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奥行臼散策デー 〜秋の彩りと歴史を巡るひととき〜

9月29日、爽やかな秋風が吹く中、奥行臼で開催された「奥行臼散策デー」にスタッフとして参加しました。当日は地域の皆さんや観光客が集い、旧標津線の情景を思い起こさせる散策イベントとなりました。

自然と歴史が織り成す奥行臼の魅力

別海町の奥行臼は、古くから北海道開拓の歴史と結びつき、多くの人々の往来を見守ってきた場所です。特に、今は廃線となった旧標津線の奥行臼駅跡は、ノスタルジックな雰囲気が漂い、町の文化遺産として大切に保護されています。

毎年恒例となった別海町の歴史文化遺産である「別海音頭」「野付小唄」などの手踊りが披露されイベントが開幕。
「旧標津線フットパスツアー」では、秋風に色づき始めた木々の中、線路跡を歩き、かつて実際に使われていた保線小屋や鉄橋などを見学、ガイドによる説明に鉄道文化を偲ぶ姿が印象的でした。

トロッコ体験で時間旅行

今回のイベントのもう一つの目玉は、エンジン付きと足漕ぎが選べる「トロッコ乗車体験」です。廃線後も保存されている線路を使用し、かつての鉄道移動を体験できるこのアトラクションは、子どもから大人まで大人気でした。SLを再現したオーダーメイドの車両に乗り込むと、線路の音とともに、風景がゆっくりと流れていき、まるで過去へと時間旅行をしているような感覚が味わえます。

「子どものころ、よくこの駅を利用していたんですよ」

と、地域の方が懐かしそうに話してくださったのがとても印象的でした。
こうして皆様の声を直接聞くことで、地域の鉄道が果たしてきた役割をより身近に感じることができました。

地元の恵みを味わうひととき

散策を終えた後は、地元の方々が用意してくださった「秋の恵み」が参加者を迎えてくれました。甘酒、コーヒー、梨ジャムや別海牛乳などはなんと無料でご提供いただき、ホタテカレー、別海高校農業クラブさんが手作りしたヨーグルトなども販売されました。

また、今回は渚滑駅でかつて販売されていた駅弁「帆立めし」が復刻販売され、自然の恵みと温かいおもてなしを味わうことができました。

復活する記憶、繋がる未来

今回の「奥行臼散策デー」は、単なる歴史散策にとどまらず、地域の歴史と未来を結びつけるイベントとして、参加者一人ひとりの心に刻まれたのではないでしょうか。過去を振り返りながらも、こうしたイベントを通して人々の交流が生まれ、新しい文化の芽吹きを感じることができました。

奥行臼の美しい自然と歴史を今後も守り、次の世代へと引き継いでいくことの大切さを改めて感じた一日でした。来年もまた、この場所に訪れ、地域の方々とともに奥行臼の魅力を分かち合える日を楽しみにしています。

別海町地域おこし協力隊 文化財活用担当 大谷
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