【書評】ゼロ・コミッション革命―チャールズ・シュワブの「顧客目線」投資サービス戦略(後編)
ひょんなことからSBI証券の決算発表を見る機会があり、改めてゼロコミ改革(手数料無料化)のインパクトに考えを巡らせた週末。
昔読んだチャールズ・シュワブの本を引っ張り出して読んだので書評として投稿。前編を投稿したので後編。
これは読めば読むほど、日本のネット証券会社がこれから辿る道(辿っている)が見える1冊。
サマリ
この書籍の後編では、チャールズ・シュワブ社が1996年からインターネット取引に進出し、その後の経営悪化を乗り越える過程を詳細に追っています。創業者のCEO復帰、コスト構造の見直し、サービスと意思決定の簡素化、そして収益分散の実施など、会社が直面した困難と、それに対する革新的な対応策が描かれており、2017年時点で、シュワブは総合的なリテール金融サービス機関としての地位を確固たるものにしています。
各章のポイント
インターネット取引の導入(1996年~)
シュワブは1996年にインターネット取引を導入。これまでの電話による取引から、コンピュータ自動化を経て、最終的にはインターネットという新たな取引方法へと移行。当初は顧客のPC操作への不慣れから問い合わせが増えたものの、長期的には取引量と預り資産の増加に成功。
インターネットバブル崩壊(2000年~)
2000年代初頭のインターネットバブル崩壊により、シュワブは大幅な取引量の減少に直面。これに対応するため、従業員の削減やコストカット、新たな銀行サービスの設立など、収益分散への取り組みを実施。
組織改革/経営改革(2004年~2006年)
経営危機を乗り越えるため、創業者チャールズ・シュワブがCEOに復帰し、組織と運営のスリム化、コスト削減、マーケティング改革などを実施。これにより、2006年頃には売上や収益が改革前の水準に回復しました。
直近の取り組み(2009-2017)
シュワブは顧客の利便性を高める総合的なリテール金融サービス提供を継続。安価なネット手数料(最終的には手数料ゼロ)、銀行預金サービス(比較的高金利な預金サービスが受けられる)、資産アドバイスサービス(各支店ネットワークの構築、ロボアドを使用したアドバイスサービス)などを通じて、投資家に幅広い選択肢を提供。
心に残ったメモ
インターネット取引の導入: 革新的な取引手段への移行。
バブル崩壊後の対応: 危機管理と経営の柔軟性。
経営改革の必要性: 創業者のリーダーシップと革新。
コスト構造の見直し: 効率化とリソースの最適化。
サービスの多様化: 顧客ニーズへの応答と新たなビジネスチャンス。
マーケティング戦略: ブランディングと顧客関係の強化。
テクノロジーの活用: 業務効率化とサービス改善。
顧客中心のサービス: 顧客体験の向上とサービスの品質保証。
経営戦略の進化: 常に変化する市場環境への適応。
競争力の維持: 業界の変動に強いビジネスモデルの構築。