11歳シーズー 闘病備忘録④
地元で信頼が厚く、待ち時間も長く、いつも患犬で盛況なかかりつけ獣医。ただし、事務処理が甘く、ホウレンソウもなっておらず、同じことを何度も説明しなくてはいけない場面があったり、出されるはずの薬が出されていなかったり、「次回予約をこの日にお願いします」という指示をしておきながら、該当日は定休日。
多忙なのはわかるけれど、事務すらまともにできず、後日「血液とエコーの検査代金が足りてないので次回もってきて」というルーズさ。
助手さん達の中には親切で優しくて、対応の良い方もいらっしゃるけれど、事務的な不手際が多すぎて、ただでさえ病気の犬を抱えてストレスなのに、病院に対してもストレスが膨らむ。
獣医さんも、懸命に抗がん剤の種類を説明してくださるけれど、薬剤名を説明されても素人にはさっぱりだ。
そしていつまでもキャッシュレスが導入されないのも、これまたストレス(カード決済大好き人間)
せめてペイペイだけでも導入してくれたら、私も嫌だけどペイペイインストールしますよ。
4月末の抗がん剤の翌日。
愛犬は心臓が原因と思われる発作を起こし、いつどうなってもおかしくないほどの容態と見受けられ、連絡を受けた元の飼い主である妹が「あとはこっちで看取る」と言い出す。
さんざん通院させてきた私としては、身勝手な物言いだと憤慨した。さらに妹の、血も涙もない一言が
「こっちのほうが、火葬場が近いから連れてきて」
まだ生きてるよ。
まだ、死んでないよ。
悲しくて悔しくて泣いた。
病気が判明してからの間、何度泣いたか分からない。コロナと愛犬によるストレス過多で、現実逃避しまくって、ふた月は、びっくりするほど足早に過ぎていった。
その後も、妹は「犬が入るサイズの段ボールを用意していない」などという言葉で、私の神経を逆撫でし続ける。
妹が癌になればよかったのに、とは言わない。
それでも、この恨みは一生忘れない。