白旗の少女を読んで
期限もなく余裕のある状態で読み、改めて戦争は悲惨だと思いました。基本僕は変えられない過去の話をするのは嫌いです。しかしこの話は自分は常に幸せな環境に置かれていると、平和とは"この何気もない日常"のことを指すのだと、知るきっかけになりました。
僕が印象に残ったのは、 比嘉さん(著者)が日本人兵士に斬り殺されそうになったところです。
ある日のことです。私はこれで5つ目というガマにたどり着きました。そして中を覗いた途端突然日本刀を振りかざした1人の兵隊さんが私におそいかかってきました。そして、ものすごく怖い顔をして「お前を生かしておくとこっちが危ない殺してやるっ!」と叫ぶのです。私は父からもまた通信隊の兵隊さん達力も兵隊さんと言うのは私たちを守ってくれる人といつも聞いていたのになんと私を殺そうと刀を振り上げたんです。もう夢中で逃げました。とうとう私は切り立った崖の端まで追い詰められてしまいました。前は深い谷なのです。下を見れば子供の私には目がくらむほどの深さのある絶壁で飛び降りれば当然死んでしまいます。後からは片手に日本刀を持った兵隊さんがどんどん近づいてきます。絶体絶命もうだめだ!それでもどっかに行けばないものかと私は一瞬目を走らせましたすると私のいるところから目と鼻の先に小さな岩が突き出ていました。ここにいるよりいっぽでも遠くへ逃げようと思って私は岩に飛び移りました。そして降った後振り返りました。私の顔のすぐ上に顔を真っ赤にした兵隊さんがいたのです。ハアハアと言う激しい息遣いが聞こえ、実際私の顔にその息がかかるほどでした。そしてウウッと言うなり日本刀振り下ろしました。ギラッと日本刀が光りました。「切られる!」と私は観念しましたそしてこれが生きている最後なんだなと思いました。怖いと言う感じは全くありませんでした。それよりも不思議なのはその時、私はあのすすき野原家の近くの畑で見た切腹の光景を思い出していました。もちろんその場の時間はほんの一瞬なのでしょうが、私には時間が止まったと言う感じしかしませんでした。ところが日本刀が私を切る前に、私ののった今が崩れたのです。私は岩もろとも一直線にかけ下に落ちていきました。そこで私の意識は断ち切られてしまいました。
リアルすぎて切れる部分がほとんどありませんでした。その後彼女は、運良く木に引っかかり生き延びます。戦争下では見られたら、情報が漏れ見つかってしまうという考えがあったのでしょうか。
自分以外を信じられない時代に生まれなくて良かったと思いました。もう二度と戦争が起きませんように。
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