いけだ

たぶん普通の会社員。ときたま、キャリアコンサルタント兼心理カウンセラー。

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最近の記事

朝ドラ。「らんまん」から「ブギウギ」へ。

「らんまん」の放送が終わった。 モデルが牧野富太郎で主演が神木隆之介と聞いた数年前から、ずっと楽しみに放送を待ち続けていた。そのドラマが自分にとって観るべき作品かどうかは、見る前から何となく予感があり、数話見ると確信に変わる。今回も間違いなかった。 ・「大事な姉様」と呼んで綾を庇う、幼い万太郎。 ・万太郎と一緒に、地べたを這って同じ目線で植物を観て、その面白さに開眼させてくれた蘭光先生。 ・明治生まれの女性を体現する厳しさと温かさ、大きく力強い愛情で万太郎を包んでくれたタキ

    • 【ドラマ感想】ライオンのおやつ

      余命宣告された主人公海野雫は、ホスピス「ライオンの家」で最期を迎えることを決める。身内には何も告げず暗い顔で島に到着した雫を待っていたのは、島の美しい自然と、ホスピスで暮らす人々との出会いだった。 自分が呼ばれたい名前で、呼んでもらう。毎日何をしてもいい、ただただ好きなように過ごすこと。門限もない。 朝食は心身を優しく目覚めさせてくれる、おいしいお粥。外出は自由。レストランやコンビニに行くも良し、家族や友人と会ったり、犬と散歩としたり、自然と戯れるもよし。おやつの時間になる

      • 【ドラマ感想】ソロ活女子のススメ

        誰に遠慮することなく、好きな時に、好きな場所で味わう、ひとりの贅沢時間。おひとりさまの気楽さ・自由さを堪能、「孤独のグルメ」に続く独身貴族応援ドラマ!…かというと、そうでもない。 仕事は非正規、資産やずば抜けたスキルがあるわけでもない、ごく普通のアラフォー女性。ソロ活予定日は早々に仕事を切り上げ、誰とも群れず、慌てず騒がず、大人の学び直しならぬ大人の体験し直しミッションを遂行していく。焼肉、リムジン、動物園、水族館、プラネタリウム…家族やカップル、グループの参加率が高いイベ

        • 【ドラマ感想】お耳に合いましたら。

          二十代前半の社会人あるあるの、どれか一つは心当たりがありそうなエピソード。どの街にもある、決して特別ではないグルメ。一見するとコミュ障にも見える、個性的で不器用ながら等身大の主人公、美園。コメディ色は強いが要所要所でしっとりとして、うるさくなりすぎないテンションと、手の届きそうな親近感に気持ちが和む。 まつまる漬物(会社)と自宅を往復する日常を背景に、美園はチェンメシ(チェーン店グルメ)への愛を語るポッドキャスト番組のパーソナリティとして成長していく。社会人3年目前後の若者

          【感想】認知症の第一人者が認知症になった

          「痴呆」から「認知症」へ、その変遷と研究成果は長谷川先生の人生そのものである。 権威ある人が老いて認知症となり、夢と現実の境があいまいになっていく中で、その人の尊厳と家族の葛藤が描かれ、認知症を生きるとはどういうことかを自らの言葉で語っていく。 忘れられない患者のエピソードと、奥様への感謝が綴られたノートに、涙が止まらなくなった。「確かさ」が失われるというのがどういうことなのか、症状が進行していく日々をどのように受け入れていくのか。手探りで近づいていく感じがする。1人であ

          【感想】認知症の第一人者が認知症になった

          【ドラマ感想】ハコヅメ~たたかう!交番女子~

          「泣くし、笑うし、文句も言うし、やけにリアルな交番エンターテイメント」と公式HPにある通り、毎回笑えて、泣けて、気分をリフレッシュさせてくれる良エンターテイメント。 基本的に各エピソードは1話完結型だが、元エース刑事の藤聖子がなぜ交番に異動してきたのかという謎から始まり、事件解決で幕を閉じる作りになっている。肝は事件の真相や展開というより主人公である新米警察官、川合麻依のお仕事成長ドラマだ。 同じように1話完結型で最終話まで謎を引っ張る構成は、同時期に放送されたIPサイバ

          【ドラマ感想】ハコヅメ~たたかう!交番女子~

          【感想】「何も求めず ただ座るだけ〜自給自足の禅寺 安泰寺の1年〜」

          半年、1年修行するというのも、もちろんそれなりに悩んで、覚悟あっての挑戦だと思うが、何かを得たと実感するには程遠いのかもしれないな…と思ってしまった。 西洋哲学と東洋哲学は、真理へたどり着くプロセスに大きな違いがあるように思う。かなり雑に括って言ってしまえば、西洋は思考重視、東洋は感覚重視。西洋は言葉を用いて論理を構成するが、東洋は経験や、腑に落ちる体感が重要である。現代人は自分のアイデンティティがそれらからとっくに解放されていると考えがちだが、私はそうは思わない。その時代

          【感想】「何も求めず ただ座るだけ〜自給自足の禅寺 安泰寺の1年〜」

          【ドラマ感想】ひきこもり先生

          ひきこもりサバイバーである上嶋陽平は、公園で出会った女生徒堀田奈々をきっかけに、母校の不登校の生徒たちと関わるようになる。 不登校ゼロ、いじめゼロ。上嶋を利用して絵に描いたような美談(実績作り)に持っていきたい榊校長だが、当然簡単ではない。 まず榊校長にスカウトされた上嶋自身が、まずい焼き鳥を黙って焼くだけで精一杯の、ド底辺おじさんである。生徒たちの家庭環境は様々で、自殺未遂を図った堀田は常に失望と怒りを抱え、大人に対する礼儀もマナーもない。クラスのいじめはスケープゴート

