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人の記憶、神の記憶(3)

愛情深い神の記憶

神は人間と違い、すべてのことを完全に余すところなく覚えておられますーー私たちのした良いことも、悪いことも、すべて。

私たちにそんな記憶があるなら、誰かとぶつかるたびに、その人が昔した「悪いこと」だけを思い起こし、相手を責める材料としてしまうかもしれません。

でも、神の記憶には、常に愛が伴っています。(詩篇103は口語訳から、その他は新改訳2017からの引用です。)

まず、神は私たちの愛や善行を忘れたりされません。

神は不公平な方ではありませんから、あなたがたの働きや愛を忘れたりなさいません。(ヘブル6:10)

また、私たちの弱さを覚えていて、思いやってくださいます。

父がその子供をあわれむように、主はおのれを恐れる者をあわれまれる。主はわれらの造られたさまを知り、われらのちりであることを覚えていられるからである。(詩篇103:13-14)

もう一つ大切なのは、私たちとの約束をいつも覚えておられるということです。

主はご自分の契約をとこしえに覚えておられる。(詩篇105:8)

契約とは、神と人との間の約束ですが、残念なことに、人間はこの契約をよく忘れ、一方的に破ってきました。

そこで、私たちの弱さを知っている神は、新しい契約を立てられたのです。

彼らはわたしの契約を破った。わたしは・・新しい契約を結ぶ。(エレミヤ31:32,31)

この新しい契約の大切な部分が、これです。

わたしが彼らの不義を赦し、もはや彼らの罪を思い起こさない・・。(エレミヤ31:34)

神は私たちの罪や過ちを完全に赦し、もう思い起こさないというのです。

この契約は、ヘブル8章で引用され、さらに9-10章で説明されているように、契約の仲介者イエスが十字架で死なれたことで効力が生じました。

イエスが私たちの罪を身代わりとなって負われたので、それを信じるなら、神は私たちの罪を赦し、それをもはや思い起こされません。

私たちも人間関係において、相手の愛と善行を覚えて感謝し、弱さを覚えて思いやり、過ちを赦して思い起こさないようにするなら、その関係はどれほど素晴らしいものとなることでしょう。

記憶は、それをどのように使うかが大切なのです。

(『人の記憶、神の記憶』完)


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