分断なんてなまっちょろい。

「分断を煽るな!」というリベラルも、それをせせら笑うアンチリベラルなソフィストも、全くわかっていない実情

先月のネタだが、某スープストックで大炎上して、またゲンロンスマッシュブラザーズが開催されたようですね。

自分はその大火災を眺めながら、「あー、アホらし」と思わずにいられませんでした。彼ら彼女らの見ている世界の狭さにも。

本質的には鎮火しては燃えるを繰り返すサイゼリヤを巡る騒動と大して変わりません。都市部の人間同士が、お互いのわかる記号化された施設を巡り、ひたすらマウンティング行為をしているだけなんですから。

スープストックどころかサイゼリヤもない地方の在住者からすれば完全に置いてけぼり。というかむしろ置いてけぼりにして欲しいくらいです。
少なくとも、自分からはそうとしか見えませんでしたね。


「地方で子育て」なんてするもんじゃない、という明確な解答

自分はここで相当過激な、作為的か不作為かに関わらず、ゲンロンスマッシュブラザーズで遊んでいる一部の人間による不都合な企みを指摘した。

[抜粋その1]
「子育て環境が整っている地方で子育てしよう」なんて煽る意見もありますが、子供の将来を考えるならば、絶対に言う事は聞いてはいけません。

何故なら、比較的所得の低い地方で生まれ育った子供は、比較的所得の高い都市部で生まれ育った子供と比べて、一世代では覆しようのないレベルのハンディキャップを背負うからです。
親の学歴と所得はそのままその子に遺伝する。親が裕福なら子も裕福、貧乏なら子も貧乏。そけだけではなく、親が貧乏だと子は結婚もできなくなる。

さらに言うと、『多様性』に出身地域・社会階層・学歴は含まれません。

繰り返します。

『多様性』に出身地域・社会階層・学歴は含まれません。

[抜粋その2]
では何故、政府から財界から言論人まで総動員して「地方で子育て」の大合唱であり、今頃になって未曾有の少子化対策を打ち出したのか。

それは、使い潰せる日本人低賃金エッセンシャルワーカーの絶対数の不足が露見しており、そこに低学歴に押し込めやすい地方出身者をあてがいたいからだ。

日本人低賃金エッセンシャルワーカーの養成、というより養殖に近い考えが見え隠れするの、醜悪を通り越して「ねぇそれなんてディストピアなんですか?」と問い掛けたくもなります。

実際に、正直な数字が出ている。
そして、これが「答え合わせ」である。

子育て世代の日本人の多くは、薄々ながら気付いている。

子供は既に贅沢品でしかなく、その贅沢品を持てるだけの経済的余裕のある職場はほぼ大都市圏に集中している。例え大都市圏は人口再生産性が低いと批判されようが、贅沢品を持てるだけの経済的余力は既に地方には存在しなくなりつつある、という事実を。

その事実を無視して、「地方で子育て」を煽る側の面の皮の厚さはむしろ称賛すべきであろう。


スープストックやサイゼリヤや子育てで『論争できる贅沢』

上の2つの話は、直接的にはなんの関係もありません。
強いて上げるとするならば、スープストックのこれからの主要顧客層は都市部の子育て世代になるんだろうなーくらいの感覚です。

ただ、スープストックもサイゼリヤも既に存在するモノだと定義してネタにして論争できるって、思いっきり贅沢な話ですよ。

スープストックもサイゼリヤも存在しない地方の人間は完全に外野なんですよ、彼ら彼女らは真剣でしょうが、真剣になればなる程、疎外感が募る。
文脈を理解できない以前に、文脈から完全に排除されているのです。
穿った見方をすれば、『論争できる贅沢』を堪能している方々は賛成派反対派に関わらず、地方在住者を不可視化している。

ましてや、スープストックから排除されようとしている人々を嘲笑いながら、同じ口で「不可視化した人々にも目を向けよ」なんて言っているのを見ると、どの口で言っているのだろうか?という疑念が湧いてきます。

不可視化した人を選別するんですかね?
それじゃあ、貴方が日々揶揄している自称リベラルな方々と変わらないのでは?と思ってしまいます。

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