読症というハンディキャップを乗り越え。彼のビジネス観はこれらの経験から形成され、スタンフォード大学での学びとバイト経験を経て、投資顧問業への情熱が芽生えた。

手数料自由化を機に起業

シュワブは手数料自由化を契機に、投資家に特化した新しいサービスを提供を開始。これには、実店舗ネットワークの整備、24時間対応のコールセンター設置、そして何よりも低コストの手数料設定が含まれてる。これらのサービスは、従来の証券会社とは一線を画すものであり、市場に新しい風を吹き込む。

投信残獲得への取り組み

1986年の株の大暴落後、シュワブは投資信託へのニーズの高まりに注目し、顧客の利便性を高めるために、複数のファンド会社の投信を一つの口座で購入できるようにするなど、新たなサービスを提供。

顧客の課題

顧客にとっての課題は、異なるファンド会社ごとに口座を開設する必要がある点。シュワブは、この利便性の問題を解消するために、「ミューチュアルファンド・マーケットプレイス」を開発し、改善を図る。

シュワブの新サービス

シュワブは投資家の利便性向上のため、投資信託の購入プロセスを大幅に改善。これには、手数料の撤廃とファンド会社からの手数料徴収の導入が含まれており、投資家にとって魅力的な選択肢を提供。

業界の変革

シュワブのこの取り組みは、業界全体に大きな影響を与え、IFA業者がこの新サービスを利用し、投資家に対してより自由度の高い資産アドバイスが可能となる。これにより、従来のファンド会社が持っていた販売チャネルの主導権は、証券会社に移ることになる。

心に残ったメモ

  1. 手数料自由化の先駆者: 伝統を打破するビジネスモデルの確立。

  2. 投資家中心のサービス: 顧客の利便性を最優先。

  3. テクノロジーの活用: 業務効率化への積極的な取り組み。

  4. 市場未知のリスクへの挑戦: 未開拓市場への進出。

  5. ビジネスモデルの革新: 証券業界に新風を吹き込む。

  6. 投資信託市場への進出: 新たなビジネスチャンスの探求。

  7. 顧客の課題解決: 複数口座の煩雑さを解消。

  8. サービスの再設計: 利便性とコストのバランスを重視。

  9. 業界のパラダイムシフト: 証券業界の構造変化への対応。

  10. ビジネス拡大のための革新: 既存のビジネスフレームを超えた思考。


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