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あかね噺の横長コマを語りたい

あかね噺の特徴的なコマ割り、横長のコマでアクションの時間経過を表す手法が好きなんです。

おっさんの拍手が聞こえてくるかのよう

「事件待ち」で舐め腐っていた週刊誌記者のおっさんが感極まって、自然と拍手をしてしまうシーン。これが顔のアップ⇒叩いた手のアップ⇒拍手のシーンと綺麗にアクションが流れているのがわかります。
この2コマ目がね!良いですね~手を打った直後、音は破裂する記号であらわされてますね。
おっさんの拍手が聞こえてきますよね!
落語の話ですし、観客は座ったままですから、ここで気合の入ったカメラアクションされても困るわけですが、それを逆手にとって、静的な絵を重ねてアクションを構成しているのが美しいと思います。
この手のコマ割りは昔の漫画だとよく見た気がするのですが、最近ではあまりみません。現代的なコマ割りからすると、ちょっと退屈になってしまうという面もあると思います。
あかね噺ではこの横長のコマをとても効果的に使ってます。

このコマ割りで最初に上手いな~と思ったのは2巻の「子褒め」であかねがテンポを上げるシーン。

あかね噺2巻第9席

全部横長のコマであかねがゆったりとしたペースからスピードを上げる様子と客席のゆったりした感じを巻き込んでいく様がうまく連動して描かれてますね。
他にも横長のコマでうまく描写されているシーンが多いので色々見てみると面白いです。映画やアニメのカット割りにも通じるので、映像化しやすいところとも思います。アニメ化された際にも注目したいポイントです。

ところで2巻のこのシーン、女の子の歯をちゃんと書くのが割と今っぽいですね。(ルリドラゴンとかでも…)

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