ミーティングでは課題だけではなく進捗度の視点も
監督・コーチの皆様、また選手の皆様、今行っている練習の良いところ(出来ているところや達成できているところ)について着目することはあるでしょうか?
以前、私が指導していた高校野球部の練習で選手を集めて
「自分たちが今やってる練習の良いところって何??」
「よく出来ていることや出来始めていることってある??」
と聞いてみたことがあります。
ところが、選手は誰1人答えず…。
質問を切り替えて
「じゃあ、今やってる練習のダメなところ、改善すべきところって何?」
と聞いてみると、
「〇〇です!」
「××だと思います!」
「△△もあります!」
といった感じでたくさん出てきました。
普段から選手同士で話し合いを設ける時間が多いチームでしたので、さすが自分達の課題を考えることは非常に得意な様子でした。
ただ、課題ばかりに着目しすぎて、自分達のチームの長所やチームとしての個性があまり意識されていないようにも感じていました。
課題によく気づこうとする姿勢は、謙虚な姿勢を保っているとも考えられますが、むしろ謙虚でいなければならないと感じているからこそ良いところに目がいかないのではないかなとも思いました。
そこで、今一度チームの目的をしっかりと掲げ、何が出来たら良い状態なのか、何をどのくらいやれば達成出来るのかといった具体的な成果目標を決めさせることにしました。
この成果目標には何をどのような状態で取り組められれば良いのか、という具体性があるからこそ、課題克服の進捗が捉えられ、また到達度という観点から新たな議論が行えるようになります。
課題を点で捉えるのではなく、時系列と進捗度という観点で見るように促してみました。
チームとしての練習に取り組んでいく上で、「良い」と判断する基準を設けていくことが重要だと考えています。
「良い練習」とはどんなものか具体的に描くことができて初めて、今すべき課題の克服が明確になり、「直すべき点」が次に繋がるようになります。
目標(ゴール)があって、そこに向かうための阻害要員を課題として抽出し、それを克服するというプロセスの道を作り、そのサイクルを促進することがコーチとしての役割の1つだと考えています。