【保存版】参議院選挙投票の仕方

毎回、選挙の前に「投票の仕方がわからない」「誰を選べばいいのかわからない」という多数の声が寄せられるので、まとめて解説したいと思う。

あくまでわたし一個人の考えであって、もっと様々な考え方があるし、もし間違っている箇所があればみんなのためにも指摘してほしい。

今回は参議院選挙で、昨年末衆議院選挙が行われたので、衆議院の解散がなければ、今後3年間国会議員の選挙は行われない。

また、様々な所から、これを機に日本の憲法を改正(改悪)させるべく、そのための選挙だと言われている。憲法改正には3分の2の国会議員が賛成が必要で、衆議院はすでに改憲派が3分の2以上、参議院は今回の改選で3分の2以上が見込まれている。なお、国会議員の賛成だけでは憲法は改正されず、その後、国民の半数以上の賛成を必要とする国民投票が行われるが、電通などの広告代理店を通し、テレビ・新聞などメディアが駆使されて、国民の半数が憲法改正に投票するという分析がかなりなされているので、今回の選挙が憲法改正阻止の最後の国民の選択という人までいる。

憲法改正はなぜいけないのか?
今までは、憲法改正の一番の争点は第9条であり、自衛隊を軍隊にして矛盾を解消することで、戦争しやすくなることが指摘されていたが、今回政府与党である自民党の改憲案には、それだけでなく、いわゆる集団的自衛権を第9条の3項に明文化することが書かれており、より戦争に巻き込まれやすくなることが指摘されている。

さらに、自民党、日本維新の会、国民民主党、NHK党は、緊急事態条項を憲法に盛り込むことに賛成しており、これが明文化されると、議会の解散がなくなり、全権が首相に一任になり、法の制定が自由にできるようになると言われている。もともと災害時の緊急事態を想定して以前から議論されていたが、今回のコロナパンデミック(わたしはすべて作為的だと思っている)を機に、日本はロックダウンや店舗の営業禁止命令、ワクチンの強制接種が緊急事態条項がないためできなかったと言われており、これが創設されると、外国のような極端な国民統制が行われると言われている。もっと極端なことを言うと、1933年日本国憲法とよく似たドイツのワイマール憲法の下でヒトラー率いるナチスが合法的に政権を独裁化し、第二次世界大戦や障害者・ユダヤ人の大虐殺を引き起こした。そういう事態も想定されなくはないことを記しておく。

大げさなと思うかもしれないが、一つの大きな争点なので、背景として認識しておくべきだと思う。

次に参議院は衆議院より劣るのか? について述べたい
参議院は任期が6年、衆議院が任期4年で解散があればそれより短いことを考えると、安定しており衆議院よりも上と考えることもできる。ただし、首相をはじめ多くの重要ポストは衆議院から選ばれている慣例と、両院は対等ではあるが、意見が違った時は衆議院の意見が優先する規定があるため衆議院の方が上という見方がマスメディアではなされている。ただし衆議院が強引に法案を通すことはごく稀であり、参議院選挙は決して軽視してはいけない国政選挙であることは間違いない。

参議院選挙の投票の仕方
・地方区
・全国比例区
の2回投票ができる。

地方区は、都道府県単位で代表を選ぶものであり、個人名(政党名でも可)を書いて選ぶ。人口の多い県は複数(東京は6人、愛知は4人)当選枠があるので、衆議院の小選挙区とは違い、多様な候補者を選ぶことができるので中小政党にも有利で死票が少ないと言われている。

全国比例区は、全国から投票できる。政党名で選ぶことを趣旨としているが、全国比例区に立候補している個人名を書くこともでき、その場合、個人名の得票に応じて、その人が属する政党の得票率の範囲内で順位が上がっていくので、候補者にダイレクトに投票でき、これは衆議院にはない仕組みである。ただし、自民党とれいわ新選組は特定枠という、個人の得票数に関係なく、優先して選ばれる人が最初から指定されている。自民党は2名、れいわは1名。れいわは比例での選出が1~2名と予想されており、個人を選ぶにはなかなか熾烈な競争になっている。

選挙における一般的な考え方
2つの考え方があって、1つは自分が選びたい候補者を単純に選ぶ考え方と
もう1つは、自分の選びたい候補者はどうも得票が少なく落ちてしまうから、全体を考えよりましな人を選ぶという考え方である。このどちらが適切かは一概に言えないし、個人の判断に任せられている。1つ目は簡単なので、2つ目について、もし憲法改正を阻止したいのならということを例にして、わたしの住む愛知県で考えてみると・・・

愛知県は全県で定数4名に対し、17名の人が立候補している。
事前の予想で、自民党、立憲民主党の当選が堅いと言われている。

例えばここで、れいわ新選組や参政党、NHK党の候補者に勝たせたいと思っても、より強い組織票を持つ政党がいくつかあるので常識的には落選してしまう。なので例えば2つ目の考え方に従って、よりマシな政党、ここでは憲法改正阻止をするのならということで考えてみる。

