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義務の先にいる、心強いパートナー

株式会社マイナビパートナーズは、2016年にマイナビグループの特例子会社として設立された。マイナビ社から依頼される事務業務の代行を主な事業としているが、単純作業にとどまることなく高度な業務にも挑戦することで、障がい当事者の社員たち(以下メンバー)は新たなステージへと進んでいる。単なる雇用義務を超え、「戦力」として活躍する姿は、企業の未来を切り拓く原動力だ。メンバーの挑戦が、どのような可能性を生むのか。その歩みを追う。


もっとできることがある

藤本氏は、株式会社毎日コミュニケーションズ(現株式会社マイナビ)に入社後、大学生を対象とした就職メディア部門、高校生を対象とした進学メディア部門での勤務を経て、アルバイト求人メディア部門の責任者として事業立ち上げに携わった後、採用部門の責任者に着任。さまざまな雇用課題に向き合う中で、多様な人材が活躍できる環境の必要性を痛感するようになったという。

また、2012年ごろから障がい者雇用の重要性が世間で認知され始め、新たな法律の成立や改正、法定雇用率の引き上げが続いていた。この変化の中で、藤本氏も単なる雇用人数を満たすためだけの障がい者雇用でなく、障がい者が企業の中で実際に活躍し、スキルを磨ける環境を整える必要があると強く感じた。

そして、2016年に特例子会社としてマイナビパートナーズの設立以来、障がい者雇用に対する理解を深め、「誰もが活躍するための道」を拓くための変革に取り組んでいる。

マイナビパートナーズの2つの軸

2024年10月現在、マイナビパートナーズには、284名が在籍し、そのうち221名の障がいのある社員が、多方面で活躍している。他の特例子会社と一線を画しているのは、障がい者雇用を企業成長の原動力と位置づけている点である。特例子会社で障がい者が担うのは単調な作業にとどまる場合が多いと聞かれるが、マイナビパートナーズでは業務の多様化とメンバーのキャリア開発の2軸に重点を置いている。

メンバーの業務は単純な事務作業にとどまらない。デザイン制作やデータ管理・集計、プログラミングによる業務自動化といった高度な業務にも携わっている。それらのキャリア開発に関しては、メンバーの業務に応じた教育プログラムや研修が整備されており、専門スキルを磨ける環境が整っている。

また、サポート体制の中から特徴的な3つを紹介する。1つ目は、所属部署や専任部署による定期的な面談の実施だ。個々の能力や興味を深く理解し、適切な業務や役割で活躍するための面談が組まれている。この面談を通じて、メンバーが考えるキャリアの方向性を確認し、成長意欲を反映した難易度の高い業務への挑戦をサポートする。2つ目は、新入社員が安心して業務に慣れるための「バディ制度」の導入である。経験豊富な先輩社員がバディとしてサポートすることで、新入社員はスムーズに業務に適応し、スキルを確実に上げることができる。3つ目は健康管理のサポート体制だ。健康面のケアにも配慮がされており、産業医や保健師が定期的に訪問して、メンバー自身によるセルフケアを支援している。これら3つのサポートにより、メンバーは健康面にも目を向けつつ、専門知識とスキルを高め、長期的にキャリアを築くことができるのだ。

『違い』を結集して次のステージへ

藤本氏はマイナビパートナーズ設立以前から、「数合わせの採用ではなく、障がい者を企業の戦力に」というビジョンを抱く。これからもマイナビパートナーズは、社員一人ひとりの特性やスキルを最大限に引き出し、それを活かせる環境を整備していく方針だ。

違いを「魅力」ととらえ、個々の文化やバックグラウンドを受け入れる。そして異なる視点を共有することでチーム全体が刺激を受け、成長し合う職場づくりを進める。そのために、業務プロセスの工夫や技術の導入に力を入れ、障がい者が自身の強みをを発揮できる体制をさらに強化していくとのことだ。

マイナビパートナーズは、これからも新しいチャレンジに挑み、障がい者が活躍することで会社もともに成長していく。まさに「誰もが活躍するための道」を会社全体で切り拓いてくれることだろう。

メンバー取材:マイナビパートナーズ江橋氏


マイナビパートナーズのメンバー 江橋氏

江橋氏がマイナビパートナーズに入社したのは、約4年前。前職は栄養士で、まったく異なる分野からの転身であった。入社を決めたのは、障がい者が単純な作業に従事するだけでなく、専門的なスキルを伸ばしながら成長できる環境があることに魅力を感じたからだという。

入社当初は簡単なデータ入力作業から始まった仕事が、経験を積むことで次第に複雑でやりがいのあるものを任されるようになったそうだ。例えば、非常に複雑な工程のデータ管理やバナー広告制作の業務では、彼の活躍によって一日当たりの作業数を当初の8件から100件以上対応できるまでに業務効率が向上した実績がある。また、リーダー職へ昇格後は、チームメンバーの業務サポートにも注力し、チームの生産性向上にも貢献している。

彼のやりがいは、メンバーの成長をサポートし、日々の業務の中で出てくるさまざまな課題に挑戦し、解決していくこと。今後、専門的なスキルとリーダーシップをともに高め、メンバーの育成やマネジメントを担う役職へキャリアアップしていくことを目標にしている。

最後に江橋氏は、自らの成長を会社全体の成功につなげることができるよう、積極的に挑戦を続けると語ってくれた。

酒井 / 藤本氏 / 江橋氏 / 須藤

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ライター情報

氏名:酒井躍(サカイヤク)
所属:
明治大学大学院2年
経歴:
大学3年の時にメディア系インターンでの活動をスタート。これまでに100を超える経営者や政治家などに取材を実施。また、SNS総フォロワー10万の就活アカウント「ただの元人事」の企画・運営に携わる。現在は、学生団体Uni-Futuresの共同代表として、Webメディアの制作やイベントの企画運営などを行なっている。


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