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四季、二十四節気、七十二候 | daily

日本には四季があった。そして、季節の移ろいを愉しむために、二十四節気七十二候という区分もあった。あった、と過去形になってしまうのは、ある種の区分というものは変化するからだ。今はもう、二十四節気七十二候ができた頃とは周期が違うし、そもそも暦が違う。
暦というのは古くに発明されたアイディアだけれども、それは繰り返される自然の移ろいを記述するために作り出されたものであったが、いつの間にか暦の上では、という表現が定着する程度には形骸化してしまった。全てはこの社会を動かすシステムのせいだ。暦や時間というものが、季節や気候変動に合わせて変わるものではなく、人間たちの感覚とは無関係に刻まれるなにかに成り果ててしまった。

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