父から逃げたわたしの備忘録3

その当時、弟は新しく高校生になった頃だった。

弟の通う高校はいわゆる"明るい生徒"が多い学校で、弟はうまく馴染めなかった。

数ヵ月して、弟は高校へ行かなくなった。

母はせっかく自分の子どもが不登校になったことが少々気にくわなかったのだろう。

どうして行かないの?

せっかくお金を払ったのに。

(話をしてくれないと)理由が分からなくて困る。

と毎朝弟を学校に行かせることに必死だった。

父が出張から帰ってくるたび母は、父からも何か言ってくれないか?話を聞いてあげてくれないか?と相談していた。

父も親なのだから、どうするべきか母と一緒に考えるべき所なのだが、自分が帰って来てもその話ばかり、めんどくさい、いらいらする、俺の家なんだからゆっくりさせろ、と弟の話をするたびに腹を立てた。

そして、ある日、耐えかねて父は弟に酷く手を出した。

これ以前にも酷い暴行は何度かあったが、今回はそれ以上に酷く、母が止めに入っても止まらなかった。

そして、弟は家出をした。

わたしは大学で母から「弟が家出をした」と連絡を受けた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?