ヘンデルのメサイア:アーメン・コーラス
アーメンの意味
最近、メサイアのアーメン・コーラスを聞きながら、アーメンという言葉は、たった一言なのになんと力強い信仰の表明なのだろうと考えていました。
アーメンは、「まことに、真実に、確かに」という意味のヘブル語から来ています。
祈りや賛美、説教などで使われる際は、「まことにそうでありますように」「この言葉は真実です」「今言われたことに同意します」という意味になります。
アーメンである方
福音書には、イエスが最初に「アーメン」と言ってから何かを告げている箇所がたくさんありますが、それは、「これから話すことは真実であり、重要なことだ」と強調するためです。
日本語の聖書では、「まことに」「よく」「はっきり」などと訳されています。
特にヨハネの福音書では、常に2回繰り返されて「アーメン、アーメン」と強調されており、日本語でも「まことに、まことに」「よくよく」などと訳されています。
イエスは真実な方であり、真実だけを語り、証しされたので、「アーメンである方、確かで真実な証人」と呼ばれています。(黙示録3:14 新改訳2017)
神も同様に「アーメンの神」と呼ばれ、それが日本語では「真実の神」「まことの神」と訳されています。(イザヤ65:16)
ヘンデル作曲のメサイア
さて、メサイアですが、昨年の『メサイア:悲しみの人で、病を知っていた』という記事から少し引用します:
その中で、イエスが「世の罪を取り除く神の小羊」や「ほふられた小羊」と呼ばれているのは、エジプトでのかつての奴隷状態からの解放を記念するためや、犯した罪を赦されるために、いけにえの小羊がささげられていたことからきています。
たとえば、第2部は、洗礼者ヨハネが語った、「見よ、世の罪を取り除く神の小羊」という言葉で始まり、有名なハレルヤ・コーラスで終わります。
そして第3部の終わりには、私たちに救いと永遠の命をもたらすために「ほふられた小羊」となられたメシアと神をたたえる歌が歌われます。
メサイアで引用された数多くの聖書の言葉にあるように、神はメシアを遣わすという約束を違えることがなかった真実の神(アーメンの神)であり、イエスはその約束を成就された真実の方(アーメンである方)なので、このような賛美を受けるにふさわしいのです。
アーメン・コーラス
賛美の言葉が終わると、合唱団は「まことにそうなりますように」「この言葉は真実です」「そうなるように信じます」という思いを込めて、幾度も繰り返し「アーメン」と歌っていき、この壮大なオラトリオが締めくくられます。
目を閉じてそのコーラスに耳を傾けていると、私の口からも、ふと「アーメン」という言葉が出てきました。
それは、儀式的な言葉ではなく、イエス・キリストが神の約束をことごとく成就してくださり、真実の愛で私を愛してくださっているという驚くべき恵みを想うことで生まれた自然な反応です。
私たちが心からアーメンという時、神はその短い一言の中に、私たちの感謝と賛美と信仰と献身の思いを見てくださいます。
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メサイアを聞きたい方には、日本語字幕で聖書の言葉が表示される、こちらの動画をおすすめします: