見出し画像

Jean Paul GAULTIER

birthday Blueから当日は想定外の最悪の事態が発生し、
生まれて初めて誕生日という日を悲しく辛い日にした私ですが、
それでも前を向いて歩いていかなければならないと気負ってた気持ちが
ふと軽くなった。
なぜかというと・・・人は不思議なもので、好きな人に1ミリでも期待をしてもいいようなそぶりのことを言われるとワクワクしたりそわそわしたりするじゃない?私、去年のクリスマスにそれを見事にぶっ壊されたんで、もう何を言われても期待をしないことにしたわけ。宇宙人のことですね、はい。サプライズを絶対用意するとかなんとか言っといてまぁ当然のことながら何もしなかったので。そうしたらなんかもうどうでも良くなって、私らしさを取り戻すことに専念すべきだとちょっと達観したのね、これマジな話。

で、今日が5月の最後の日な訳ですけれども、私のお友達がTwitterでmatineeのジャンポールゴルチエファッションフリークショーに来た!ってUPしてたわけ。それをまた別のお友達が やだ!あたしもこれからなの!って呟いてて。(二人ともおゲイ)それ見て、いいなぁ・・・あたしも行こうかなぁって急に思い立って、チケット買えちゃったので夜の公演に行ってきたというわけ。

で、なんでいかなかったのかというと、まず、チケットが高いw
それから気分がずっと乗らなかったので行く気にならなかったの。
なんだけど、Twitterのその二人のやり取りと開き直ってる私の心がお告げのように行くべきだと背中を押したのね。
で、さぁいざ出陣ってことで私何をしたかというと・・・。
30年前の麻のジャケット、25年前のドラゴンシリーズの鞄、財布、ポーチ、JPGのアクセサリを身に纏いいざシアターオーブへ。

正気なところ、 マジで行ってよかった。
私が初めてゴルチエ先生のお洋服に出会ったのはゴルチエ先生がオンワードとスティリスト契約むすんでジュニアゴルチエとかJPGとか含み色々展開し、伊勢丹で売ってた真っ赤なロングセーターを小学校5年生の時に買ったのが始まり。
今でも大事に持ってるし着てるけどねそのセーター。そこから本当にお小遣いを貯めてはゴルチエ先生のお洋服を少しずつ買い足して行った。
鞄、靴、財布、ポーチ、指輪、サングラス、買えるものはとにかく揃えたくてとにかく大人になったらゴルチエのスーツが似合うかっこいいおねーさんになるんだ!って思ってた。
では、なぜそんなにゴルチエが好きなのか。
ゴルチエ先生から私は多くのことを学んだ。それはファッションだけじゃない、個性、自由、偏見、人種、性別など。
美しさとは何か、個性とは何か、自由とは何か、偏見とは何か、そして性別の垣根とは何か、そういうものを10代の時からジャンポールゴルチエから学んだのだ。そのおかげで17歳にしてドラァグクイーンやデパートのコスメ売り場にいるゲイの外人になんら抵抗なく接することのできる奇特な日本人が形成された、そうそれが私だ。
今日のショーはゴルチエ先生の幼少期からトップデザイナーとして躍進していく激動を描いた自叙伝エンタテインメントであり、話が進んでいくと同時に私の心の中で忘れかけていたものが沸々と蘇ってくるようだった。多感な10代に感じたあの時のインスピレーションや強さ、たくましさ、むき出しの個性と輝こうともがいていた頃のバイタリティ。
忘れてたよ本当に。すごく大事なものだったはず。
私は一人を楽しめる人間だし、自分らしさを失っては絶対にいけない。
私は私だと言い切れる、それが私の強さだったはず。
ジャンポールゴルチエから私が学び得たものがシアターオーブの板の上にあった。

ありがとうゴルチエ先生。一生ついていきますマジで。そして長生きしてね。