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日本経済悪夢の2025年となる恐れも  今回の選挙で本当に勝った政党と逆説としての最悪シナリオ(前編)

10月27日に投開票が行われた衆議院議員選挙。
結果は自公過半数割れで、まさに政局は大混乱となっています。
 
総選挙で過半数割れともなれば、与党党首の辞任となっても不思議ではない事態ですが、石破総理は続投の意欲を示しているのが現状で、与野党の連立組み換えがいつ起こっても不思議ではない状況となっています。
 
そこでキャスティングボードを握るのが、今回大躍進で議席4倍増の国民民主党と言われています。
 
石破総理からも部分連合の秋波を送られていて、ここで自民党は「手取りを増やす」と公約を掲げた国民民主党の政策をかなり受け入れるのではないかという希望的観測も多く見られます。
 
もちろん自らの影響力を最大化したい国民民主党は、まだ模様眺めで現在熾烈な駆け引きが行われているものだと思います。
 
一方で緊縮財政派が政権幹部を占める現在の自民党が、国民民主党に大きく妥協するくらいなら、一層のこと経済政策的にも妥協しやすい立憲民主党と大連立を組んでしまうのではないかという憶測も出ていますが、これはあながちあり得ないことはでないと思っています。
 
選挙前に表明した各党の経済政策は、賃上げが物価高に追い付かず国内の消費も停滞している現在の情勢の前に、一時的な経済対策やバラマキをちらつかせていてわかりにくいですが、減税や積極的な政府支出で経済を立て直そうという積極財政派と逆に財政均衡や小さな政府を目指す緊縮財政派の勢力は下記のとおりです。

  • 積極財政派:自民党総裁選で高市氏に投票したグループ、国民民主党、れいわ新選組、参政党、日本保守党

  • 緊縮財政派:自民党総裁選で石破氏に投票したグループ(現執行部)、立憲民主党(特に現執行部)、公明党、維新

<各党の選挙前の公約>

当面は国民民主党や維新との部分連合で、石破政権は首班指名や補正予算をしのぐ可能性が高いと思いますが、年末から年明けの通常国会にかけて政局が一気に流動化する可能性は否めません。
 
国民民主党が協力の見返りに要求するであろう、103万円の壁撤廃、ガソリンのトリガー条項解除や二重課税の廃止、再エネ賦課金の停止、消費税減税など、どれをとっても、財政のプライマリーバランス黒字化に突き進む財務省が許さないものばかり。有権者の期待を背負った国民民主と財務省との間で、石破政権はいずれ行き詰ります
 
そこで出てくるのがウルトラCの「自民・立憲・公明」の大連立を組んでしまえというどんでん返しです。自民党には30年前の1994年に、自社さ(自民・社会・さきがけ)連立政権を成立させた前科があります。そして、立憲民主の野田党首は12年前に民主・自民・公明三党にと三党合意における「社会保障と税の一体改革」の名の下に繰り返し消費税増税が行われる仕組みを作った当事者です。
 
皆さんも、段々とシナリオを読めてきましたね。今後の情勢の予想は、次回詳しく展開します。その前に、三党合意による消費増税が、いかに実質賃金の長期低落とデフレ経済を深刻化させたかを下記の記事でご参照ください。

<実質賃金下落の犯人は消費増税>

図1: 1991年1月~2024年8月の日本の実質賃金と消費者物価指数の推移
出所:厚生労働省発表「毎月勤労統計」と総務省統計局発表「消費者物価指数(2020年基準)


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