          【ドラマ感想】ひきこもり先生

          【ドラマ感想】生きるとか死ぬとか父親とか

          家族の思い出の下に眠る古傷に触れるとき、あなたは何を思うだろう。 トキコは40半ばの自立した女性だ。ラジオパーソナリティーとしてのお悩み相談と、私人としての過去や周囲の人々の関係性。その大きな2軸が日常を縫うように交わっていき、可笑しさや切なさといった、小さいけれども普遍的な波紋を水面に描いていく。トキコはラジオで毎回他人のお悩みにスパッと鮮やかに答えるも、そのお悩みは結局自分の身の回りのこととリンクしていて、オープニングの歌詞「色んな人に出会う度鏡のよう」を実感する境地に

          【ドラマ感想】生きるとか死ぬとか父親とか

          【ドラマ感想】珈琲いかがでしょう

          「幸せを運ぶ珈琲物語」と聞いて、どんな話を想像するだろう。 移動販売の珈琲で、珈琲を飲みに来た人をじんわりと癒していく青山。来る者拒まず、去る者追わず。時間をかけて一杯ずつ丁寧に淹れていくその落ち着いたスタイルは、相手に向き合っているようで、自分に向き合っているようでもある。時代や大衆の求めに迎合せず、自分のスタイルを押し付けるわけでもなく、収益拡大を狙うわけでもない。何かを待っているようだが、何かを求めているわけではない。 優しい、イケメン、紳士、王子様、ケンカに強い…

          【ドラマ感想】珈琲いかがでしょう

          【ドラマ感想】泣くな研修医

          一日も早く一人前の医者になるため、研修医として職務に励みます!…と言えば聞こえは良いが、実際は何もできないド新人。主人公雨野は急患にうろたえ、処置どころかろくなサポートもできず気絶。なのに、同期の研修医には見栄を張って、さも自分がスマートに対応できたかのように吹聴する。 「すみません、気を付けます!」を繰り返してはどやされ、親にその子供の状況を説明しようとするも逆に不安にさせ、空回りばかりして余計な事態を招く。執刀できると思いあがっては恥をかき、指導医佐藤からあまりにもキツ

          【ドラマ感想】泣くな研修医

          【ドラマ感想】救出劇

          臨床心理士の夏目が主宰するオンラインカウンセリング。参加者は幼なじみ同士の杉崎、五味、泉沢。 視聴者には何をテーマに開催されているのか、登場人物の関係性もよくわからないまま話がスタート。コロナ禍ではお馴染みとなったオンライン会議の体裁を取り、俳優たちは画面と1対1で演技、ドラマは画面から一切外に出てこない。 第一話の半分はオンラインの雑談が占めるのだが、幼なじみたちの間には緊張や遠慮が見え隠れし、杉崎の調子の良さがだんだん鼻につくようになってくる。今回の仕切り役を買って出

          【ドラマ感想】救出劇

          【ドラマ感想】私の夫は冷凍庫に眠っている

          昨日殺して、冷凍庫に入れたはずなのに…。 ドラマは性暴力と殺害シーンから始まり、夏奈は解放された喜びを全身で表現する。その怪しげな様子から、夏奈が同情すべき普通の女性ではなさそうだと察しがつく。 翌朝、何事もなかったかのように笑顔で現れる婚約者、亮。戻ってきた亮には秘密があり、暴力に耐える犠牲者のように見えた夏奈にもまた、秘めた過去があったのだった。 映像化されたミステリーの王道ともいうべき、美しく官能的な表現。登場人物のほとんどが自己中心的で衝動的に行動し、秘密を抱え

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          【ドラマ感想】青のSP-学校内警察・嶋田隆平-

          警察官と学園モノの異色コラボ。 法に触れたとみなせば中学生にも容赦なく手錠をかける、クールで型破りな警察官嶋田の言動と、それに振り回される学校と生徒がおもしろい。便利屋扱いの三枝、毎回ナイスアシスト。アクションシーンも見どころ。 元捜査一課だった嶋田の過去と学校の秘密が徐々にリンクしていき、スクールポリス制度志願の目的が明らかになる。乱暴ながら学校のいざこざが解決される度、嶋田への信頼がじわじわと積みあがっていく一方、小川先生死亡事件の真相に近づくにつれて浅野・木島校長の

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          【ドラマ感想】透明なゆりかご

          こんなに切ない「Happy birthday to you」を、今までに聞いたことがあるだろうか…。HP通り、「観ていてどこかほっこりする、でも心の底までズドンと来る」ドラマ。 小さな町の産婦人科医院を舞台に、アルバイトの看護助手として働く17歳のアオイが見つめる、生と死。中絶、母体死亡、一人親の苦悩、働くか生むか、夫婦の危機、虐待、性暴力、看取り…生と死と人生が交錯する場所で、あらゆる角度から、それぞれの想いと選択が丁寧に描かれていく。 「人の気持ちがわからない」と話す

          【ドラマ感想】透明なゆりかご

          【ドラマ感想】ドラゴン桜(2005年放送)

          人生を人任せにしないで、全力でチャレンジした経験はあるか。 そう聞かれて、見栄を張るでもなく、言い訳をするでもなく。自分自身に対して、まっすぐに答えを返せるだろうか。 答えに詰まった方は、このドラマを見て耳が痛くなるか、ハッとさせられるか…ひょっとしたら、前に進む勇気を持てるかもしれない。 弁護士の桜木が倒産処理案件として引き受けた龍山高校は、偏差値36のバカ学校。どの生徒も勉強に身が入らず、教師は保身ばかりでパッとしない。理事長は教育や経営に興味がないうえ、ブランド好

          【ドラマ感想】ドラゴン桜(2005年放送)