楽しいことを考える

子どもの頃から寝つきが悪い夜型の私が、夜10時消灯にしたのだけど、そんなにすんなり寝れるわけない。今読んでる「四人の姉妹」(若草物語)に楽しいことを考えるとすぐ寝れる、と書いてあった。

でも楽しいことを考えようとして困った。意外と思いつかない。もちろん本の中の世界に浸ることや翻訳することも楽しいけれど、そういうのじゃなくて、もっと「楽しい」ことって何だろう。

猫を見るのは楽しい。まだ年若いドマが、年上のおっとりしたポンや臆病で賢そうなカゲルを相手に遊びで喧嘩をふっかける。ドマは虫やカエルを追いかけたり、紐にじゃれたり何でも遊びにしてしまいかわいい。でもああ、これってお年寄りが孫のすることを見て楽しんでるのに似てる…

夫を見てるのも楽しい。15歳上だけど自分の子どものように感じることも。やんちゃな男の子がすることを見るのは楽しい。でもユーモアのセンスはイギリス人らしく皮肉めいてて辛辣に聞こえるので、それに対して自分がやり返す冗談のほうが面白いと思う。自分のギャグが面白く感じるのはオヤジっぽいかもだけど。

子どもは自分でリアルにできることが限られているから、遊びにしてしまうしかない。おままごと、お人形ごっこ、秘密基地、○○ごっこ。私はアイデアに溢れているし勇気があるから誰でも誘って一風変わった遊びをしていた。どこにでも秘密基地を作った。でもそれで嫌な経験もたくさんした。

「四人の姉妹」みたいに兄弟姉妹がいると楽しい。20代からはバクティヨガを通してゴッドブラザー、ゴッドシスターがたくさんできた。もちろんだからといってみんなが仲いいわけではないけど、兄弟姉妹がいるのは心強い。私は孤児みたいに孤独を感じて育ったから(それに、海外に住む人はだいたい孤児の心境に近い)、そういう兄弟姉妹を頼りにした。夫も20代から海外だったので兄弟同然の友人が多い。兄弟姉妹と何かするのは気安くて楽しい。

近所のおじちゃんたちはガキ大将がそのまま大人になったような人が多い。都会でサラリーマンを続けて目下に対して傲慢な態度が染みついている「おじさん」とは違い、自由奔放な子どもっぽさがある。女性も生き生きしていて芯が強い。だから田舎の寄合いや行事はけっこう楽しい。

打ち解けた仲間と食べたり飲んだりするのはいつでも楽しい。旅行も楽しい。家事や畑仕事も楽しいけど、やらなくてはいけない仕事でもある。都会の人が田舎に来たり田舎から都会に行ったり、非日常的な体験をするのは楽しい。でも身近なことを純粋に楽しめたらもっといいのに。

毎晩寝る前に楽しいことが考えられるようになりたい。

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