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フリンジビジネス

定期的に料理教室を開催している所の息子さんが自転車に乗って日本横断の旅に出たそうである。春休み、ゴールデンウィークなどの長期休暇を利用して鹿児島の方から北上しているそうである。



月に一度の料理教室の度に進捗を聞くのが一つの楽しみになっている。ある日の料理教室の帰り道、電車に揺られながら、ふと、自転車で旅をするのであればどこに行きたいだろう。と考えてみた。インドも面白そうだが、暑いし、なんだか大変そうである。アメリカなども良いが、景色が変わらなさそうである。スコットランドは良さそうだなぁ。スコットランドは気候も良さそうだし、なんだか自転車が似合うような気がする。澄んだ空気、美しい自然、美味しいウィスキーなんてのもある。



スコットランドのエディンバラで毎年夏に開催されていると言われている芸術やコメディの祭典「フリンジフェスティバル」にも行ってみたいし、「Kedgeree」と呼ばれるインドの米と豆の料理「khichari」が元の料理もあるのでそれも食べてみたい。



インドのキチャディは米、豆、野菜などが一緒に煮込まれ、比較的優しいスパイスで風味付けされたものである。インドがイギリスにより植民地支配されていた時期にイギリスの人々が気に入り、のちにスコットランドの人がレシピを持って帰り、バターや生クリーム、パセリ、ゆで卵に魚のタラなどを加え独特な「Kedgeree」を作り、それがスコットランドの朝食として根付いていったそうである。1700年代にはレシピ本などで紹介されていることからもしかしたら、イギリスが世界に広めたカレーよりも先に定着したのかもしれない。



インドからイギリスに渡り、世界に広がった「カレー」と同じようにキチャディも伝わって根付いた感じがどこかスコットランドのフリンジフェスティバルの発祥とリンクしているような気がする。フリンジフェスティバルも元々は国王主催の芸術祭が開催され、出演者も決まっていたが、それに選ばれなかった芸術家たちや、コメディアンなどがフリンジ(へり、周辺にあるものの意)で勝手に開催した芸術祭が発端なのだとか。それが次第に大きくなり、現在に至るのだとか。



どこの世界もフリンジは面白い。



我々のスパイスを伝えながら販売する商売もフリンジである。



大きな会社が道を作り、我々はそのフリンジでスパイスの商売を小さくやっている。



楽しく、面白く、興味深く、深く、美味しく。フリンジビジネスは今後もっと面白くなっていきそうである。



まずは自転車買うことからはじめよう。

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