軽トラドライブ
私達夫婦はドライブが好きだ。
付き合ったばかりの頃、夜通し車を走らせ色んなところを走り回った。
コンビニでスイーツを買い、お互いが持ち寄った好きなバンドのCDを聴きながら車を走らせ、駐車場に停めてはスイーツを食べながらライブDVDを鑑賞して過ごしたりした。
一緒に暮らすようになってからも、ことある理由をつけて夜中に車で出かけた。
今夜○○流星群らしいよ〜とか、満月だよ〜とかロマンチックな理由な時もあれば、山間部を走る道路に野生動物を見に行く、なんてこともあった。
最近は軽トラでドライブするのがブームな我々。
2人とも乗用車を所有しているが、あえて義父の軽トラを借りるのがブーム。
私は助手席、運転は主人。
近場のコンビニでビールを買ってくれる。
主人はコーヒー。
飲みながら軽トラでトコトコとドライブをする。
何の目的もなく、何の当てもなく、ただ軽トラで走るだけ。
主人はいつも「ここはいいとこだろ?」と生まれ育った町を自慢する。
同じ市内出身だが、たしかにここは良いところだ。
海もあり山もあり、でもコンビニやスーパーも駅も徒歩圏内にあり、市内にもすぐに出られる。
良いところだよ、本当に。
主人と出会ったばかりの頃、きっとこの人といたら楽しい人生が送れるんじゃないかな、と思った。
突拍子もなく当てもなくどこにでも連れて行ってくれそうだったから。
まぁ実際はそこまで色々なところに行くわけではないけど、明日仕事が休みだとか、満月の日だとか、流星群のピークが、とニュースでみた日にはちょっぴり期待する。
ボロい軽トラでドライブするのを心待ちにしている。
大好きな音楽や車の話をしながら、シフトチェンジのたびにビール溢しそうになったりしながら、ちょっぴり酔いが回って景色がゆらゆらと煌めいて見えたりなんかして。
私にとっては、とてつもなく愛おしい時間なのだ。