転機 | 2023-01-17
2023年になってしまいました。2023年というと1900年代生まれの身としてはずっと先の未来のことだとばかり思っておりましたが、なってみると案外進歩のないというか、思い描いていたような自動化の進んだ世界ではないということを実感いたします。いまだに長文を書くときにはインターフェイスはマウスとキーボードですし、脳の中身を直接垂れ流しているのはTwitter位のものです。そういえばTwitterにお金を払って認証マークを入手したのでキノコの発信にも公式性を期待されてしまうかもしれないと思うとドキドキしますね。さておき、転職の際にもいまだに履歴書を職務経歴書を添付くださいみたいなやり取りをしているありさまです。もっと個人データベースを参照して、犯罪は犯しそうにないからOKみたいな世界になっているはずではなかったでしょうか。スマートフォンが世界を変えたと言っても、まあ確かに動画や写真が溢れかえる世界にはなったかもしれませんが、それはやはり2023年という響きが期待されていたような未来ではないような気がいたします。
ここ3年ほどはコロナウイルスにウクライナ戦争と世界が混乱と恐慌に陥っているわけでして、そんな中で仕事の仕方も変わり、1年間に一度も出社していないなどという人もいる時代になりました。そこは若干未来の世界の端緒だったのかもしれません。とはいえ、日本の商習慣や慣例からもう間もなく出社の世界に戻るのではないかという気もします。オンラインだけで話がまとまるほど人間は資料に思考を落とし込むのは上手くないですし、身振りや手振りや顔色とニュアンスを掴むのはやはりオンラインでは難しいのが現状です。本来であればそういったニュアンスを読み解かなくても済むように変化していくのが筋なのでしょうが、まあ今は過渡期なのでしょう。なんだかずっと今は過渡期と言っている気もしますが、完成した世界というものがないのでずっと過渡期なのは仕方のないことです。完成した世界というのがもしあるとすればそれは人類の死滅した後に訪れる平安でしょうし、そうなれば我々生きている人類にとっては訪れてはならないものなわけです。なかなか難しいですね。
ここから先は
¥ 100
九段下・Biblioteque de KINOKOはみなさんのご支援で成り立っているわけではなく、私たちの血のにじむような労働によってその費用がまかなわれています。サポートをよろしくお願いいたします。