ビヨンドほうじ

本とか映画とか漫画を読んだ感想を書き溜めておきます。

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最近の記事

映画ラストマイル-海外という怪異-ネタバレ

それニューヨークだよね?映画「ラストマイル」にはちょいちょい引っかかるシーンがあった。意図的なものもあるだろうし、そうでないものもあるだろうし… その中でも海外、海外企業の描写については甘いところが多く、特に舟渡と筧が出会うシーンでワシントンと言いながらニューヨークが出てきたときはびっくりした。(一回しか見てないのだけどそう言ったと記憶してる) このシーンは予告映像にもあるので、確認することができる。 1:04のところで出てくる映像は明らかにマンハッタン。ワシントンスクエ

    • 映画ラストマイル-2.7m/sに関する超どうでもいい考察-ネタバレ

      MIU404とアンナチュラルを少ししか見てないのでラストマイル見る資格無いかなーと思ってたんですが、面白そうだったので思い切って観てきました! めっちゃ面白かったです! DAILY FAST社がAmazonを指しているのは明らかなのでアマプラに来るかは甚だ怪しいですね…逆にネトフリには来るかも?! 主人公の舟渡エレナ(満島ひかり)がスーパービジネスパーソンと見せかけて、情理の両面を持ったキャラクターとして描かれていて斬新でした。合理に徹しきれないし、情にも振り切れないなん

      • 「負けヒロインが多すぎる」感想-人生は出オチじゃないから

        大成功のアニメ化アニメ『負けヒロインが多すぎる』がブレークしてる。アニメ化の前から原作読んでたのだけど、ここまでブレークするとは思いもしなかった。 ラブコメラノベのアニメ化なんて、下手したら紙芝居でなんとか間をつないで、10話くらいであっさり万策尽きて、あとで「あぁそういえばアニメ化したんだよね…」みたいに扱われる程度が関の山。 そんなガッカリ展開になることをある程度は覚悟していたものの、見事な脚本、見事な作画、見事な演技で、大傑作になった。 いやはやこんなすごいことになると

        • 世界で人気だった「わたしの幸せな結婚」

          ちょうど1年前、アニメ「わたしの幸せな結婚」が配信された。アニメ化としておおむね高評価だったと思うが、見る人は見るし見ない人は見ない作品なので、そこまで話題になったわけでもないと思う。 ところがこのアニメ、Netflixでは世界的にヒットしていた。NetflixのランキングのTV-show(Non-English)で最高3位を取っている。これはすごいことで、高予算の人気韓国ドラマに伍し、アニメでいえば、同時期に配信されていた(日本では)一番人気の呪術廻戦をも上回っている。

        映画ラストマイル-海外という怪異-ネタバレ

          あかね噺の横長コマを語りたい

          あかね噺の特徴的なコマ割り、横長のコマでアクションの時間経過を表す手法が好きなんです。 「事件待ち」で舐め腐っていた週刊誌記者のおっさんが感極まって、自然と拍手をしてしまうシーン。これが顔のアップ⇒叩いた手のアップ⇒拍手のシーンと綺麗にアクションが流れているのがわかります。 この2コマ目がね!良いですね~手を打った直後、音は破裂する記号であらわされてますね。 おっさんの拍手が聞こえてきますよね! 落語の話ですし、観客は座ったままですから、ここで気合の入ったカメラアクションさ

          あかね噺の横長コマを語りたい

          あかね噺-第117席感想-史上屈指のエモいエピローグ

          「まいける噺」エピローグ梅雨の盛りに負けないほど湿度が高い!ジャンプでこんなにエモーショナルな回ある?!と思ったほどの感情湿度激高の回でした。 この感動も連載最初から積み上げてきた様々なエピソードがあってこそ。 志ぐま師匠⇒まいける 志ぐま師匠の初の真打の弟子。人情噺の名手として知られた重鎮でありながら、自分の弟子が真打になるのこれが初めてなんですよね。人を見る目、育てる技量も器もある志ぐま師匠、特異な状況である阿良川一門でなければ、とっくに多くの真打を輩出していたことは

          あかね噺-第117席感想-史上屈指のエモいエピローグ

          映画トラペジウムメタルブックマーク

          映画トラペジウムメタルブックマーク

          映画トラペジウムのオープニングで、幼いころの東ゆうがアイドルの映像を見るシーン、周りが暗くなってて、これはカナダでの孤独感を表すような描写の一環だと思うのだけど、北米の家はシーリングライトがなくて、スタンドライトだけなので、妙にリアリティある(絵にもスタンドライトが描かれてる)

          映画トラペジウムのオープニングで、幼いころの東ゆうがアイドルの映像を見るシーン、周りが暗くなってて、これはカナダでの孤独感を表すような描写の一環だと思うのだけど、北米の家はシーリングライトがなくて、スタンドライトだけなので、妙にリアリティある(絵にもスタンドライトが描かれてる)

          トラペジウム映画と原作の違いメモ-ネタバレ

          トラペジウムの映画を見て、原作が気になったので読んでみました!映画は一度しか見てない上に時間たったのでところどころおぼろげです。 全体としてサラッと読めました。現役のアイドルでここまで書けるというのはすごいですね。映画だと緊張感あるのですが手触りがふわっとした感じです。 東ゆう記述として印象に残ったのは、メイクとかファッションとか整形の話になると解像度が途端に爆上がりするところ。この辺はさすがだしちょっと面白かった。 東ゆうの制服の緑のリボンがニラ呼ばわりされてて笑った。

          トラペジウム映画と原作の違いメモ-ネタバレ

          あかね噺-まいける兄さんが気になりすぎるので113話展開予想-ネタバレ?

