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物語の途中から|2023−12−31

今回は、うでパスタが書く。

本当に、ひとの言うことというのは代わり映えがしなくて、今年はだいたい多くの同年代が「年末実家へ持ち帰るが読めない本の量」について話している。それに加えて私はさらに実家近くのスーパーで未読の本を買ってしまったが、おそらくこれもみな同じことをしているのだろう。
時の流れは平等で、ときに残酷だという人もいるが、それは即ちみな同じように歳をとるということだ。恥ずかしがったりせず、よく話しあいながら進めていきたい。

歳をとると本を読めなくなることの言い訳に集中力の低下が挙げられる。生理的な原因と心理的なそれがあるだろう。心理的な要因とは、それは焦燥である。私たちに残された時間はいまこの瞬間にも刻々とみじかくなっていく。一冊の本を読み終えたとき、一秒は読み始めたときの一秒よりも貴重なものとなっているだろう。読み始めたとき「価値がある」と思って手に取ったこの本は果たして、読み終えたときにも同じだけの価値を持っているだろうか?

「リンカーン・ハイウェイ」は、一九五四年のアメリカで、一〇日間をともに過ごす三人の少年と、それを取り巻き影響を受け、かつ与えるひとびとの姿を描く、いわゆるロード・ノヴェルだ。しかし特殊な点は、彼らの道のりが目的地のサンフランシスコを目指して進むのではなく、むしろその逆へ、東へ、ニューヨークへと、つまりマイナスへ、マイナスへと進んでいきやがてその初めよりも遙かに目的地から離れたところで蝋燭の火をフッとつまむように終わってしまうということだ。これを「ロード・ノヴェル」と呼ぶのがおかしければ、どう呼べばいいかは物語のなかで語られている。

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