インキンタムシとグリテールの思い出
小学生の時、手の人差し指と中指の股から第一関節ぐらいまでにかけて大きな赤茶の皮膚病ができた。
皮膚病の部分は少し他の部分より盛り上がっていて、恐竜の皮膚のように硬くカサカサしていた。
元々は小さなブツブツだったものが、かきむしったり紫外線を浴びたりするうちにそんな姿に変貌してしまったのだ。
当時かかった小児科医から告げられた病名は「タムシ」。そう、あのインキンタムシのタムシだ。
インキンにのみできるのではないのか?と母は不思議がっていたが、とりあえず処方された塗り薬を塗ることになった。
これでやっとこのカサカサの指とこの途方もない痒みの日々から解放される!と思ったのも束の間…、薬を塗られた指が臭い!!!塗り薬が臭すぎる薬だったのだ!
今でもよく覚えているその臭い。まるでタバコの吸い殻のような焼けこげたようななんとも言えないくさい臭い。
寝る前にその薬を塗ると、臭いで寝付けずとても苦しい思いをする。毎晩塗りたくないと泣いた記憶がある。
大人になり、あの薬が気になって調べたところ、「グリテール」という湿疹の薬だということが分かった。
忌まわしきグリテール…。
なお、最近股間の横に昔見たような赤茶のカサカサができてしまい、「むむ!こいつはかのタムシとの再会か!?」と不安に駆られて病院に行ったところ、すぐに検査をしてもらうことができ、タムシではないということが分かった。
ただのかぶれとの診断。
こうなってくると、小学生のときのタムシの診断が非常に怪しく思えてくる…。検査をした記憶もなければ、見て早々にタムシと断言された気がするし、そもそも処方された臭い臭いグリテールはタムシの薬ではなく湿疹の薬だったし。怪しすぎる…!
また、現在私の股に処方されている薬はまったく臭くない神のような湿疹の薬。
なぜ小学生にあのくさーいグリテールを処方する必要があったのか?色々と謎が多い事件。
今はあまり処方される人もいないようだけれど、グリテールにだけは手を出してはいけないと伝えたい。
絶対にグリテールを処方されても受け入れてはいけない。他の薬に変えてもらってください!後悔するぞ!!