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ヨーグルトは文明開化の味

先日、お声がけをいただき葉山にある「HAYAMA BREAD Club」さんとコラボでタンドリーチキンサンド、カレーパンなどを一日限定で提供する機会があった。

美味しいタンドリーチキンサンドを作ることは私の小さな夢の一つでもあったので、これは良い機会だとせっせと試作と試食を何回か重ねてみた。

いざ作ってみると一口なら良いけど、全部食べるとしつこかったり、飽きてしまったりとただタンドリーチキンをパンに挟むのでは面白くもないのでソースや人参、レタスなどに味を加えながらしつこくもなく最後まで飽きずに食べられるタンドリーチキンサンドができたような気もする。
メインのタンドリーチキンにおいては最初にスパイス、ニンニク、生姜、レモン汁などを漬け込んでおくのが肝心である。試作の時には3時間ほど漬け込んで焼いてみたが、しっくりこなかったので本番の日には2日間漬け込んでおいたものを焼いてみたら、これがジューシーで味わい深く美味しい。もちろんスパイスやらで味付けするのも大事だが、ヨーグルトはなんて偉大なものなのだろうと改めて思ったのである。

ヨーグルトが人類史に登場したのは紀元前1万年前の新石器時代とも言われている。ヨーグルトの元になっているミルクはさらに昔から中東、アフリカやインドではヤギやヒツジ、牛などからとって飲んでいたそうで、その後ティグリス・ユーフラテス川近辺でヨーグルトが作られ始めたと言われているが、どのようにヨーグルトを最初に作っていたかは謎なのだそうだ。きっと暖かい環境で自然と良いバクテリアがミルクをヨーグルトにしてくれたのであろう。

人々は生まれ持ってミルクを分解する酵素(ラクターゼ)を腸内に持っているが、母乳を飲む期間が終わると無くなってしまうらしく、全人口の約65%はミルクを分解する酵素が腸内にないらしい。多い地域になると90%の人々がその分解酵素を持っていないらしい。ヨーグルトの素晴らしいところは、牛乳のラクトースを乳酸に変えてくれて人々が消化しやすくしてくれたことである。
人々は定住するようになり、家畜を育てるようになった。そして家畜の毛皮やミルクを頂いていたがひょんなことからヨーグルトを作ってしまったのであろう。もともと小麦などを発酵してパンやビールなどを作っていたであろうからミルクを発酵させてヨーグルトも作るようになったのか、その逆なのかは分からないが栄養豊かでカロリーも高い「食」(ヨーグルト)を手に入れたことによって人口は増え、その後、人類初の文明都市を築くに至ったのかもしれない。

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