          着物ツーブロック劇場ジャンプの落語漫画『あかね噺』まいける兄さんの真打昇進試験編、熱い展開が続いています。作中で高座のシーンが一度も描かれなかったまいける兄さんの実力はまだ十分に語られていません。 最新話の第112席まででも「軽すぎる」「お前の芸をみたいと思ってないよ」と散々で敗色濃厚の演出のさなか。ですが、今回の最後に「全員…俺が死ねばいいと思ってんのかい?」と、状況と被るような一言で凄みを見せ、一剣師匠が「そもそもこの噺は…」と意味深に言ったところで、以下次号!気になりま

          あかね噺-まいける兄さんが気になりすぎるので113話展開予想-ネタバレ?

          バンオウ-盤王-祝・完結!

          ジャンプ+の金曜日の星、バンオウが感動の最終回を迎えた。 将棋マンガには名作が山ほどあるが、その勝負の熱さでいえば、やはり「月下の棋士」が嚆矢にて頂点だろう。あり得ないほどのテンションで描かれる対局は常軌を逸して熱い。対局室での流血、失禁、射精、死亡とやってないのは脱糞くらいではないかという凄まじさだ。将棋マンガの嚆矢でありながら、勝負の熱さの表現としてはちょっと邪道な表現が多い。 バンオウは直球で熱い。500年生きた吸血鬼が主人公という突飛な設定でありながら、凡人の人外対

          バンオウ-盤王-祝・完結!

          トラペジウム-サイコパスに幸あれ-ネタバレ感想

          遅行性トラペジウムという言葉もあるそうで、これはよくわかる。 自分でも物語を消化するのに時間がかかっている。キャラクターとして、東ゆうはサイコパスクソ野郎だとして、この物語はなんなのか? 東ゆうの視点でのサイコパスの成長譚と捉えて文章を2つほど書いてみた。 東ゆう視点では、他者を排して考えるのならば、この説明でもいいのだが、他のメンバーは?特にPTSD必至の大河くるみなんて東の顔なんて二度と見たくないと思ってても不思議ではない。少なくとも会おうとしたとき、常識的にはさぞつら

          トラペジウム-サイコパスに幸あれ-ネタバレ感想

          はっきり覚えてないのだけど、トラペジウムで亀井美嘉が本屋で声をかけたとき、講談社学術文庫の棚の前にいた気がして、少し違和感があった。あの本はよほどの読書家じゃないと読まない。なので、亀井美嘉が偶然を装った描写だったりする?だとしたら細かすぎる。

          はっきり覚えてないのだけど、トラペジウムで亀井美嘉が本屋で声をかけたとき、講談社学術文庫の棚の前にいた気がして、少し違和感があった。あの本はよほどの読書家じゃないと読まない。なので、亀井美嘉が偶然を装った描写だったりする?だとしたら細かすぎる。

          トラペジウム-ネタバレ感想-サイコパス成長譚2

          パッキリとした賛否両論映画「トラペジウム」のレビューを漁ってみたら、賛否両論で、絶賛と否定とでくっきり分かれていた。どっちかというと否定的な感想のほうが支持されているようだ。まぁそうだろうね! 初期の映画の評で、案の定、東ゆうをサイコパス扱いしているものも多かったようで、それが許せない!と思っている人もいらっしゃるようです。 どっちもわかります。私は映画そのものの評価は賛否両論の賛の方だけど、解釈としては否の方の評のほうに近いです。 ただ、好きな人には申し訳ないけど、東

          トラペジウム-ネタバレ感想-サイコパス成長譚2

          トラペジウム-ネタバレ感想-サイコパス成長譚1

          普通なら絶対見ないアイドルアニメ映画なのですが、トレーラーの不穏な空気にひかれて観ました。 刺さった。サイコパス要素ある自分には幼きサイコパスクソ野郎東ゆうの物語がどうしょうもなく刺さってしまった。 この物語が万人に受け入れられるとは到底思えない。不器用さが売りの青春小説でもここまで明確なサイコパス野郎が主人公なことは少ないと思う。だって感情移入できないもの。 東西南北のキャッチーさを出すためだけに、人を集めて、個人の感情ガン無視で突き進む前半は、作戦ガバガバに見えるわりに

          トラペジウム-ネタバレ感想-サイコパス成長譚1

          デデデデ考察-猫の金玉は冷笑か

          以下、デッドデッドデーモンズデデデデデストラクションの映画前章・後章と原作を読んでの感想でネタバレ全開です。ご注意ください。 賛否両論のデデデデデデデデで、世界の分断について、小比類巻とおんたんの兄ヒロシは作中で似たようなことを言っている 私は作者の考え方を最も投影されたのが、小比類巻とヒロシだと思ってて、直接的に行動したのが小比類巻、行動しなかったのがヒロシ デデデデは賛否両論の作品のようで、特にリベラル・社会運動系の人からは評判がよろしくない。曰く「作者の冷笑的態度

          デデデデ考察-猫の金玉は冷笑か