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モハメッドの宝が眠るマダガスカル

真っ赤な土に見渡す限りの大地。始まりの大地アフリカを見てみたいと思ったのはもう何年も
前のことであろう。なかなかきっかけがなく今日まできてしまった。

スパイスのことを知れば知るほど東南アジア、インド、アフリカのことはいつだって気になって いた。クローブ、ペッパーにバニラ、スパイスが豊富な国が多い。そしてそれを用いた様々な料理がある。モロッコの料理、エチオピア、南アフリカにナイジェリア。インドの人々やフランスの人々が多く住んでいたところも気になる。あれよこれよと月日が経ってしまったが、ある時SNSを眺めていたら学生時代の友人がドローンで空撮した素敵な映像をあげていた。透き通るような海。赤い土に生えているみたことがない植物たち。空の広さが小さく見えてしまうような大地感 にまたふつふつとアフリカに行きたい気持ちが溢れてきた。久しぶりだったこともあり、彼にメー ルを送ってみることにした。そこからは話が早かった。
友人もちょうど日本に来る計画を立てていることだったり、彼の親戚がバニラを中心としたスパイス農園を経営していたりするとのことで春に決めた計画は秋には実行されることになった。
友人はアフリカの南東に浮かぶ大きな島国「マダガスカル」の出身である。名前だけを知っているだけでそのほかはまるで知識がないマダガスカル。好奇心とそこにある食べ物や文化を生で感じてみることだけが目的で行ってみることにした。
忙しさにかまけていた。気が付いたらエチオピア航空の中、空の上をアフリカに向かって飛んでいたような感じである。乗り継ぎも入れた移動時間はおよそ丸一日の24時間。アディスアベバで乗り換え、マダガスカルはアンタナポリボに到着した。背が高い友人はすぐに見つかり彼が運転してホテルへと向かった。行きがてら中国の人たちが建設した道路を通った。道沿いにはバオバブの小さな木が植えられていた。最高な季節だと友人が言う。素敵な紫色の花を咲かすジャガランガが各地で咲き誇っていた。乾季が終わり季節が春に移ろうとしている10月がマダガスカル 最高の季節なのだとか。
ホテルに向かう道中、マダガスカルというのはモハメドアスカルというのが語源だとおそわっ。かつてやってきたアラブの人たちが教祖モハメッドの宝が眠る場所と名付けたのを、その名前を旅先 で聞いたマルコポーロが東方見聞録に「マダガスカル」と書いたのがそのままになったのだとか。  ユーラシア大陸、アフリカ大陸などが分裂する前の地球にあった広大な1つの大陸の真ん中にあったと言われるマダガスカル。
アフリカ、アラブ、インド、東南アジア、イギリス、フランスを大きな影響を受けながら育まれ たかつて世界の中心にあった場所はどんなところなんだろう。
スパイスをめぐるマダガスカルの旅は始まったばかりである。

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