コンバージョン | 2022-04-15
どのような属性が社会においてマイノリティになるのか、というのは時代や環境の影響ももちろんありつつも、人類の比較的短い歴史においては割と固定的なようです。昨今その存在が話題になっているLGBTQ+というのもまた、マイノリティとしての歴史を持っていると言われています。生まれながらにマイノリティとしての志向を持っている人もいれば、後天的にそうなる人もいるようですし、ある日気づく場合もあるということです。心理学などでよく言われるように、自分のことは自分が一番良く知っているというわけではない、ということは性的志向にも言えるのかもしれません。
マイノリティ故の不利益というものがそこかしこにあることは様々な社会科学的研究によって明らかにされてきていますが、そうした不利益を解消しつつ、正義や平等や公平というものがどこを目指して進んでいくべきなのかというのは社会的に合意が形成されていくべきものでありましょう。社会的な合意形成というものがどの程度難しい試みなのかというのは人類史を顧みれば容易に分かることではありますが、統治というものは統治されるものの合意なくしては成り立たないものです。
SDG'sの目標の一つにもなっているジェンダー平等というのもまた、平等とは、ジェンダーとは、といった定義についてまず確認せねばなりませんし、2030年という達成タイミングまでに教育なり啓蒙なりを通して実現していかなければならないわけです。実際できるのでしょうか、というのは昨今のSNSでの議論を見ていても不安しかありません。少なくとも、現時点で不利益を被っていたり、明らかに不平等だろうという状況があることを周知していかねばならないでしょうし、目線を揃えるということが重要な局面なのではないかと思われます。
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