より強い組織票を持つ政党には、公明党、国民民主党、日本維新の会(減税日本の会)、日本共産党が挙げられる。この中で憲法改正に反対しているのは共産党だけである。定数は4だから残り2枠を4つの政党で争う。

2つ目の全体を見てよりマシな人を当選させるという考え方は、この当落線上ギリギリのラインに誰を当選させたいかを考えることが重要である。憲法改正反対ということで選びたいのならこの場合、共産党ということになるが、過去の実績も考慮すると共産党はこの中でやや弱く3対1の劣勢な立場と考えることもできる。自分が憲法改正阻止に一票投じたいという意思が最優先なら共産党に入れるのがベストであるが、劣勢で死票になりそう、なら小政党の入れたい人に入れるわという考え方もアリだし、情勢を見て、政権与党ではあるが他の2党よりは安易な憲法改正に慎重な公明党に入れるという考え方もあり得なくもない。

例えの基準として憲法改正で考えたが、同じように原発反対、増税反対、コロナ対策などでも考えられる。党によって個々微妙に意見が違うので考えてみるだけ面白いかもしれない。

次に全国比例区の直接候補者が選べる非拘束名簿方式について解説する。
政党名でもいいが、候補者名を書くことでよりピンポイントに候補者を選べるので、ぜひ自分で調べて候補者名を書いてほしい。考え方によってはこれによって2回投票できると考えることもできる。これを今流行りで議席獲得が有望視されてる参政党を例にして解説したいと思う。

参政党は全国比例で5名がエントリーされている。
順位は個人の得票で決まるので、衆議院のように順位付けされていない。
参政党という表記だけでその政党の得票になるが、個人名を指定するとその候補者の表になり個人票に応じてその政党内での当選順位が上がる仕組みになっている。
一般に80%の人が政党名で入れ、個人名を書く人は20%ほどと言われている。

例えばの話、参政党が議席1を確保し、その内訳で各人の得票が次のようになったとしよう

神谷そうへい 4万9000
吉野敏明 4万5000
松田学 3万
武田邦彦 5万
赤尾由美 1万

代表は神谷さんであり、共同代表的役割は吉野さんだが、投票の結果、テレビなどの知名度で武田先生が1位になったら、武田先生が(辞職しない限り)国会議員ということになる。どうしても神谷さんや吉野先生に国会議員になって欲しかったら、個人名を書く努力をして、神谷さんならあと1,000票、よしりんならあと6,000票上積みする必要がある。大部分の人が政党名を書くので、この個人名投票は、少ない票数でも名簿上位に上がっていく盲点となっている。

また、考え方として全国比例区の個人名投票は、支持していない政党でも、あの人に入れたいとピンポイントに投票することもできるので、そういう考え方も全然ありだと思う。

これも例えば、動物愛護(動物の権利を認める)という考えを軸に選ぶなら、次のような人が各政党から立候補している。具体的な政策はインターネットで調べてほしい。

くしだ誠一(日本維新の会)
大島九州男(れいわ新選組)
堀越けいにん(立憲民主党)

同じ政党でも各人、信念や政策は違うことも多く、中には党の方針と真逆な人もいる。
国防、原発、教育、福祉などの観点から調べてみるといいと思う。

最後に、前回の衆議院の時は、本当に入れる政党や人がいないという声が多く、白票という提案をし、わたし自身も実際にそうしたが、今回はそれはちょっと勿体無いと思っている。全国比例区では個人名を書けるので、ネットで調べれば誰か自分に合う人はいるだろうし、地方区も候補者、政党とも多いので、どこか自分に通ずるところがあるはずである。

それと、選挙で不正があるからマジックなどを持ち込んで改竄されないように書くという人もいるが、わたしはこの考えに反対である。まず、ムサシという機械で票の操作が行われているという話があったりするが、わたしなりに調べても証拠が見つからない。ただし不正選挙が全くないかと言われたらそうでもないと思っている。そこは個人ではいかんともし難い問題であり、深読みしすぎても意味がないのではないかと思う。素直に渡された鉛筆で書けばいいし、仮にそれが消されて不正選挙になったら選挙そのものが無効というのが当たり前の考え方であり、かえってマジックなどで書くとそれが不正と取られたり死票になりかねないのではないかと思っている。

もう一つ一番伝えたいのは、
どんな選挙でも一緒だが、たかが一票投じるのに、「民主主義で政治を正す運動」だと錯覚してはいけないということ。選挙に行って投票することは大事だが、そうたいして希望する候補者がなかなか通らないし、一票など大海の一滴というのが事実。選挙期間なんかたった2週間か3週間、どうしても政治に関わりたいのなら、参議院なら3年前、衆議院なら4年前から立候補する人を見つけ一緒に地道に行動しないと組織票は生めない。
もしくは、政治は選挙だけではない。今の国内外の情勢を把握し、ワクチンを打たない、マスクをしない、食事内容を変える、自分で作物を作る、自分で料理をする、自分で子育てや介護をする、子どもの教育を自分でするといった行動もパワフルな政治的行動である。

選挙に行くことは大切であるが、それで変わったり何かが阻止できると考えるのは大間違いだという現状認識がとても大切だと思う、

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