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縁も所縁もない場所で
皆様、はじめまして。毎月10日の記事を担当します。俳優のながいさやこと申します。
この企画の趣旨は「俳優の生活や活動を、他の俳優の補助線にする」ということだそうですが、
これまで蛇行しながら生きてきましたので私の通過点を、読む方がお好きにつないで補助線にして頂ければ幸いです。
私は現在、県立の劇団静岡県舞台芸術センター(SPAC)を拠点として活動しています。2015年から参加し、3年前に東京から静岡に引っ越してきました。
静岡市は、温暖で、海と山があり、食べ物がおいしく、お風呂屋さんがたくさんあり、優しくて面倒見がいい方が多い気がします。そして何より、富士山がきれいです。個人的に、日本で一番住みやすい街なのではないかと思っています。
(劇場から見た今日の富士山。頭しか見えていませんが、晴れた日は綺麗に全体が見えます)
そんな魅力あふれる静岡に、私が引っ越した理由は沢山あるのですがその中でも大きかったのが、静岡のお客さんに興味を持ったためでした。
静岡では毎年、新茶の香り漂うゴールデンウィークの時期にふじのくに⇄せかい演劇祭が開催されます。数年前、この演劇祭に観客として訪れた際に、上演される演目についてのプレトークを聞きに行きました。海外から招聘された硬派な内容の公演にもかかわらず、ご近所に住んでいるのであろう県民の方々が、熱心にメモを取っており、その姿が強く心に残りました。
簡単に言うと、近所のおじさんおばさんが小難しい演劇に興味を持ち、積極的に理解しようとしている姿に驚いた、ということです。
演劇は、基本的に本よりも映画よりも音楽よりも敷居が高く、現代演劇を上演する劇場では特に、老若男女問わず気軽に足を運ぶ劇場は珍しいように思います。
それまで、京都や東京で演劇活動をしている際に、そのことを考えることが多かったので、わたしにとって、静岡では劇場と地域の方々の関係が理想的に見えました。その後、この人たちの前でお芝居をするならば、私自身が静岡のことと人のことをもっと知りたいと思い、静岡に引っ越すことを決めたのでした。
劇場の数だけ、演劇の数だけ、お客様との関わり方があると思います。静岡では、劇場と県民の方々の関係がどのように作られているかについては、また別の機会に紹介させてください。
これから、よろしくお願いします!
追記:上記で紹介したふじのくに⇄せかい演劇祭は、コロナ禍の影響で国内の作品のみの上演となりますが、今年も開幕します。ぜひ遊びにききてください。
ながい さやこ
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