ドラマ教育で大切にしている一歩
ドラマ教育では子どもたちの創造性を大切にしています。創造性が成長するための最初の一歩として大事な一歩としてクリエイティブ・マインドセットを大事にしています。
クリエイティブマインドって何って疑問に思う方もいると思うので、今日は「クリエイティブ・マインドセット」という本を通じて、び場のドラマ教育で大切にしていることを紹介してみます。
◆書評:クリエイティブ・マインドセット
https://jmatsuzaki.com/archives/15307
ビジネスの世界で「創造性を学ぶ、トレーニングする」といった際によく候補に挙がる教育機関の最高峰の1つとしてスタンフォード大学のdスクールがあります。
そのdスクールはIDEOという世界最高峰のデザイン会社のトップであるケリー兄弟によって設立されました。dスクールは「すべての人はもともとクリエイティブであり、失ったと感じる人も取り戻すことができる」という信念のもと運営されています。
そこではデザイン思考という方法論とクリエイティブ・マインドセットの2つを重点的に教えられます。
クリエイティブマインドセットとは、自分の創造性への自信です。つまり、誰かに比べて創造性が高いから自信があるのではなく、自分は「何かを成し遂げられる」、「自分は周りを変えることができる」といった自己効力感に近いマインドセットです。
◆面白い調査
世界5カ国の5000人を対象とした最近の調査によると、日本以外の国の回答者たちは、日本が世界でいちばんクリエイティブな国だと答えました。ところが、日本がもっともクリエイティブだと回答した人の割合は、なんと日本人がいちばん低かったのです。
経験上に海外の人とアイデア出しをする前に雑談がてら"Are you creative?"と聞くと"Of course"と答えるパターンが多い気がします。(実際は謙遜する日本人メンバーのほうが多くアイデアを出したりするのですが・・)
◆び場で創造性を高めるためのアプローチ
この本でも創造性を高めるためのポイントとして、以下のポイントが挙げられています。
1.他人へ共感する力が創造性の源である
2.創造性は自分が創造的であると信じるところから生まれる
3.創造性は実験の量によって培われる
4.とにかくプロトタイプを作ってみる
5.創造性を発揮できるチームを持つ
6.創造性をスムーズに発揮できるメソッドを使う
特に、即興で創作活動を行うドラマ教育は上記のポイントとのフィット感が高いという手ごたえがあります。
だからこそ、ドラマ教育の創造性について最初のポイントは、自分が楽しい面白いとおもったものに自信を持てるかだと思っています。そこに自信があれば実験を繰り返しながら他の人が見ても面白いと思うものを作っていくことができます。
なのでび場のドラマ教育で最初に大切にすることは、いかにこのクリエイティブ・マインドセットを育むかに注力をしています。
そのために、子どもたちには「すごいアイデアじゃなくて、自分が好きなアイデアを表現して」「自信を持ててよかったよ」といった声掛けをしています。ただし逆説的ではありますが、 自分が楽しい面白いとおもったものに自信を持 つためにはある程度共感性に自信もないと難しいのかなとも思うので、子ども同士での振り返りも大事にしています。